2005年10月05日
アンチエイジング医学最前線
【第83回】糖尿病治療食の宅配利用
「肥満対策」
肥満は万病のもと。日本肥満学会では、肥満に起因ないし関連し減量を要する健康障害として2型糖尿病、高血圧、高尿酸血症(痛風)、心筋梗塞(こうそく)・狭心症、脳血栓症・一過性虚血発作、睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝、変形性関節症・腰椎(ようつい)症などさまざまな病気を挙げている。
日本肥満学会の評議員を務める大野誠・日本体育大学大学院教授は「体重を減らすダイエットは盛んですが、健全な方法が実行されているとは言い難いのも現実です」と注意を促す。
まずポイントとなるのは短期間に過激な方法で体重を減らすと、体調を崩す危険が大きいこと。人の体重の50~60%は血液などの水分が占めている。したがって短期間の体重減少は体から水分が抜けただけと思って間違いない。飢餓に備えるエネルギー源として脂肪細胞に蓄積される体脂肪が減るのはもっと後になってからだ。
「摂取エネルギーを抑える食事療法がダイエットの基本になりますが、体重や生活活動度を考えて摂取エネルギーを決めることが大切です」と大野教授は言う。
肥満症の指導マニュアルでは、身長170センチで生活活動強度が比較的軽い人(事務・管理職)なら1日の摂取エネルギーは1590~1907キロカロリーとなっている。このエネルギーの範囲でバランスの取れた規則正しい食生活を実行することが肥満の解消につながる。
簡単な方法として大野教授が勧めているのが、糖尿病治療食の宅配サービスの利用。「宅配の糖尿病治療食は1食500キロカロリーが基本になっています。栄養バランスは十分ですし、利用しているうちに目と口から自然と体得できます」(大野教授)。
食べ物を極端に減らすダイエットは問題が多い。1日1000キロカロリーを下回ると、筋肉や骨まで減り、やつれて体調を崩す危険性が大。消費エネルギーが多い筋肉量が減ることは太りやすい体質になることを意味し、リバウンドの原因になっている。
「ダイエットという言葉の語源は政策とか方針の意味です。太りにくいライフスタイル(人生の方針)をつくり上げることが真のダイエット。ゆっくりやせることが健康にとって大切です」と大野教授。効果的な方法は次回で。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆やせ過ぎ ダイエットブームのせいか、このところ20歳代の女性にやせ過ぎが目立つ。国民栄養調査では低体重(BMI18・5未満)の割合が20%を超えている。やせ過ぎは骨量の減少を招き、将来的に骨粗しょう症になる可能性が高い。骨粗しょう症・骨折は女性高齢者の寝たきり原因の1位である。
October 5, 2005 10:26 AM
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