2005年10月03日
アンチエイジング医学最前線
【第81回】ウエスト85センチ以上は要注意
「肥満対策」
肥満は健康にとって危険因子である。そもそも標準(理想)体重は各種の疾病・異常を起こす率の最も低い体重を基準にしている。肥満者における死因別死亡率を調べた米国の研究では、標準体重の人を100とした場合、肥満者の方が死亡率が低いのは男女とも自殺と結核だけ。肥満は健康長寿を全うする上で大きなデメリットといえる。
肥満は皮下や内臓に分布する脂肪細胞が中性脂肪をため込むことから始まる。日本肥満学会評議員の大野誠・日本体育大学大学院教授は「脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪はエネルギー源として利用されますが、分解過程で生じる遊離脂肪酸が生活習慣病の発症と密接なつながりがあります」と説明する。
遊離脂肪酸は肝臓に運ばれると再び中性脂肪に形を変えて蓄積し、脂肪肝を引き起こす。悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(低比重リポタンパク)も増え、高脂血症の原因となる。またインスリンの効き目を妨げて、糖尿病を誘発することも。
「脂肪細胞からはさまざまなサイトカイン(生理活性物質)が分泌されていますが、内臓脂肪からは動脈硬化を促進する悪玉サイトカインがたくさん分泌される」と大野教授。
特に内臓脂肪は皮下脂肪よりも分解されやすいので、遊離脂肪酸がたくさん作られる。内臓脂肪型の肥満はリンゴ型肥満とも称され、腹部が目立つ。ウエストが男性なら85センチ以上、女性なら90センチ以上なら要注意である。
肥満者の現状(2003年国民健康・栄養調査)は30~60歳代男性の3割以上が肥満。女性では60歳代まで年齢とともに肥満の割合が高くなっている。03年調査から腹囲の計測をしているが、リンゴ型肥満(上半身肥満)を疑われる人の割合は、男性で24・9%、女性で13・8%いた。
「中高年の肥満者が一番気をつけたいのは、やはり生活習慣病です。内臓肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症の4つが重なるメタボリックシンドロームは心筋梗塞などの心臓病や脳卒中を誘発する危険性を飛躍的に高めます」(大野教授)。
肥満を招かない生活を心がけることがアンチエイジングにもつながる。そのポイントは次回。
◆肥満判定の基準=体重(キロ)÷身長(メートル)÷身長(メートル)で求めるBMIがよく使われる。日本肥満学会の基準ではBMI18・5~25未満が普通体重。25~30未満=肥満1度、30~35未満=肥満2度、35~40未満=肥満3度、40以上=肥満4度としている。生活習慣病を合併したり、将来そうなる可能性のある肥満は、肥満症という病気と診断される。
October 3, 2005 09:31 AM
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