健康連載ブログ

2005年09月28日

アンチエイジング医学最前線

【第76回】日帰り可能 白内障手術

「眼疾患」

 60代で70%、70代で90%、80代以上ではほぼ100%の人が白内障による視力低下が認められるという。QOL(生活の質)を考えると対処が必要だが、白内障では手術による人工水晶体(眼内レンズ)への交換が一般化している。

 慶応義塾大学病院で白内障の治療にあたっている根岸一乃・同大医学部専任講師は「白内障の手術は局所麻酔で行われ、痛みもほとんどありません。眼内レンズも遠方も近方も見える多焦点型など種類が増え、年齢や眼の状態に応じて使い分けられています」と説明する。

 手術は約3ミリの切開部分から超音波で水晶体を砕いて吸い出し(超音波水晶体摘出術)、その後、残した薄い膜の水晶体嚢(のう)に眼内レンズを埋め込む方法が最近の主流になっている。特に問題がなければ日帰りも可能だ。100%安全ということはありえないが、安全性はかなり高くなっている。

 技術の進歩から眼内レンズの性能も上がっている。遠くも近くも見える多焦点型はカメラのパンフォーカス型のようにややピントは甘いが、老眼の治療の一助ともなり得る。「日本では今のところ未承認ですが、欧米ではさらに多くの種類の眼内レンズが発売されています」と根岸講師。

 短時間ですむ手術とはいえ、適切なアフターケアを怠らないことは大切。術後一定期間は医師が処方した点眼薬などをつける必要がある。しばらくは眼をこすらないよう注意することも重要。

 「眼内レンズを入れた水晶体嚢の後ろの嚢が濁る後発白内障といわれる症状が起こることもありますが、最近は特殊なレーザーを使って外来でも簡単に治療できます」と根岸講師。

 目は人体の中で老化が最も早い器官ともいわれる。酸素消費量の多さからの酸化ストレスや、太陽光線に含まれる紫外線の影響が大きな原因になっている。加齢が最大の原因になっている白内障を筆頭に眼疾患は、アンチエイジング医学の格好の目標といえる。

 「今後とも高齢者の増加に伴って白内障は増え続けるでしょう。QOLを含めどのように対応すべきなのか、医師は常に考えておくことが求められると思います」(根岸講師)。

 ◆手術費用 眼内レンズ挿入の白内障手術は92年に保険適用になり、70歳以上(1割負担)なら自己負担額は1万5000~2万円程度が目安(検査、入院費は別)。70歳以上の高額所得者(2割負担)は3万~4万円程度となる。70歳以下(3割負担)は5万~6万円程度かかる。

September 28, 2005 10:27 AM

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