健康連載ブログ

2005年09月27日

アンチエイジング医学最前線

【第75回】白内障には眼内レンズ手術

「眼疾患」

 目はよくカメラに例えられる。フィルムにあたるのが網膜なら、レンズにあたるのが水晶体。この水晶体が濁ってくるのが白内障である。糖尿病やステロイド薬の長期使用、先天性など原因はいろいろあるが、最も多いのが加齢による老人性白内障と呼ばれるものだ。

 慶応義塾大学病院で治療にあたっている根岸一乃・同大医学部専任講師は「早い人では40代から始まり、詳しく検査をすれば、80代ではほとんど人に白内障は発見されます」と言う。

 水晶体が濁ることで、かすんだり物が2重に見えたりする。光が乱反射するためまぶしさを感じたり、光を背にした人の顔がよく分からなくなることも白内障の典型的な症状だ。屈折率が上がり、近視が進行することもある。

 「高齢化が進む国では白内障は最もありふれた病気の1つになっています。今のところ水晶体の濁りを元に戻す方法はありません。初期段階なら進行を抑えることが治療の基本になります」と根岸講師は説明する。

 水晶体の濁りの進行を抑制する点眼薬が使われるが、全くストップするわけではない。予防策としてバランスのよい食事、サングラスの使用による紫外線の防止なども挙げられるが、「有効性を示す完全なデータはありません」(根岸講師)。

 視力の低下はQOL(生活の質)の低下にもつながる。老化とともに増える病気への対処法はアンチエイジング医学のメーンテーマだが、白内障はその点ではかなり進歩している。老化した水晶体を人工水晶体(眼内レンズ)と取り替える手術が効果を上げ、一般化してきているからだ。

 「眼内レンズを入れる手術は年間80万件に達しています。個々の病状にもよりますが、手術も比較的短時間ですみ、安全性が高いこと手術件数が増えている大きな理由でしょう」と根岸講師は話す。

 手術をする時期も早くなっている。以前は〝しろそこひ〟と呼ばれるような状態が基準だったが、現在は職業、日常生活に支障を感じるようになった時点で手術が行われるようになってきている。

 ◆皮膚病性白内障 アトピー性皮膚炎に伴う白内障もある。20~30代で視力障害が起こり、手術が必要になるケースが多い。また糖尿病や打撲などの外傷、放射線被爆も白内障の原因となる。

September 27, 2005 10:05 AM

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