2005年09月20日
アンチエイジング医学最前線
【第68回】肥満解消と筋肉保持が大切
「変形性膝関節症」
加齢が発症の危険因子となる変形性膝関節症。40代から症状が表れる人もいるが、一般的には女性は50代、男性は60代から患者は増えてくる。関節軟骨がすり減るという耐用年数が問題になるが、効果的な予防法はあるのかどうか。気になる点だ。
日本整形外科学会専門医で変形性膝関節症に詳しい池田和男・いけだ整形外科院長は「現在のところ摩耗、老化した軟骨を若返らせる積極的な治療法はありません。日常生活でいかに膝の軟骨に負担をかけないようにするかが、予防のポイントになります。第1に肥満の解消。第2に膝周囲の筋肉も膝関節を支える大きな要素ですから、筋肉を衰えさせないことが同様に大切です」と言う。
変形性膝関節症の治療の1つに運動療法がある。軟骨に血管はないが、軟骨細胞に酸素と栄養が必要ないわけではない。軟骨細胞への酸素と栄養の供給は、周囲の関節液を介して取り込むことで行われている。ストレッチや膝周囲筋肉の強化運動により関節の安定化が図られ、関節の動きが良くなることは、膝周囲の血流改善のみならず、正常な関節液の分泌を促し、その結果、健康な軟骨を保持することができるようになる。
「まずは、膝を支える筋肉の大腿(たい)四頭筋、つまり太もも前面の筋肉を鍛えるのがいいでしょう。イスに座って左右の足を交互に上げて、膝を伸ばした状態を数秒維持する運動が簡単にどこでもできて効果的です」(池田院長)。太ももとスネが水平になるように伸ばすこの運動は、関節軟骨の代謝も促進し、柔軟性も増す。
加齢とともに病気は増えてくるが、WHO(世界保健機関)は高齢者の健康度は生活の自立で測る、としている。歩行、食事、排せつなど日常生活動作能力や社会的関係が普通にできていれば健康なのである。
変形性膝関節症への対応は高齢者の健康を守るためにも欠かせない。
◆関節軟骨の再生医療 患者自身の軟骨細胞を培養して移植する培養自家軟骨細胞移植術が、若年者のスポーツ外傷や交通事故などによる膝軟骨損傷において行われている。将来的には変形性膝関節症に対しても軟骨細胞移植術が適応される可能性がある。
September 20, 2005 09:56 AM
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