2005年09月18日
【第66回】初期症状を見逃さないこと
「変形性膝関節症」
膝(ひざ)軟骨がすり減ることが主な原因となる変形性膝関節症。クッションの役目をしている軟骨の耐用年数切れともいえるが、すり減る理由はいくつかある。多くの要因が絡み合っているのも確かだ。
東京女子医科大の非常勤講師も務める池田和男・いけだ整形外科院長は「加齢、筋肉の衰え、肥満、O脚など足部の変形、膝への負担が大きい運動習慣などが変形性膝関節症の危険因子として挙げられます。ただ症状の表れ方や進み具合は千差万別です」と話す。
日本人に比較的多いとされるO脚は膝関節の内側に負担がかかりやすい。O脚の原因である脛(けい)骨の曲がりを直す手術(高位脛骨骨切り術)は、変形性膝関節症の治療法の1つになっている。
変形性膝関節症はケガや病気が原因となるもの以外は、症状が徐々に進行していく。初期症状として膝の違和感が表れる。膝に力が入ると痛みを伴うこともあるが、休むと痛みがなくなる場合が多い。「変形性膝関節症は早期発見、早期治療で病気を進行させないことが大切。初期症状を見逃さないことです。早めの手当てをするかしないかで、その後の経緯がかなり違います」と池田院長はアドバイスする。
痛みがはっきりと分かるようになり、膝が完全に伸びない状態になると中期ということになる。炎症も起こるため膝周辺がはれたりむくんだりしてくる。この時期に整形外科を訪れる人が多い。
日常生活に支障をきたすほどの痛みが続けば、かなり症状が進んだことになる。関節の変形が外見的にも目立つようになる。「高齢者の方の場合、痛みのため外出機会が減り、外界からの刺激も少なくなるとウツ状態を招く問題も近年、指摘されるようになってきました。QOL(生活の質)低下の影響は幅広いので、変形性膝関節症への適切な対応は重要です」。
治療は症状の進行に合わせて行われる。末期では人工関節に入れ替える手術もあるが、最近、注目されているのが膝関節の潤滑液(関節液)の成分であるヒアルロン酸を患部に注入する治療法だ。そのことは次回で。
◆軟骨 弾力性に富んだ組織からなる。コラーゲン繊維などで構成された網の中に水分が詰まった水まくらのような構造になっている。関節軟骨は1平方センチあたり200キロの圧力に耐えられるようにできている。
September 18, 2005 11:14 AM
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