健康連載ブログ

2005年09月17日

アンチエイジング医学最前線

【第65回】すり減った軟骨は再生困難

「変形性膝関節症」

 立ち上がる時、膝(ひざ)が痛い。階段を下りる際、膝がこわばる。中高年に多い変形性膝関節症の典型的な初期症状だ。膝の痛みで整形外科を訪れる人の半数近くが該当するともいわれている病気である。

 日本整形外科学会専門医で変形性膝関節症に詳しい池田和男・いけだ整形外科院長は「膝関節でクッションの役目をしている軟骨が年とともにすり減ることが最大の原因になります。筋肉の衰えも影響します。高齢化社会では増える病気といえますね」と説明する。

 推定患者数は1000万人。女性に目立つのも特徴だ。男性の2~3倍も患者が多い。もともと膝を支える筋肉量が少ないことと性ホルモンのかかわりも指摘されている。遺伝的素因もあるとされている。

 軟骨には血管が通っていない。そのため1度すり減ると再生は困難で、病状は徐々に進行していく。膝関節では太ももの骨とすねの骨が接している部分が軟骨で覆われている。「衝撃を吸収する役割を持つ軟骨がすり減ると骨同士の圧力が増し、炎症も起こりやすくなります。それが痛みとなって表れます」と池田院長。

 軟骨がすり減る原因は基本的には老化と使い過ぎ。体重が重いとそれだけ軟骨がすり減る度合いが大きい。筋肉も膝を支える重要な役割をしているので、筋肉量が落ちる中年から変形性膝関節症になるリスクは高くなる。

 高齢化、肥満、運動不足傾向にある日本人に増えて当然の病気ともいえる。膝の痛みはQOL(生活の質)を低下させる。動くことがおっくうになる。その結果、ますます筋肉が衰え、痛みを増すといった悪循環も起こる。池田院長は「変形性膝関節症は進行を遅らせることが治療の主になります。早期発見、早期治療が大切です。うまく付き合って症状を悪化させないことが肝心。糖尿病など生活習慣病と全く同じです」と話す。

 膝の痛みを起こす病気はいろいろあるが、変形性膝関節症の診断は難しくはない。診察、エックス線検査などで確定できる。関節リウマチや痛風との鑑別のため血液検査が必要なこともある。

 ◆膝関節の構造 しつがい骨(皿)、大たい骨(太ももの骨)、けい骨(すねの骨)で構成され、互いに接する部分は軟骨で覆われている。じん帯(線維状の帯)は関節が外れたり、逆方向に曲がらないように関節の中と外で固く止める働きをしている。

September 17, 2005 10:22 AM

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