健康連載ブログ

2005年09月14日

アンチエイジング医学最前線

【第62回】思考パターン変えストレス対応

「うつ病対策」

 うつ病のきっかけは精神的ストレスである。何がストレスになるかは千差万別のようにも思えるが、共通点も案外多い。家族や仕事、人間関係、それに伴う将来の不安などストレスを感じる事柄は誰でも似ているからだ。

 厚生労働省の国民生活基盤調査の「悩みやストレス状況」の結果をみても悩みやストレスの原因として「自分の健康・病気」「将来・老後の収入」「収入・家計・借金」がいつも上位を占める。年齢によって当然、悩みの原因は変わってくるが、千差万別といえるほど多種多様ではない。

 精神療法が専門の大野裕・慶応大学保健管理センター教授は「うつ病にはストレスが関係していることが多いのですが、受け止め方も大事です。うつ状態ではストレスとなっている問題を解決する方向に考えがいかなくなる」という。

 自分を責めてますます症状を進めてしまうのも、うつ病の特徴である。うつ状態は自律神経が乱れ、ホルモンバランスの異常、それに伴う身体症状を招く。頭痛、肩凝り、胃の痛み、下痢、便秘、発汗、息苦しさ、倦怠(けんたい)感などの身体異常がストレスを増加させる。うつ病は悪循環の見本のような病気でもある。

 「薬物治療などで精神的な症状も含めて改善しますが、根本的な治療にならないケースが多いのも事実。ストレスを受け止める方法を考えないと再発の危険性も高い」と大野教授は話す。

 ストレスへの感受性は性格も関係するが、柔軟な対応は考えのパターンを変えることで可能になる。うつ病治療では最近、認知療法の重要さがいわれている。米国の統計でも認知療法を行ったうつ病患者の再発率は、薬物治療の患者と比べて低くなっている。

 大野教授は日本認知療法学会の理事長を務めている。「うつ病になると根拠がないのに独断で推論する、少しのミスで自分を責めるなどの傾向が出てきます。認知療法はこの思考パターンを現実的なものに変えていくことで症状の改善を図るのが基本になります」。

 具体的な方法は次回で。

 ◆順調希求 うつ病になりやすい性格特徴の1つ。いつも順調でありたいと思う気持ちが強すぎると、不調な状況を受け止めにくくなる。ストレスに弱い性格ともいえる。責任感が強く、きちょうめんで凝り性の執着性格もうつ病になりやすい。

September 14, 2005 10:38 AM

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