健康連載ブログ

2005年09月11日

アンチエイジング医学最前線

【第59回】「カ、サ、タ、ハ行」聞きづらくなったら要注意

「難聴」

 耳が遠くなる。典型的な老化現象である。軽度の難聴を含めると約600万人とも推定されている。65歳以上の約半数は難聴気味といわれるが、単純に年のせいだけとも言えないことも分かっている。アフリカの先住民と比較した研究では、騒音の影響が難聴に関係していることが指摘されている。

 日本大学医学部付属練馬光が丘病院耳鼻咽喉科の科長を務める生井明浩・同大講師は「内耳にある蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる部分にある有毛細胞の衰えには長年の騒音による負担が関係します。都市生活者の方が早く難聴になりやすい傾向ははっきりしています」という。

 音の波を感じて脳神経に伝える有毛細胞は障害を受けるたびに減っていく。高い音を感じる部分が前にあることもあって通常、高音から聞き取りにくくなる。10代では20~2万ヘルツの音を聞くことができるが、40代を超えると1万ヘルツ以上は聞こえなくなるともいわれている。「実際に生活に支障をきたすのは1000ヘルツあたりの音が聞こえなくなってからです。ただ聴力はかなり個人差が大きく、90歳になっても不自由しない人もいます。有毛細胞に酸素と栄養を運ぶ血行の問題も大きいと考えられています」と生井講師。

 動脈硬化、脳血管障害、糖尿病などは難聴を促進する危険因子になっている。難聴は有毛細胞の問題だけでなく、外耳から中耳にかけて音を伝える器官の障害でも起こる。鼓膜が破れたり中耳炎などになると難聴になる。この場合は治療によって回復する可能性が高い。「子どもがよくかかる滲出性(しんしゅつせい)中耳炎は、高齢者の方にも多いのです。中耳に水がたまるので難聴気味になります。治療すれば難聴も回復します」と生井講師は話す。

 難聴には治りにくいものと治りやすいものがあるが、年のせいだと思っていたものが、耳垢(あか)がたまり過ぎていたのが原因ということもある。

 難聴も早めの治療が改善のカギになる。「カ行、サ行、タ行、ハ行が聞き取りづらくなったら難聴の可能性があります。ともに高周波数の多い音などで目安になります」(生井講師)。

 ◆難聴の種類 伝音性難聴(外耳~中耳までの異常)と感音性難聴(内耳より中枢に近い部分の障害によるもの)に大別される。骨伝導聴力を調べることで判別できる。2つが混合している場合もある。老人性難聴(感音性難聴)は耳鳴りを伴うことが多い。

September 11, 2005 10:29 AM

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