健康連載ブログ

2005年09月10日

アンチエイジング医学最前線

【第58回】偏食しない、よく噛む

「味覚障害」

 味オンチになる味覚障害の治療には、亜鉛が含まれる経口薬が使われることが多い。治療効果も高い。早期治療もカギになる。味覚障害を感じてから6カ月以上たってからの治癒率は50%程度に下がってしまう。

 味覚障害が専門分野である生井明浩・日本大学医学部講師(同大付属練馬光が丘病院耳鼻咽喉科科長)は「まず血液検査をして亜鉛濃度が低い人の場合は薬などで補給してもらいます。亜鉛吸収が悪くなる薬の服用が原因なら、薬を変更してもらうこともあります」と説明する。

 唾液(だえき)の分泌が悪いことから味が感じにくくなることがある。心因的な理由が多く、精神科・心療内科での治療で味覚障害も解消される。高齢者に多くなる口内炎も味覚を妨げる。糖尿病の治療を始めることで味覚障害が改善されることもある。

 味覚障害は微妙な感覚の問題だけに放置されるケースも目立つ。生活の質を落とす病気というだけでなく、他の病気が隠れている可能性もある。「1~2週間以上、味の感覚がおかしいと感じたら1度診察を受けてほしいですね」と生井講師は話す。

 検査(ろ紙ディスク検査)にも用いられるように薄い味への感度が悪くなるのが味覚障害の始まり。食事をしている際、周囲の反応との違いから自覚することも多い。濃い味付けに慣れると発見しにくい面もある。

 「味覚障害の予防対策は偏食をしないこと。亜鉛を含めてミネラル不足を招きがちです。あとよくかんで食べることも大事です。唾液も出ますし、消化吸収が良くなります」と生井講師。加工食品や清涼飲料水などに含まれる食品添加物は亜鉛の吸収を妨げたり、排せつを促進することがある。アンチエイジングの柱でもあるバランスのよい食生活は、味覚障害を防ぐ方策にもなっている。

 健康志向の高まりから各種のサプリメントが利用されている。「カルシウムを取りすぎると亜鉛濃度が下がるという報告もあります。バランスが大事です。きちんと検査した上で足りない分を補うようにしてください」と生井講師はアドバイスを送る。

 ◆亜鉛の1日所要量(第6次改定日本人の栄養所要量) 成人男性11ミリグラム、同女性9ミリグラム。激しい運動や労働をする人、偏食気味の人、アルコール摂取量が多い人は多めに取った方がいいとされる。許容上限摂取量もあり、30ミリグラムとなっている。

September 10, 2005 10:21 AM

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