2005年09月07日
アンチエイジング医学最前線
【第55回】立つことで血糖値コントロール
糖尿病は完治するタイプの病気ではない。一生付き合う必要がある。その際、大切なのが血糖コントロールである。極論すれば高血糖そのもので死ぬことはないが、高血糖がもたらす合併症は著しくQOL(生活の質)を低下させ、命を縮める原因になる。
東邦大学医療センター大森病院の専門外来を担当している上芝元・同大医学部講師は「糖尿病の合併症は高血糖が長く続くことで発症します。高血糖状態を改善できれば“一病息災”も可能です」と話す。
最近、話題になっているメタボリックシンドローム(代謝症候群)は糖尿病予備軍も要注意である。過食や運動不足、インスリンの働きの低下は、高血圧や高脂血症を招く共通因子になっているからだ。高血圧や高脂血症の薬の中には、糖尿病の進行を抑える効果があることも分かってきている。「血糖をコントロールする基本は食事と運動です。その上で薬剤治療をすることになります。初期の段階なら生活習慣を見直すことで十分、血糖コントロールができます」と上芝講師。
具体的なポイントもある。食生活に関しては食事の前に血糖値を上げないようにすること。食べ物を摂取すれば誰でも血糖値は上がる。食前の血糖値が低ければ正常範囲内にとどまる可能性が高くなる。そのためには「間食はしないこと。菓子類や果物、清涼飲料水など糖分が多いものが多く、血糖値を上げやすいからです。間食を控えるだけで摂取エネルギーの抑制になります」(上芝講師)。
運動は筋肉も直接、ブドウ糖を取り込む働きをしているので、血糖コントロールの決め手になる。ただ現実としては運動時間をきちんと取れる人は少ない。おっくうでもある。上芝講師は生活の中でなるべく立っている時間を増やすことを勧める。太っている人よりやせている人の方が、立っている時間が長く、消費エネルギー量も多いという研究報告がある。
「ダイエット中の人が体重を気にするように血糖値に関心を持ってくれれば糖尿病患者は減るはずです」と上芝講師は期待する。最近は自分で測れる血糖測定器も市販されている。
◆糖尿病 すい臓でつくられるインスリン・ホルモンが不足したり、その作用が妨げられて血糖が異常に増加する病気。自己免疫などが関係し、インスリン分泌がない1型(インスリン依存型)と生活習慣が招く2型(インスリン非依存型)がある。2型がほとんどを占める。
September 7, 2005 10:21 AM
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