健康連載ブログ

2005年09月05日

アンチエイジング医学最前線

【第53回】細胞全体が酸化ストレス状態

「糖尿病」

 生活習慣が深くかかわる糖尿病(2型糖尿病)は、アンチエイジングのためにも見逃せない病気である。血液中のブドウ糖の量が多くなることで発症する糖尿病は、QOL(生活の質)を著しく落とす可能性があるからだ。

 日本抗加齢医学会の評議員で糖尿病の治療にあたっている上芝元・東邦大学医学部講師は「放置すると3大合併症といわれる糖尿病性網膜症、腎症、神経障害を起こすようになります。網膜症は失明の原因になりますし、腎症が進行すると透析治療が余儀なくされます。また神経障害は足の壊疽(えそ)を引き起こします」と説明する。

 糖尿病性網膜症が原因で失明する人は毎年、3000人を超え、透析療法が必要になる原因のトップは糖尿病性腎症。最新の調査(日本透析医学会)では年1万3000人を超え、全体の4割に達している。

 また糖尿病は老化を促進させることも分かってきた。「高血糖状態になると糖がたんぱく質に結合した糖化たんぱく質ができやすくなります。この糖化たんぱく質は体内の鉄分などと反応して活性酸素を発生させます。しかも抗酸化酵素であるSODとも結合して、その働きを阻害します」と上芝講師は話す。

 活性酸素は老化を進める大きな原因となる。アンチエイジング医学のダースベーダー的存在でもある。糖尿病は細胞全体が酸化ストレス状態に向かっているといえるのである。

 02年の糖尿病実態調査(厚生労働省)によると、2型糖尿病を強く疑われる人と可能性を否定できない人の総数は約1620万人。成人の6人に1人が糖尿病とその予備軍となっている。97年と比較すると250万人も増えている。「日本は平均寿命、健康寿命とも世界一ですが、このままのペースで糖尿病が増えるとそれも怪しくなりかねません」と上芝講師。

 自覚症状がなく徐々に進行するのも糖尿病の特徴である。どうすべきなのか。

 ◆糖尿病 すい臓でつくられるインスリン・ホルモンが不足したり、その作用が妨げられて血糖が異常に増加する病気。自己免疫などが関係し、インスリン分泌がない1型(インスリン依存型)と生活習慣が招く2型(インスリン非依存型)がある。2型がほとんどを占める。

September 5, 2005 10:30 AM

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