健康連載ブログ

2005年09月04日

アンチエイジング医学最前線

【第52回】食事、運動療法で予防対策

「男性更年期障害」

 男性更年期障害は男性ホルモンの分泌量低下が原因。加齢とともに徐々に減少するホルモンだけに、年齢による衰えを実感させる病気といえるかもしれない。年齢的には45歳から60歳前後に症状を訴える人が多くなる。中高年への曲がり角である。

 男性更年期障害の研究で知られる伊藤直樹・札幌医科大学助教授は「生活習慣を見直すことで更年期症状も改善する印象を持っています。加齢に伴う病気に完全な予防策はないでしょうが、症状を軽減させるためにも生活習慣病的側面を訴えた方がいいかもしれません」と話す。

 生活習慣の改善はアンチエイジング医学の大きな柱。カロリー過剰、脂肪の摂取過剰に注意する食事療法、男性の性腺機能の刺激にもなる運動療法は男性更年期障害への予防対策にもなり得る。

 男性更年期障害のホルモン補充療法に使用されるDHEAは、体脂肪やLDL(悪玉コレステロール)を低下させることが分かっている。男女ともDHEAの分泌量は加齢とともに減少することから、米国では老化防止の目的として補充しているケースも目立つ。

 「日本では男性更年期障害の存在が認められてきたのは、ごく最近です。QOL(生活の質)を落とすものだけに治療するメリットがあります。これから関心が集まる病気であることは確かでしょう」と伊藤助教授は予測している。

 WHO(世界保健機関)は健康を〈何事に対しても前向きの姿勢で取り組めるような、精神および肉体、さらに社会的に適応している状態をいう〉と定義している。男性更年期障害は真逆の状態を招いてしまう。

 WHOによる健康の定義で重要なのは、健康の目的を明らかにしていることである。何でもいいから健康ならいい、と言っていない。真の健康を望むなら男性更年期障害に関心を持たざるを得ないだろう。

 ◆ライディッヒ細胞 テストステロンを分泌している細胞。精巣の精細管の間(間質)にひも状に存在している。コレステロールを材料にテストステロンを合成している。思春期になると活性化し、テストステロンの働きによりペニスや前立腺などを発達させる。

September 4, 2005 10:57 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/1636