2005年09月03日
アンチエイジング医学最前線
【第51回】生活習慣の改善で良くなることも
「男性更年期障害」
男性更年期障害の治療は、ホルモン補充療法が行われるのが一般的である。漢方薬、抗不安薬、ぼっ起障害改善薬を使う場合もある。ホルモン補充は前立腺がんを促進する可能性があるので、事前の検査(直腸指診、PSA検査)などで疑いのある人には行わない。また多血症や重度の肝機能障害を持つ人も、症状を進行させてしまうため除外される。
専門外来で男性更年期障害の治療経験が豊富な伊藤直樹・札幌医科大学助教授は「補充するホルモンはテストステロンです。現在、日本において安全で効果的に使用できるのは注射剤だけで、2週間か1カ月に1回の割合で補充します」と説明する。
効果が表れるのは個人差があり、専門家の間でもどの程度の治療期間が必要なのか意見が分かれている面もある。伊藤助教授は「治療後3カ月、6カ月の時点で症状の改善度などを測定し、それ以後の治療方針を決めるようにしています。禁煙、節酒、運動など生活習慣の改善で更年期症状が改善する患者さんもいます。総合的な判断が大事です」と言う。
欧米では男性ホルモンの内服薬も使用されているが、日本の場合、使用が認可されている内服薬は効果が不安定で副作用も強いことから使われない。また塗り薬や張り薬もあるが、日本では今のところ認可されていない。
伊藤助教授は男性更年期障害治療の今後の課題として、各診療科間の連携も必要と言う。現在は泌尿器科が担当することが多いが「診察に訪れる患者さんにうつ病と思われる人がかなりいることが最近、分かってきました。生活習慣病が原因となる症状も男性更年期障害の症状と重なる部分も多い。いかに総合的に取り組むかが治療効果を上げるカギになることは間違いありません」と伊藤助教授は強調する。
◆テストステロン濃度 テストステロンの基準値の目安を示した研究報告もあるが、値自体と症状の重症度は相関していない。テストテロン濃度が低くても減少の程度が少なければ、男性更年期障害の症状が出ない人もいる。仕事や家庭のストレスなど環境条件も発症にはかなり関係する。
September 3, 2005 10:20 AM
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