健康連載ブログ

2005年09月01日

アンチエイジング医学最前線

【第49回】男性更年期障害の認識定着

「男性更年期障害」

 更年期障害といえば、以前は女性特有の病気と思われていた。しかし最近は男性にも更年期障害があるとの認識も定着してきた。欧米ではADAM(高齢男性における男性ホルモン低下)という呼び名も使われる。

 全国でもいち早く男性更年期障害の専門外来を設けた札幌医科大学付属病院で治療にあたっている伊藤直樹・同大学助教授は「男性ホルモンが加齢とともに減少するのは以前から知られていました。最近、男性更年期障害が注目されだしたのは、ホルモン研究や測定方法が進歩し、体にどう影響するか具体的に分かるようになったからです」と説明する。

 男性ホルモンにはさまざまな働きがある。性欲・ぼっ起能力、体内脂肪と筋肉量、骨、記憶力、精神状態、赤血球を増やすなどの機能と関係してくる。男性ホルモンの分泌量を調べた研究では、20代前半をピークに徐々に分泌量は減っていく。

 個人差もあるが、40~50代を境に落ち込みが目立つようになる。男性更年期障害が表れる時期と一致している。症状としては気力が出ない、集中力低下、不眠、不安感、イライラ、性欲低下、発汗、頭がもやもやする、ぼっ起障害、ほてりなど。複数の症状が出るのも特徴になっている。

 「主観的要素の強い症状も多く、簡単に男性更年期障害のためとは言い切れません。他の病気の可能性もあります。ホルモン検査などを受けるきちんとした診察が必要です」と伊藤助教授は言う。

 男性更年期障害の初期には、身体的なものより精神的な症状が表れやすいことも特徴。「男性ホルモンの1つであるテストステロンは神経伝達物質であるセロトニンの放出に関与しています。完全には解明されていませんが、テストステロンの低下がさまざまな精神症状につながる可能性は高いと考えられます」(伊藤助教授)。

 加齢による影響を改善していくのがアンチエイジング医学の目標。男性更年期障害への対応はオプティマルヘルス(最高の健康状態)を実現するためにも欠かせない。

 ◆男性ホルモン(アンドロゲン) いくつか種類があり、テストステロンが最も生理活性が強い。男性の場合、約95%がこう丸(精巣)でつくられる。残りは副腎で合成され、分泌される。20代の分泌量(テストステロン)は1日7ミリグラム前後とされる。テストステロンは少量がエストロゲン(女性ホルモン)に変換される。

September 1, 2005 11:11 AM

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