健康連載ブログ

2005年09月26日

アンチエイジング医学最前線

【第74回】50歳になったら眼底検査

「眼疾患」

 失明の原因ともなる加齢黄斑変性には、網膜の中心部にある黄斑が栄養不足などで縮む委縮型と、新生血管から滲(し)みだす血液成分が黄斑に障害を起こす滲出(しんしゅつ)型の2種類がある。

 慶応義塾大学病院の眼科抗加齢医学外来で黄斑変性の治療・研究にあたっている今村裕医師は「加齢黄斑変性は進行する病気です。委縮型から滲出型になるケースも少なくありません。治療はいかに進行を抑えるかが中心になります」という。

 滲出型の原因となる新生血管は正常な血管の閉塞(へいそく)などをカバーするため新たにできるが、組織が粗く血液成分が漏れやすい。出血も起こる。光力学療法、手術などで新生血管を退縮・除去させる治療が行われ、新生血管が小さい初期は改善効果があることがある。

 「委縮型は決め手となる治療法が確立していませんが、最近、ビタミン剤と銅、亜鉛の内服が進行の抑制、予防に役立つことが分かってきました。酸化ストレスの除去が効果をもたらしていると考えられます」と今村医師。

 加齢黄斑変性の危険因子は<1>年齢(60歳以上に多い)<2>喫煙<3>高血圧<4>血管疾患<5>太陽光線による障害、などが挙げられる。遺伝要素もある。今村医師は特に喫煙に注意を促す。「喫煙者と非喫煙者の比較では6倍近く発症リスクの差があります。喫煙率の高い男性の方が加齢黄斑変性の患者さんが多いのが現状です」。

 加齢黄斑変性は徐々に進行し生活習慣病の影響も大きい。早期発見、早期治療が大切といえる。人間ドックなどで見つかることもあるが、老眼や白内障など年のせいにして見過ごす可能性も大いににある。「50歳になったら眼底検査をすることをお勧めします。緑内障や糖尿病性網膜症など失明原因となる眼疾患の有無も分かります」と今村医師はアドバイスを送る。

 加齢黄斑変性は30年ほど前までは日本ではまれな病気とされていた。増加の理由として食生活の変化も指摘されている。また再発しやすく、反対側の目に起こる危険性も年とともに高くなる。生活習慣の改善とともに定期検査も大事だ。

 ◆酸化たんぱく 加齢黄斑変性の典型的臨床像は、ドルーゼンと呼ばれる酸化たんぱくを大量に含む沈着物が発生し、その後に新生血管が発生すること。老人斑(アミロイドたんぱく)の沈着が原因となるアルツハイマー病の発症メカニズムと似ている。

September 26, 2005 10:53 AM

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