健康連載ブログ

2005年08月30日

アンチエイジング医学最前線

【第47回】動脈硬化治療は危険因子への認識が重要

「動脈硬化」

 動脈硬化はようやくその進行のメカニズムが分かってきたため、治療の対象になってきた。ただし、硬くなった血管を再び柔軟にするわけではない。硬化度合いを遅らせることが目的になる。

 高脂血症は明らかに動脈硬化の最大危険因子だが、治療薬の使用で血中のコレステロール値、中性脂肪値は下がっても、動脈の硬化度が改善したわけではない。

 動脈硬化を研究テーマとしている福生吉裕・博慈会老人病研究所所長は「動脈硬化は突然、心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞を起こすことがあります。自覚症状がないため進行に気づかないからです。どのあたりから治療をすすめるのがいいのか。この見極めが大事です」と話す。

 福生所長は未病(病気と健康の境目)段階の医療を探る日本未病システム学会の常任理事も務める。未病の概念からも動脈硬化は格好のモデル、という。たとえ症状がなくても精密検査は重要である。「CTスキャン、頸(けい)動脈超音波検査、大動脈脈派速度、負荷心電図などを組み合わせることでかなり動脈硬化度は分かるようになってきました」と福生所長。

 未病段階の治療は食事療法、運動療法、禁煙などの生活指導が有効なことは間違いない。もともと血管内壁を覆う血管内皮細胞は、動脈硬化や血栓ができないような物質を産生している。

 内壁が傷つくことから動脈硬化が始まるともいえる。酸化LDLを減らす、血圧の上昇を防ぐ、風邪をひかないようにするなどが防止策になる。さらにピロリ菌を除去しておくことも動脈硬化の予防につながると福生所長は言う。減塩、禁煙などは血管を傷つけないために有効なのである。

 「臨床的立場からみて未病段階での治療は難しい部類に入ります。効果があるかどうか納得しにくいからです。こまめに生活指導をしてくれる医師に巡り合うことがポイントになるかもしれません」(福生所長)。

 動脈硬化治療を効果のあるものにするには、その人が改善できる危険因子への認識が重要。肥満、運動不足、喫煙などは改善できる危険因子。治療も予防も未病の段階から始めなくてはいけないのが動脈硬化の特徴だろう。

 ◆ホモシステイン アミノ酸の1つであるメチオニンが代謝される際、中間的にできる物質。代謝がうまくいかないと血中に残り、動脈硬化の要因となる。ホモシステインには血管壁を傷つけたり、悪玉コレステロール(LDL)の血管内壁付着を促進する作用がある。ビタミンB12がホモシステインを下げるといわれている。

August 30, 2005 11:08 AM

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