健康連載ブログ

2005年08月29日

アンチエイジング医学最前線

【第46回】生活習慣が招く動脈硬化

「動脈硬化」

 動脈硬化の原因となる危険因子は、日ごろの生活習慣と結びついているものが多い。診断のポイントはまずその人の生活歴を尋ねることといわれているぐらいだ。動脈硬化研究が専門テーマの福生吉裕・博慈会老人病研究所所長は「肥満、運動不足、喫煙、飲酒は危険因子です。糖尿病、高血圧、高脂血症、痛風は動脈硬化を促進する重要な危険因子。最近注目されだしたメタボリック・シンドロームは動脈硬化への前奏曲です。それに家族に動脈硬化性疾患の人がいるかどうかも診断のポイントの1つ」と言う。

 とはいっても血管の動脈硬化度を正確に把握するのは実のところ難しいが、頸(けい)動脈エコーでアテローム(脂肪性物質の沈着)の有無を見たり、脈派の伝わり方(PWV)を測ることで分かるようになった。血管年齢は意欲低下、うつ症状や骨年齢(骨密度)、さらにED(ぼっ起不全)との相関関係があるとの研究もある。

 動脈硬化といえば何といってもコレステロールの問題がある。コレステロールは特殊なたんぱく質と結合して、リポたんぱくという粒子となって血液中に運ばれる。悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(低比重リポたんぱく)は血管壁に入り込んで酸化され、アテロームを作り出す。「中性脂肪もリポたんぱくとして血液中を運ばれますが、一部が分離して小さなLDLを作ることがあります。この小さなLDLを最近では超悪玉と呼んでいます。より血管壁に入りやすく、また酸化を受けやすいからです」と福生所長は説明する。

 血管内壁の炎症反応も動脈硬化を招く。アテローム動脈硬化では、発症から進展の過程を通してリンパ球、単球、マクロファージといった白血球系が関係していることが分かってきた。いずれも炎症が起こってくる時に集まってくる白血球だ。「炎症反応で活性化するマクロファージは酸化LDLや脂肪性物質を異物としてがむしゃらに処理するのですが、結局消化しきれず泡沫(ほうまつ)細胞と呼ばれるものになります。この泡沫細胞は動脈壁内で増加してアテロームを作るのです」と福生所長。

 また喫煙はこの白血球系を活性化させ、さらに動脈内壁を傷つける一酸化炭素の血中濃度を高め、HDL(善玉コレステロール)値を低下させる作用もある。動脈硬化性疾患のいずれに対しても喫煙は進行させる要因になる。

 ◆メタボリック・シンローム 直訳すると代謝症候群。血糖、血圧、コレステロールおよび中性脂肪、肥満の4つが重なると心臓病や血管病にかかる確率が正常な人と比べ3倍以上になる。それぞれの数値がわずかなオーバー状態でもメタボリック・シンドロームになる。

August 29, 2005 10:46 AM

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