2005年08月28日
アンチエイジング医学最前線
【第45回】風邪も動脈硬化の危険因子
「動脈硬化」
人は血管とともに老いるという。動脈が柔軟性を失い劣化した状態を動脈硬化と呼ぶ。動脈硬化こそエイジングの指標となる、と言っても言い過ぎではない。
脳動脈の硬化度を詳しく調べた有名な研究(九州大学)がある。1000人以上の日本人を対象に、亡くなった後、病理解剖された人の脳動脈の狭窄(きょうさく)度を調べたのである。22カ所の動脈の狭窄度を5段階評価(0~4)したところ、どこも変化がなかった0点の頻度は10歳未満では100%、10代では92%となり年齢が上がるとともに減っていった。60歳以上では10%以下になった。
日本動脈硬化学会評議員を務める福生吉裕・博慈会老人病研究所所長は「注目すべきは10代後半から動脈硬化がみられることと個人差も結構大きいことです」と解説する。近年、動脈硬化の進行メカニズムが解明されてきたところから、予防や治療の対象となる疾患ともなっている。
動脈硬化は沈黙の病気とも呼ばれる。徐々に進行し自覚症状もない。しかし高血圧、脳卒中、心臓病の基本原因になる。腎動脈の硬化が進むと慢性腎不全にもなる。網膜出血も動脈硬化が関係している。
血液循環が関係するさまざまな病気は、動脈硬化の合併症ともいえる。「動脈硬化を進める原因は多岐にわたります。止めるわけにはいきませんが、いかに進行を遅らせるかが健康長寿につながることは間違いありません」と福生所長はいう。
病理学的はアテローム(粥=かゆ=状)動脈硬化と呼ばれる種類が最も重大で多くみられる。まさしく粥状のものが血管に詰まってくる。脳や心臓、腎臓などの臓器、足の中動脈や大動脈にも損傷を与える。
「このアテロームの形成には免疫システムもかかわることが分かってきました。感染症によって動脈内壁が傷つくと、アテロームの形成が促進され、しいては動脈硬化につながります。実はカゼも動脈硬化の原因の1つになるのです」(福生所長)。
動脈硬化の危険因子は多岐にわたるが、互いに相関関係がある。危険因子を1つでも防ぐことが予防対策となる。
◆痛みとけいれん 自覚症状がない動脈硬化も動脈内が狭まると症状が表れてくる。代表的な症状が痛みとけいれん。血液循環の不良から各組織に運ばれる酸素と栄養が足りなくなるのがその理由。歩行中にふくらはぎが痛むのは下肢(し)の血管の動脈硬化の可能性がある。運動中の胸痛も要注意である。
August 28, 2005 10:04 AM
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