2005年08月27日
アンチエイジング医学最前線
【第44回】ホルモンの補充で生活の質回復
「総合ホルモン補充療法」
アンチエイジング医学の最前線といっていい総合ホルモン補充療法。今後の普及も期待されるが、ブレーキ要素も結構ある。治療に用いられるホルモン剤が保険適用になっていないものが多い。
原則として病気を治す治療を対象としているのが健康保険制度。より健康的な状態つくりを目標とするアンチエイジング医学は、今のところ健康保険制度とはなじまない。総合ホルモン療法も自由診療となる。
アンチエイジング医学における検査は詳細にわたる。それだけ費用もかかる。総合ホルモン補充療法が普及している欧米各国でも事情は多少違うが、従来の診療より費用が高いのは同じ。若返りを強調するかしないかを別にしても、総合ホルモン補充療法が、金持ち相手の治療になっている面は否めない。
海外での診療経験もあり、世界抗加齢協会日本代表を務める賀来玲玲(かく・りんりん)ひばりケ丘医院副院長は「アンチエイジング医療の本質は土台作り。地味な作業の積み重ねを医師と患者さんが共同で実践する医療です。特にホルモン補充療法は個々の患者さんと一生付き合う気持ちがないと成り立たないと思っています」と話す。
よりよい健康状態を目標とする総合ホルモン補充療法だが、病気治療で期待されている面がある。それは治療が原因となる患者のQOL(生活の質)の落ち込みを回復させる手段としてだ。
「例えば抗がん剤治療の副作用は明らかにホルモンバランスを乱します。ホルモン補充をすることで症状を緩和させることが可能です。欧米でも一部ですが、そうした取り組みが始まっています」と賀来副院長。実際、抗がん剤治療を受けている人、透析治療を続けている人や肥満症など過度のストレスにさらされているケースへのホルモン補充療法も手がけている。
完治が不可能な慢性疾患が多くなる高齢者にとってQOLの低下は何よりも深刻な問題。精神的ストレスが病状を急速に悪化させる例が多いだけに、アンチエイジングにとどまらないホルモン補充療法に対する期待度は増す。
賀来副院長は「アンチエイジング医学の広がりを理解してもらう努力が普及にもつながるはず」と考えている。
◆成長ホルモン ホルモン補充療法で最も注目されているホルモン。成長期に分泌が盛んなため、この名が付いたが一生涯にわたり体内で重要な役割をする。若く厚い皮膚や筋肉を作り(たんぱく質合成作用)、エネルギーレベルや性的能力も高める働きがある。気分改善、記憶力の持続力にも関係している。
August 27, 2005 12:34 PM
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