健康連載ブログ

2005年08月21日

アンチエイジング医学最前線

【第38回】骨粗しょう症に結び付く喫煙

「喫煙習慣」

 たばこのパッケージにはさまざまな警告文が印刷されている。「妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります」もその1つ。女性の喫煙は男性にはない影響の広がりがある。長年、禁煙運動にたずさわっている阿部真弓・東京農工大健康管理センター助教授は「喫煙は不妊の割合が高くなり、ピル(経口避妊薬)を服用している場合、喫煙によって虚血性心疾患にかかる危険性が増すという報告があります」と言う。

 現在の喫煙率(厚生労働省国民栄養調査)は男性では減少傾向にあるが、女性の喫煙率は40歳以下では増加傾向にある。特に20代の増加が目立ち、この10年で倍増している。阿部助教授は「女性の場合、たばこをやめるきっかけは結婚と妊娠といわれていました。晩婚化や子どもを生まない女性が増えていることと喫煙率の上昇は無縁ではないでしょう」と分析する。

 それでも欧米諸国と比較すると日本の女性の喫煙率は低い。軒並み30%を超える欧米女性に対し、日本は最も喫煙率が高い20~29歳で19・2%(平成15年)と2割を切っている。男女差を意識する社会環境が喫煙に関してはプラスに働いているといえなくもない。「男女差に関する社会意識も変わってきています。欧米女性並みの喫煙率になる可能性もあります。それだけに今のうちに喫煙の影響をしっかり認識して欲しい」と阿部助教授は切望している。

 がんやCOPD(慢性閉そく性肺疾患)などへの危険性は男女とも認められるが、子どもへの影響となると女性の喫煙は特別なものがある。たばこのパッケージに印刷されている胎児の発育障害は、疫学調査の推計では、たばこを吸う妊婦は吸わない妊婦と比べ低出生体重の危険性が約2倍ある。早産の危険性は約3倍だ。

 「エストロゲン(女性ホルモン)が低下する閉経は女性の骨粗しょう症が男性に比べて圧倒的に多い主な原因です。喫煙習慣は閉経を早めることが分かっています」と阿部助教授。骨粗しょう症になると骨折しやすく、高齢者のQOL(生活の質)を落とす大きな原因になっている。元気な長寿社会を目標とするアンチエイジング医学にとって、喫煙は見逃せない生活習慣なのである。

August 21, 2005 10:19 AM

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