2005年08月19日
アンチエイジング医学最前線
【第37回】喫煙がアスベスト障害促進
「スモーカーズフェース」という言葉がある。年齢より顔のシワが増え、頬(ほお)がこけている顔つきを指す。長年の喫煙習慣がもたらす特有の顔だ。生活習慣はエイジング(老化)と深い関係がある。中でも喫煙習慣は健康への影響からいっても特別な意味を持つ。
東京女子医大付属病院内にいち早く禁煙外来を設立したことで知られる阿部真弓・東京農工大健康管理センター助教授は「あまり指摘されていませんが、今、問題になっているアスベストによる健康障害は喫煙によって病気の発生が促進されることが前々から分かっています」と言う。
たばこの煙には4000種類以上の化学物質が含まれ、発がん性が分かっているものも43種類ある。現在、フィルター付きのたばこが多いが、吐き出す煙と火のついた部分から出る副流煙の有害物質は、口から吸い込む主流煙より数倍多い。中には100倍以上多い有害物質もある。フィルター付きだから吸い込む化学物質が減る、とは単純にいえないのである。
「たばこを吸わない人も吸い込む煙をETS(環境中たばこ煙)と呼びます。ETSが非喫煙者の肺がんの原因になることは81年に証明されています。たばこは受動喫煙の問題も大きいことをあらためて知ってほしい」と阿部助教授は言う。
喫煙の健康障害では単独で、がんの原因の約30%を占めている。呼吸器内科の医師でもある阿部助教授は、COPD(慢性閉そく性肺疾患)への喫煙リスクを指摘する。COPDは慢性気管支炎や肺気腫(しゅ)などの病気の総称でもあるが、WHO(世界保健機関)の統計では世界の死亡総数の4位を占めている。
日本でも500万から700万人の潜在患者がいると推定されているが、健康診断の検査項目に入っていることはほとんどない。「COPDはたばこを吸い始めてから約20年後から発症するとされています。本数も関係があり1日の本数×喫煙年数が400を超えると重症化する危険性が高まります」(阿部助教授)。
たばこによる健康への悪影響は一般にも浸透し、全体として喫煙率が下がっているが、女性では20~29歳の若い層を中心にタバコを吸う人が増えている傾向もある。気になる点だ。
August 19, 2005 09:45 AM
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