健康連載ブログ

2005年08月14日

アンチエイジング医学最前線

【第32回】無駄な日焼け避ける

「光老化」

 紫外線の影響は生まれた時から始まっている。紫外線による遺伝子の傷が元で遺伝子に間違いが起き、シミが出来るのだが、それまでには20年以上かかる。子どもの時は細胞分裂が大人に比べ盛んなため遺伝子に間違いが起きやすい。ただ蓄積された遺伝子の傷が少ないためにシミが出ない。しかし、子どもも大人と同じように傷はできるので、紫外線対策は子どもの時からスタートさせる必要がある。

 一生に浴びる紫外線量のうち約50%は18歳ぐらいまでに浴びるといわれる。それだけ野外での行動が盛んということだが、同じ紫外線量でも子どもの時に浴びるほど影響が大きいとの疫学調査(皮膚がん発症率との関係など)もある。紫外線研究の第一人者、市橋正光・神戸大学医学部名誉教授は「これまでの多くの研究から小児期から無駄な日焼けを避けることは、若々しく健康な皮膚を維持することにつながることは明らかです」と話す。

 皮膚がんの発生率が高くなっている豪州では、子どものころの日焼けが大人になってから皮膚がんの原因になることを教育している。Slip(スリップ=長袖を着る)、Slop(スロップ=サンスクリーン剤を塗る)、Slap(スラップ=帽子をかぶる)を標語に国を挙げて取り組んでいる。

 日本でも母子健康手帳で98年から「日光浴のすすめ」が「外気浴」に変更され、昨年4月には環境省が紫外線保健指導マニュアルを出している。しかし市橋名誉教授の目からみるとまだまだもの足りない。「サンスクリーン剤を塗ることをお化粧することと思っている先生や親が結構います。小学校でも教育の一環として紫外線を避けることの大切さを理解させ、具体的な方法を教えるべきです」と提案する。

 市橋名誉教授は現在、ある幼稚園を対象に園児の紫外線の影響を調査中だ。ちなみに市橋名誉教授の紫外線対策は日焼け止めを顔と手に塗ること。1日中外出し紫外線を浴びるときには、2~3時間おきに塗り直している。

 紫外線の量は太陽光の強さに比例する。特に遺伝子を直撃する紫外線Bは季節によってかなり違う。気象庁では92年から全国4カ所で毎日、紫外線Bの量を調べている。夏と冬では数倍の差があり、少なくとも4月から9月までは紫外線対策を意識した方がいい。

 ◆ビタミンD ビタミン類は体内では作られないが、ビタミンDは肝臓で作られるプロビタミンDが皮膚において紫外線に当たることで活性型ビタミンDになる。日光浴を勧める1つの根拠になっていたが、食事から必要量は取れているし、1日に数分間、太陽光を浴びれば十分なことも分かっている。

August 14, 2005 10:17 AM

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