2005年08月08日
アンチエイジング医学最前線
【第26回】筋肉継続を心がける
「運動のアンチエイジング効果」
運動は内臓脂肪における生理活性物質の分泌を正常化し、動脈硬化を抑制する効果がある。最近の研究から明らかになった新しい意義ともいえるが、もちろん健康効果は幅広い。
今年度から文部科学省の補助金研究「生活習慣病の予防に対する運動の効果を予測するバイオマーカーの探索」に取り組んでいる高波嘉一・東京医科大講師は「筋肉を刺激することは大きな健康効果、アンチエイジング効果があるといえます」と言う。
人の体には約200の骨と約400種類の筋肉がある。骨格を土台にそれを覆う筋肉が肉体を構成している格好になっている。骨量を維持し、筋肉(骨格筋=随意筋)を保つことは健康体でいる基本といえるものだ。
骨格筋は線維の種類によってタイプ1(赤筋)とタイプ2(白筋)に大別されるが、エネルギー源として糖を取り込むため筋肉の活性化は、糖代謝をスムーズにする欠かせない組織といえる。「タイプ1はインスリン感受性が高く安静時の糖の取り込みが盛んです。タイプ2もインスリン感受性は低いのですが、筋収縮による刺激でインスリンとは無関係に糖を取り込むとされています」と高波講師。糖尿病治療に運動療法が大きな柱になっている理由でもある。糖尿病だけでなく高脂血症、高血圧症などに対する運動療法も近年、注目され保険適用にもなっている。
タイプ1を刺激するにはウオーキングや軽いジョキング、水泳などの有酸素運動、タイプ2にはダンベル体操などのレジスタンス運動が効果を上げる。運動効果には2つの視点がある。1つは病気改善や予防、1つは運動能力の維持・向上。筋肉を鍛えなくても内臓脂肪の減少など運動することの健康効果は大いにある。ただ筋肉を鍛えることは加齢による運動能力の衰えをカバーすることも可能になる。
「転倒による骨折は寝たきりになる理由の上位を占めています。骨や筋肉の衰えが高齢者の転倒の大きな原因になっています。体力がないと外出もおっくうになり、心身とも老け込みがちになります。QOL(生活の質)を落とさないためにも筋肉の維持は心がけるべきです」と高波講師は体を鍛える運動も勧める。
◆加齢による筋肉量の変化 個人差も大きいが一般に40歳を過ぎると脂肪が増え、1年で1%程度減るといわれる。運動不足によって助長される。タイプ2の方が加齢による委縮が顕著。上半身より下半身の衰えが早く、特に大腿四頭筋(太もも前側)の筋肉量減少が目立つ。
August 8, 2005 10:24 AM
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