2005年08月06日
アンチエイジング医学最前線
【第24回】代謝促すアディポネクチン
「運動のアンチエイジング効果」
運動の健康効果は常識化しているが、最近、新たな意義が強調されるようになっている。それは運動による内臓脂肪の蓄積の阻止・解消が、動脈硬化の抑制、代謝障害の改善に役立つことがはっきりしてきたからだ。
脂肪細胞からはいろいろな生理活性物質が分泌されている。その1つであるアディポネクチンと呼ばれる物質に初期の動脈硬化を抑制する作用があることが判明した。動脈硬化における運動の予防効果研究で知られる高波嘉一・東京医科大講師は「このアディポネクチンは脂肪細胞が肥大すると分泌が減るという現象が起こります。肥満が動脈硬化や代謝異常を誘発しているのです」と説明する。
高波講師が研究者代表を務めた研究報告がある。非活動的な中高年者14人に毎回30~60分の有酸素運動を週3回以上、3カ月継続し、運動をしなかった非活動的な中高年者12人と比較したものだ。
「運動をしたグループは体重、ウエスト、内臓脂肪面積などすべての脂肪が減少した半面、血清アディポネクチン濃度は高くなりました。運動をしなかった12人は何の変化もありませんでした」と高波講師は運動におけるアディポネクチン増加の効果を語る。
アディポネクチンの低下は、動脈硬化だけでなくインスリン抵抗性(インスリンの働きが悪くなること)を高め、糖尿病など生活習慣病にも深い関連があることも指摘されている。「内臓脂肪は皮下脂肪と比べて蓄積しやすいものですが、落としやすい性質もあります。特にウオーキングや軽いジョギングなど有酸素運動が減少させる手段として有効です」(高波講師)。
血糖、血圧、コレステロール及び中性脂肪、肥満の4つが重なると、それぞれわずかな異常値でも動脈硬化や心臓病になる確率が飛躍的に上がる。メタボリックシンドローム(代謝症候群)の名で知られるようになったが、その診断基準における必須項目としてウエストの数字(男性85センチ以上、女性90センチ以上)が採用されている。
ウエストのサイズは内臓脂肪の多さを示している。運動による内臓脂肪の減少は健康長寿に直結している。
◆運動機能と加齢 運動能力は加齢とともに衰える。立ち幅跳びにおける年齢との関係を調査した研究では男女とも10代後半がピーク。60歳を過ぎるとピーク時の約半分になる。低下の原因は<1>筋肉量の減少<2>運動にかかわる神経細胞(ニューロン)の数や機能の低下などが挙げられている。
August 6, 2005 10:30 AM
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