2005年08月04日
アンチエイジング医学最前線
【第23回】考え方を変えストレス解消
「脳のアンチエイジング」
脳のアンチエイジング(抗加齢)のアプローチとして、精神を安定させる呼吸法は大きな柱になっている。生理学者の高田明和・浜松医科大名誉教授も呼吸と脳の関係に注目している。
ストレスは生理的に緊張、興奮をもたらす。自律神経である交感神経が活発になるためだ。自律神経は文字通り自律して動き、自分の意思でコントロールできないが「唯一、例外が呼吸です。ゆっくり呼吸することで副交感神経を活性化させ、交感神経による緊張や興奮が抑制できます」と高田名誉教授は説明する。
近年の研究で脳幹にある二酸化炭素に刺激される受容体の細胞がセロトニン神経であることが分かった。二酸化炭素の量で呼吸が促されるが、セロトニン神経から分泌されるのは、精神を安定させる作用のあるセロトニン。
呼吸をゆっくりさせ、二酸化炭素の量を増やすとセロトニン量が増え、気分を落ち着かせるということにもなる。深くて大きい呼吸が好影響をもたらす。
座禅は集中力や免疫力も高まるといわれる脳波(アルファ派)を出させることで知られるが、「座禅では呼吸をゆっくり深くしないと効果がないと高僧が本に書いています。呼吸法の基本は腹式呼吸によるゆっくりとした呼吸です」と高田名誉教授。
脳ばかりでなく、ゆっくりとした深呼吸は、肺にもいい影響がある。もともと肺の血流は均等ではなく、安静時には肺の末しょう部分は機能していない。深呼吸によって通常は使われない肺気管支の末端まで酸素が送られることは、「毛細血管の血流も回復するので健康効果も大」(高田名誉教授)なのである。
自ら座禅を実行している高田教授は、天台宗の座禅法を参考に、呼気も吸気もゆっくりさせる呼吸法を実践している。
「吐く息を非常に静かにゆっくりと、まるで吐いていないように出していくと本当に気持ちが落ち着きますよ」と高田名誉教授。
呼吸法には呼吸そのものの効用以外にも、精神統一の足がかりになる、運動効果(腹筋)といった面もある。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆自律訓練法 自己暗示で催眠状態をつくり、心身をリラックスさせる。ドイツの精神医のシュルツが体系化し、いくつかの公式がある。病気の背景に緊張が関与している患者に対し、心療内科などで指導を行うこともある。
August 4, 2005 09:57 AM
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