健康連載ブログ

2005年08月03日

アンチエイジング医学最前線

【第22回】和食は素晴らしい

「脳のアンチエイジング」

 脳は健康の司令塔である。この司令塔はストレスに影響を受け、ほっておくと老化を促進する指令を出しかねない。どうストレスをコントロールすべきか。

 脳のメカニズムと健康に関する著作が多い生理学者の高田明和・浜松医科大名誉教授は「人を含め動物はストレスを予測したり、それを回避する手段があると、ストレスの影響を弱めることができます。そのことは多くの研究が明確にしています」という。
 M&Aによる社員(特に重役)を対象にした米国の研究によると、合併による環境が不利な立場の人でも、何とかそれを解決しようとしている人は、強いストレスが表れなかった、と報告している。

 環境の程度と能力の問題も絡むが、高田名誉教授は「置かれた環境にしろ自分の能力にしろ、その評価は実に主観的なものです。考え方を変えることで解消されるストレスがいかに多いかを認識すべきです」とアドバイスを送る。

 ストレスは感情が生み出すが、脳機能分析などから最近では「不安に感じる出来事が直接、感情を生むのではなく、その出来事が生む一瞬の考えが感情を生んでいると考えられている」(高田名誉教授)という。

 考え方を変えると感情も変わるといえる。脳のストレスを端的に表している病気がうつ病。高田名誉教授が挙げる、うつ病になりやすいタイプは<1>白黒(オール・オア・ナッシング)人間<2>結論を早まる(他人の思惑を気にする)<3>問題の拡大化<4>感情の理由付け<5>自分のラベル化(自己規定する)など。

 うつ病の治療でも考えを変えることの効果は認知療法として重要視されている。

 簡単に考え方が変わるなら苦労はない、との声も聞こえてきそうだが、うつ病の治療薬は精神の安定に働くセロトニンが減るのを抑える作用がある。気分を良くして明るく考えることができるようにするためだ。

 「脳の神経には使わないとつながりが少なくなる特徴があります。脳が変われば感情が変わる。感情が変われば考え方も変わります。逆も同様」と高田教授。

 考え方を変えることはアンチエイジング(抗加齢)の大きな1歩になる。

【ジャーナリスト 小野隆司】

 ◆セロトニン 脳内の神経伝達物質の1つ。他の神経伝達物質のドーパミン(喜び、快楽)やノルアドレナリン(恐れ、驚き)などの情報をコントロールして精神を安定させる働きがある。トリプトファン(必須アミノ酸)の代謝過程で作られる。

August 3, 2005 10:45 AM

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