2005年08月02日
アンチエイジング医学最前線
【第21回】ストレスから悪玉ホルモン増
「脳のアンチエイジング」
加齢(エイジング)とともに成長ホルモン、メラトニン、性ホルモンなどは急激に減少していく。そんな中、ほとんど変わらないものがある。俗にストレスホルモンと呼ばれるコルチゾルである。老化度判定ドックでの測定値は、コルチゾル濃度は減るどころか増える傾向にある。
生理学が専門で脳に関する著作も多い高田明和・浜松医科大名誉教授は「コルチゾルは免疫機能を抑制するため、強いストレスによって健康を大きく損なうことがあります」という。
コルチゾルは副腎から分泌されるが、脳内(視床下部)で作られるCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)がきっかけになる。CRHが視床下部につながる下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を出させ、その刺激がコルチゾルを分泌させるという順序になる。
「視床下部のCRH分泌は大脳が感じるイライラ感、不快感が関係します。コルチゾルは血圧を高め、動脈硬化も促進させます。脳が感じるストレスをいかにコントロールするかが、現代人の健康を守るカギといっていい」と高田名誉教授は断言する。
そもそもコルチゾルはエネルギー源であるブドウ糖を新たに作り出すきっかけになるホルモン。その分泌は当然の反応なのだが、量が多いとさまざまなマイナス要素を招くことが近年の研究から明らかになっている。
ブドウ糖の血中濃度が高くなるといろいろな細胞成分(たんぱく質)と結合しやすくなる。糖尿病の指標となっているヘモグロビンA1cは赤血球内にあるヘモグロビンとブドウ糖が結合したものである。
「PTSD(心的外傷後ストレス障害)のベトナム帰還兵の調査から、コルチゾルが記憶を担当する脳の海馬を委縮させることが分かりました。うつ病患者もコルチゾル濃度は高い」と高田名誉教授。
コルチゾルは老化を進める悪玉ホルモンにもなる。その過剰分泌のスタートがストレス。アンチエイジングにストレス対策は欠かせない。どうすべきかは次回に。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆ストレスと血栓 脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞の原因となる血栓はストレスとの関係が深い。ストレスが長く続くと交感神経が活発化しノルアドレナリンが出され、副腎からアドレナリンが出る。双方とも血小板を刺激し凝固しやすくなる。これが血栓を生むメカニズム。
August 2, 2005 11:13 AM
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