健康連載ブログ

2005年07月22日

アンチエイジング医学最前線

【番外編】老化を抑制し長生き

「寿命の限界」

 アンチエイジング医学の目標は健康長寿。不老不死を目指しているわけではない。寿命には限界がある。人の場合、最大で120~150年ぐらいといわれている。無菌室状態で全く病気をせず、フリーラジカル(活性酸素)で細胞が傷つかなくても不老不死というわけにはいかない。

 そのことを裏付けているのがテロメア理論。テロメアとはDNA(遺伝子)の末端部にある部分の名称で、遺伝子情報が載っている染色体がほつれたり、消失するのを防ぐ働きをしている。

 細胞分裂の際、末端部分にあるため完全に複製されず、分裂するごとにテロメアは短くなり、ゼロになった時に寿命を迎える。人では約50回の細胞分裂でゼロになり、体を構成するほとんどの細胞が分裂しなくなる。

 もっともすべての細胞がテロメア理論に従うわけではない。新陳代謝が激しい消化管上皮細胞などはテロメア活性が続き、短くならない。卵子や精子をつくる胚細胞もテロメアの構造に変化がないことが確かめられている。

 ただ細胞分裂の回数は決まっていても、細胞の老化度は別の問題。実際、テロメアの長さが保たれる卵子にしても20歳代の卵子と40歳代の卵子では明らかに後者の方が衰え、妊娠しにくい状態になっている、という。

 寿命には限界があっても老化度まで決まっているわけではない、と考えるのもアンチエイジング医学の立場。老化をもたらす原因を突き止め、改善することで最高の健康状態を実現することが目標となる。

 近年、目覚ましい成果を生み出している遺伝子研究では、テロメア活性についての報告も多い。長寿魚と知られるゼブラフィッシュ(コイ科)は、体細胞もテロメア活性が高く、細胞老化の抑制している、としている。人の体細胞のテロメア活性を高める試みもある。

 不老不死医学が誕生するかどうかは分からない。

【ジャーナリスト 小野隆司】

 ◆平均寿命 年齢別死亡率から新生児の平均余命を統計的に算定したもの。詳しくみると、平均寿命まで達する確率は60~70%。10人中3~4人は平均寿命を全うできないことになる。年代ごとの生存曲線(対10万人)では、男性は70歳、女性は75歳を過ぎると急下降している。

July 22, 2005 09:57 AM

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