2005年07月19日
アンチエイジング医学最前線
【第8回】健康情報の交通整理
「老化度判定ドック」
人は年齢とともにいろいろな部分に衰えを感じていく。記憶力が落ち、目もかすむ。皮膚のシワ・たるみが増し、骨ももろくなる。年のせいには違いないが、老化する原因もある。その原因を突き止めて、改善が可能なら健康長寿も保証されたことになる。
日本抗加齢医学会の理事を務める米井嘉一・同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授は「老化を病気ととらえ、改善していくのがアンチエイジング医学の基本的立場です。老化度を判定することが、改善策を実行する指針になります」と言う。
アンチエイジングリサーチセンターが、この7月から稼働させている支援システムは、老化度を判定するものだが、肝心なのはそのデータを基にどんな治療、改善方法を選択できるかである。
米井教授はアンチエイジング医学の療法として∧1∨生活療法(食事療法・運動療法・精神療法)∧2∨サプリメント指導∧3∨薬物療法(ホルモン補充・免疫強化療法・抗酸化療法)などを挙げる。特殊療法として音楽療法やヨガ、呼吸法などの代替医療もアンチエイジング医学の範ちゅうに入る。
老化にはさまざまな要因が絡む。それだけに確立した療法が多いとはいえない。まだ始まったばかりともいえる。ホルモン検査で足りないホルモンは分かる。更年期障害ではホルモン補充療法が選択される場合もある。
「女性ホルモンや男性ホルモンを補充すると身体活性が上昇しますが、やはり基礎代謝を増加させる甲状腺ホルモンが相対的に不足することがあります。全体のバランスに目を向けることが大切です」と米井教授は、医学的根拠(EBM)にのっとった治療の大切さを訴える。
健康ブームもあって巷(ちまた)には、健康情報があふれている。中には動物実験レベルでは実証されたが、人の体でどうなるか全く分かっていない成分が喧(けん)伝されることもある。
「老化はたった1つの理由で起こるわけではありません。1つの成分だけで老化が防止できるはずがありません。老化度判定ドックの基準が健康情報の交通整理になることを期待しています」と米井教授は話す。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆検査の値段 病気治療以外では健康保険の適応がないため、老化度判定ドックは料金が高くなる。検査の数が少ないためコストも高い。支援システムの共有化が進めばコストが下がる分、料金も抑えられるはず。そのためにも「アンチエイジング医学への関心の高まりが鍵」と米井教授。
July 19, 2005 10:15 AM
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