健康連載ブログ

2005年07月15日

アンチエイジング医学最前線

【第4回】究極目標“ピンピンコロリ”

今なぜアンチエイジング医学なのか

 オプティマルヘルスという言葉がある。それぞれの年齢における心身ともに最も生き生きした理想的な健康状態を意味する。アンチエイジング医学の目標でもある。

 エイジング(加齢、老化)は体にさまざまな変化をもたらす。脳細胞は基本的には減り続け、骨密度も20歳前半をピークに減少していく。太陽光線による光老化で皮膚の張りが失われ、目の水晶体も弾力性を失う。筋力も当然衰え、腸では悪玉菌が増える。

 老化にかかわるフリーラジカル(活性酸素もその1つ)研究で世界的に知られる吉川敏一・京都府立医科大学教授は「人の寿命の限界は、細胞分裂の回数に限りがあるので必ずあります。ただ老化そのものが遺伝子に組み込まれているかどうかは分かりません。確実なのは老化を促進する要素はあることです」と言う。

 老化を促進する要素をできるだけ取り除ければ、死を迎える直前まで元気で生き生き暮らせることになる。アンチエイジング医学の究極の目標は、言葉は悪いが“ピンピンコロリ”を目指すことである。そのための方策がいろいろな角度から研究され、実践され始めているというのが現状。答えは模索中な面もあるが、「科学的根拠が示された方策も出始めているのも確か。実践例を集めて証明する時期を迎えているといってもいいでしょう」(吉川教授)。

 アンチエイジング医学は新しい分野の学問だが、発展を促す背景がある。少子高齢化時代に伴う医療費の高騰、負担増も大きな理由である。厚生労働省の予測では2026年には75歳以上の公的医療保険負担は35兆円を超す。現在の3倍以上である。

 高齢者の多くが健康であれば、その負担は現状の3分の2程度に抑えられるともいわれている。高齢者も社会の第一線で長く活躍し、納税者層となれば、医療費問題も深刻でなくなる。

 吉川教授は「アンチエイジング医学は、時代の要請でもあります。さらに発展するためには広がりが必要です。ぜひ関心を持っていただきたい」と語る。

【ジャーナリスト 小野隆司】

 ◆専門医・指導士 日本抗加齢医学会では、今年6月に学会認定の専門医・指導士の試験をスタートさせた。各学会認定の資格を持っていることも条件になっている。来年1月に日本抗加齢医学会認定の専門医・指導士が誕生する予定。

July 15, 2005 10:36 AM

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