2005年07月31日
アンチエイジング医学最前線
【第19回】抗酸化物質多い和食
「食のアンチエイジング」
現代の食生活を考える上でどうしても外せないのが、抗酸化作用のある食べ物を摂取すること。生活習慣病の発症・促進に細胞の酸化変性が大きくかかわっているからだ。アンチエイジング医学の食事療法の柱と位置付けられている。
動脈硬化と酸化ストレスの関係を研究テーマとしている近藤和雄・お茶の水女子大生活環境研究センター教授は「動脈硬化は血管内壁内で免疫細胞であるマクロファージが酸化変性したLDL(低比重リポタンパクコレステロール=悪玉コレステロール)を取り込み、泡沫(ほうまつ)化して内壁にたまることが原因になります。LDLの酸化を防ぐ抗酸化物質が注目される理由です」と解説する。
90年代前半から本格的に始まった抗酸化物質の研究は、ポリフェノール、フラノボイドなどいくつかの抗酸化作用を実証してきている。近藤教授が国立健康・栄養研究所の室長時代にまとめた赤ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化作用は英国の医学誌(ランセット)に掲載され、ポリフェノール・ブームの先駆けとなった。
「食生活の中で体内の抗酸化作用をいかに維持し、高めるか。大変そうに聞こえますが、実は簡単なことと考えています」と近藤教授はいう。
生物にとって外的環境がもたらす影響で1、2を争うのが酸素と紫外線とされる。ともに正常な細胞を変性する力が大きい。特に移動できない植物にとって大敵である。生き延びるため植物には他の生き物以上に抗酸化システムがある。
抗酸化ビタミン類が一番多いのが植物。鮮やかな色を示す色素も強力な抗酸化物質である。β-カロテン(ニンジン)、アントシアニン(ブドウ)、リコペン(スイカ)など最近、話題の抗酸化物質は元をただせば色素である。
「抗酸化物質の多い野菜、果物、豆類を食べることがアンチエイジングにつながるということです。われわれ日本人の伝統食、つまり和食こそアンチエイジングのための食事です」と近藤教授は和食の見直しを提言している。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆赤ワインのLDL酸化抑制効果 94年、ランセット誌に掲載された近藤教授の論文では、赤ワインを2週間飲んだ人から採血して調べた結果、飲む前に比べてLDLが酸化されるまでの時期が延長し、酸化されにくくなっていることが証明されている。
July 31, 2005 12:16 PM
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