健康連載ブログ

2005年07月30日

アンチエイジング医学最前線

【第18回】脂肪摂取量どう考えるか

「食のアンチエイジング」

 今年度から平成21年度まで使われる日本人の食事摂取基準は生活習慣病予防に重点が置かれ、新たな指標(目標値)を設定した栄養素がある。増やすべき栄養素として食物繊維、n-3系脂肪酸、カルシウム、カリウムが挙げられている。減らすべき栄養素はコレステロールとナトリウム。

 また脂質については脂肪エネルギー比率だけでなく、その質も考慮し飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6脂肪酸、コレステロールについても目標値を設定している。

 動脈硬化と酸化ストレスの研究が専門分野で、脂肪酸研究も手掛ける近藤和雄・お茶の水女子大生活環境センター教授は「日本人の食生活で1番大きな変化を示しているのが脂肪摂取量。20~40代では上昇傾向にあります。脂肪の摂取量をどう考えるかは、健康問題にとって欠かせないことは確かです」と言う。

 脂肪は中性脂肪、コレステロール、リン脂質などの総称。脂質を構成するのが脂肪酸で炭素に水素がついた炭化水素が鎖状につながっている。炭素数やつながり具合で性質が変わる。

 日本人の食事摂取基準では、n-3系脂肪酸の摂取が強調されている。イワシやサバ、サンマなど背の青い魚に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は代表的なn-3系脂肪酸。体内で合成されない必須脂肪酸でもある。

 「EPAはイヌイットの研究から動脈硬化抑制作用があり、心臓病の予防効果で有名になった脂肪酸です。また脳の神経細胞の結合部分にあたるシナプス膜にDHAがたくさん含まれていることも分かってきました」と近藤教授。

 n-3系脂肪酸だけでなく飽和脂肪酸(動物性脂肪)、n-6系脂肪酸、コレステロールも体内で大切な役割を果たしている。そのバランスこそが大事で食生活の基本である。

 不飽和脂肪酸は、赤血球の細胞膜を調べたところ、高齢者ではその量が減っていることが確認されている。アンチエイジングのためにも不飽和脂肪酸は大事な栄養素といえる。ただ不飽和脂肪酸は酸化しやすい面がある。過酸化脂質は動脈硬化の元凶ともなる。「抗酸化物質をいかに体内に取り入れるも食生活のカギになります」(近藤教授)。

【ジャーナリスト 小野隆司】

 ◆プロスタグランディン n-3系、n-6系脂肪酸から体内でつくられる物質。血圧の調整、消化液の分泌コントロール、細胞分裂の促進などさまざまな活動に関係している。多種類ありプロスタグランディン同士のバランスも大事。n-3系が原料となるものが不足しがちとの研究もある。

July 30, 2005 10:10 AM

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