2005年07月28日
アンチエイジング医学最前線
【第16回】期待大も検証これから
「抗加齢治療」
抗加齢医療はきめ細かく、その人に合わせた具体的なアドバイスをする。栄養バランスを改善するサプリメント療法は、重要な手段となる。
健康寿命ドックを2年前に開設し、900例を超える治療にあたっている高輪メディカルクリニックの久保明院長(日本抗加齢医学会理事)も「サプリメントを含めた生活改善プログラムは有効性があります」と言う。
頸(けい)動脈の血管内膜は毎年、0・01ミリずつ厚くなる。エイジング(加齢)や免疫機能もかかわっている。動脈硬化は誰でも進行する現象といえるのである。「内膜を薄くしたり進行を完全に止めることはできませんが、退行度を抑制している例はあります」と久保院長は話す。人は血管から老いる、という言葉がある。動脈硬化は高血圧、高脂血症、糖尿病など寿命だけでなくQOL(生活の質)の低下を招く生活習慣病に深く関係している。
サプリメントして活用されるビタミン、ミネラル類は生命維持に欠かせない物質である。必要摂取量の基準もある。ただし、病気の予防や治療として使用を規定しているものはほとんどない。「予防、治療効果の研究では必要所要量をかなり超える例も多い。それだけにサプリメント療法は、医者の指導が必要とされているといえます」と久保院長。
サプリメント大流行の昨今、過剰摂取が心配されている。情報が微妙にずれているケースもある。年齢とともに分泌量が落ちる体内物質は多く、その不足は老化の原因にもなるが、摂取による補給が有効なのかどうかは検証が必要になる。何かと話題のコエンザイムQ10も「組織濃度は確かに落ちますが、血中濃度を測るとそれほど変化はありません。補給すれば組織濃度も上がるかどうかは今後の課題でしょう」(久保院長)。
アンチエイジング医学はまだ始まったばかり。サプリメント療法も長期的なデータが出てくるのはこれからである。「実証例が少ないから効果がないとはいえません。治療する側とされる側が一緒になって抗加齢に取り組んでいる、ある意味で最先端医学がアンチエイジング医学。期待は大きいはずですよ」と久保院長は締めくくる。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆ビタミンDに注目? カルシウム吸収をよくするビタミンDは骨粗しょう症などに関連するが、最近では筋肉とのかかわりが注目され、「加齢によって減少するタイプⅡ筋繊維(速筋)を増やす効果が明らかになり、インスリンの働きを改善する可能性もある」(久保院長)という。
July 28, 2005 09:15 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/1365
