健康連載ブログ

2005年07月25日

アンチエイジング医学最前線

【第13回】具体的な生活指導

「抗加齢治療」

 最もいきいきとした健康状態、オプティマル・ヘルスの実現を目指すのがアンチエイジング医学である。老化度を測定し、体の状態が分かる。さて、この後どうするのか。

 日本抗加齢医学会の理事も務める久保明・高輪メディカルクリニック院長は「その人に応じた治療や生活指導をすることは、従来の医療と何ら違いません。ただ、きめ細かく、より効果的な方法が選択できるのが抗加齢治療の特長でしょう」と言う。

 アンチエイジング医学における検査項目は多彩である。高輪メディカルクリニックの健康寿命ドックでは約100項目に及ぶ検査が可能だ。02年の開設以来、受診者は900人を超えている。久保院長はデータをもとに総合解析を進め、EBM(医学的根拠)のある診断・治療の基準づくりに取り組んでいる。

 筋肉年齢が分かれば、弱っている部分を強くする具体的なトレーニングメニューも指導できる。ビタミン不足なら1日何ミリグラム摂取するようにとアドバイスも可能になる。野菜を食べてもっと運動しましょう、といったありきたりな生活指導に終わらないのも長所だ。

 1つ1つの検査結果から選択される方法は幅広い。これまで医者が重要視してこなかったサプリメント(栄養補助食品)の使用もアンチエイジング医学では大切な手段に位置づけられている。薬物療法、ホルモン補充療法なども手立ての内に入っている。

 ただし何でも解決可能な“夢の治療”が実現しているわけではない。

 血流速度を測る機械を使えば血液の状態は分かる。しかし「血はサラサラでも動脈硬化が進んでいる人はいるのです。これも検査で分かります。どの部分に着目するのか。その判断が重要ですが、今のところ確立しているとは言い難い」と久保院長は話す。

 EBMのある方法を治療する側とされる側が向かいあって実践し、どんな効果を上げるのか。「模索中だが試す価値はある、というのがアンチエイジング医学の現状でしょう」と久保院長は考えている。

【ジャーナリスト 小野隆司】

 ◆抗加齢治療の目標 関心が集まるのは、がん予防、動脈硬化予防、認知障害予防など。アンチエイジング医学の大きな目標にもなっているが、確立されたものはない。人間を対象とした比較が難しいという面もある。

July 25, 2005 11:27 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/1344