2005年07月12日
アンチエイジング医学最前線
【第1回】 アンバランス老化を改善
今なぜアンチエイジング医学なのか
アンチエイジング医学は新しい学問分野である。エイジング(加齢、老化)がもたらす病的な変化を食い止め、改善することで、元気に長寿を享受することを目指す究極の予防医学ともいえる。
アンチエイジング医学の学術団体である日本抗加齢医学会の副理事長を務める吉川敏一・京都府立医科大学教授(内科学教室、生体機能制御学)は「これまでの医学は病気を治すことだけに主眼が置かれていました。アンチエイジング医学は病気にならないようにする医療ともいえます。その発想のポイントとなっているのが、老化のメカニズムが分かってきたことにあります」と説明する。
人の体は約60兆個の細胞から成り立っている。それぞれの細胞が役割に応じた化学反応を起こすことで生命を維持している。老化とは、その細胞が傷つくことで正常な化学反応が阻害されることで起こる。
また老化にかかわる遺伝子も発見されている。若い時に活性化し、高齢者では不活性化するものとしてアポリポタンパクE遺伝子、異物代謝に関与する遺伝子、DNA複製に関与する遺伝子などがある。
「アポリポタンパクE遺伝子はアルツハイマー病との関係が研究されているものですし、異物代謝が衰えれば体内に老廃物がたまりやすくなります。DNA複製能力が衰えるということは新陳代謝が少なくなる、つまり老化が進むということです」(吉川教授)。
若者でオフ状態、高齢者でオン状態になる遺伝子もある。若いマウスと高齢のマウスを対象とした研究では、50種類以上の遺伝子のスイッチ状態が異なっていることが報告されている。
ここで重要なことは老化にかかわる遺伝子は確かにあるが、その働きには環境要因が及ぼす影響がかなりあることも分かってきたことだ。世界各国で100歳以上の長寿者(百寿者)調査が行われているが、いくつかの共通点がある。
「長寿者は年齢より若いというよりバランスよく老化していることが特徴として挙げられます。老化現象のかなりの部分がアンバランスな老化です。このアンバランスを防ぎ改善する手立てを理論化、実践し始めているのがアンチエイジング医学の現状です」と吉川教授は言う。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆オヤジ臭も老化の始まり
中年を過ぎるとオヤジ臭が出る、といわれる。最近の研究によると、40代から毛穴などからにじみ出る皮脂成分が変化する。脂肪酸の一種であるパルミトオレイン酸が急に増える。この物質が酸化して独特のにおいを放つ。男性の方が皮脂が多いので目立つが、オバン臭でもある。
July 12, 2005 11:39 AM
