2005年07月21日
アンチエイジング医学最前線
【第10回】SOD活性度高いほど長寿
「抗酸化システム」
老化、病気をもたらす原因として注目されているのがフリーラジカル(活性酸素)。細胞の酸化ストレスをもたらすが、酸化を防ぐシステムも身体には備わっている。代表的なものが抗酸化酵素の働きである。
フリーラジカル研究で知られる吉川敏一・京都府立医科大教授は「フリーラジカルの種類に応じて働く酵素は決まっています。スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼなどがよく知られる抗酸化酵素です」。
SODは酸化力の強いスーパーオキシド(活性酸素)を過酸化水素に変え、カタラーゼは過酸化水素を水に還元するなど機能的に抗酸化作用が働いている。SODは86年に発見されたもので、この発見がフリーラジカルの研究を進展させたといわれている。
「米国国立老年学研究センターがサルの仲間のSOD活性度を調べたところ、その活性度が高い種類ほど長寿であることが判明しています」(吉川教授)という。
人間のSOD活性は高いが、年齢とも関係し、40歳前後から低下してくる。アンチエイジングのため、ホルモン補充療法のように抗酸化酵素を補充する手もありそうだが「今のところの研究では抗酸化酵素は外から補給できない酵素と考えられています」(吉川教授)。
体の抗酸化システムの担い手は酵素だけではない。酵素の働きを助ける補酵素も重要な存在。ビタミン類やコエンザイムQ10なども自ら酸化されることで細胞の酸化ストレスを防いでいる。また最近の研究ではたんぱく質も抗酸化作用があることが分かってきている。
吉川教授は抗酸化物質の相互作用や役割分担を抗酸化ネットワークと呼ぶ。「フリーラジカルはさまざまな原因から発生します。環境も精神的ストレスも関係します。病気になる境目は酸化ストレス度と抗酸化力のバランス次第ともいえます」。
現代人の酸化ストレス度と体の抗酸化力を調整もアンチエイジング医学の目指す方向である。その具体的方法も実践されている。
【ジャーナリスト 小野隆司】
◆尿酸 痛風の原因となる尿酸も抗酸化作用がある。尿酸値の高い動物ほど寿命が長い。痛風に悩んだ歴史上の偉人も多いが、ニュートン(1642~1727)、フランクリン(1706~1790)、ゲーテ(1749~1832)などは80年以上の長寿者。
July 21, 2005 10:57 AM
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