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2006年12月11日

【1.犬を飼う前に】 (1)犬を幸せにできますか?

 今回からこの「わん!ポイント」は、実際に子犬を迎え、育てていく過程で起こり得ることを犬の成長に沿って紹介していきます。最初のシリーズは、「犬を飼う前に」です。

 日本ではこの数年で犬の殺処分数が以前の半分以下に減少しました。しかし未だに20万頭近い犬が飼い主に見放されています。その原因のひとつに、「犬を育てる環境に無い家庭で犬を飼い始めてしまった。」というものがあります。同様の理由から、犬を捨てずにはいるものの、犬が決して健全な状態ではない場合も多数あります。

 犬を飼い始めるとき、多くの飼い主さんはどうしても良い方向のことだけを想像するものです。そして、テレビや雑誌で紹介されているような素敵な生活を夢見るのですが、実際は苦労する点も多く、「こんなはずではなかったのに。」と、思う飼い主が多いのです。まずは、犬を育てる上で避けられない、次に挙げるような苦労を受け入れられるかどうかを確認しましょう。むしろ、これらを苦労だと思わないくらいがベストです。

 まず、大型犬はもちろん、小型犬でも毎日の散歩が必要です。雨の日も、寒い日も、飼い主の体調が良くない日も、散歩には連れて行かなくてはなりません。さらに、犬だけを家に残して数日旅行に出かけることはできませんし、愛犬と一緒に旅行に行くとなると、行動範囲がかなり限られてしまいます。大型犬であれば、移動だけでも大変です。さらに犬は私たち人間同様、病気にもなりますし、ケガもします。感染症の予防、寄生虫の予防、食費、シャンプーなどの手入れ代、リードや首輪などの道具代。意外に費用がかかるものです。

 また、子犬は通常いたずら(=遊び)が大好きなので、部屋中のものを噛んで傷つける可能性があります。なれない間はおしっこやウンチをじゅうたんや畳の上でしてしまうかもしれません。もちろん将来はいたずらをやめさせるように教えていかなくてはなりませんし、トイレも教えていきますが、子犬のときは、「まだ何も知らないから。」と大目に見てあげられる寛容さが必要なのです。

 そして最も大切なのは、家族のチームワークです。犬は、同じ家で暮らす人間を、生活を共にする仲間だと考えています。家の中に犬が苦手な人、犬を育てるのに反対している人がいるようなら、犬を幸せにできるとは言えません。「飼い始めたら犬を好きになるだろう。」というケースは、まずうまくいかないものです。また、「自分がきちんと面倒を見るから飼いたい。」と子供が言った時でも、家族全員が「家族全員で犬を育てる」という意識を持つまでは、やはり飼うべきではありません。また、一人暮らしで家を留守にする時間が長く、なおかつ職場に犬を連れて行けない場合、犬を飼うにはハードルが高すぎると言えます。

 日々の生活に生まれるいくつかの制約を受け入れられること。犬を健全に育てるだけの予算が確保できること。家族全員で育てられること。もちろんマンション、アパートや賃貸住宅であれば、犬の飼育が認められていること。これらがクリアーできれば、愛犬との生活の第一歩は踏み出せたといえます。

 これらの条件を満たせないようなら、愛犬を幸せにできないばかりか、家族にまで過度の負担がうまれてしまう可能性があります。犬を迎えるのは見送るべきでしょう。「幸せにできないなら飼わない。」これは、犬を飼える環境に無い人が唯一できる、犬に対する思いやりなのです。

December 11, 2006 06:02 PM


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