2008年05月10日
パパは今夜も遅いの?
今朝の東京は静かに雨が降り、肌寒かった。
こういう日はゆっくり新聞を読みたくなる。
朝刊の日経プラス1で、ちょっと気になるコラムを見つけた。
陰山英男氏(立命館大学教授)が書かれた「子どもと伸びる」というコラムで、
サブタイトルは「だんらんはどこに」だった。
陰山氏と言えば、あの「百ます計算」だ。
さてコラムの話。
陰山氏は、一つの民間調査結果を取り上げ、
「きっと、日本人は世界でもっとも遅くまで働く民族だ」
という強引な結論を引き出す。
どんな調査か。
3~6歳児(就学前)の父親の帰宅時間をアジア五ケ所で比べた調査で、
コラムのサイドには、五ケ所の調査結果はのせず、
東京(日本)・ソウル(韓国)・北京(中国)だけを比較した図をのせている。
ただし、帰宅時間を午後5時台から11時台まで7本の棒グラフで示す。
また欧米のデータはなく、またアジアの比較でも、三つの国の首都の比較だ。
だから、「日本人は世界でもっとも」という表現を
使うのは、明らかに飛びすぎで、正直、驚いてしまった。
さらに日本人は東京だけに住むわけではなく、
北海道から沖縄まで広範囲に分布している。
東京だけの調査で「日本人」を決め付けるのは、非常にまずい。
さて、三首都の「父親の帰宅時間」、
東京パパとソウルパパは、午後5時台にはほとんど帰宅せず、
東京パパが午後7時代から11時までほぼ一貫して10%台で推移。
9時と11時台がもっとも高い数字となっている。
ただしソウルパパは9時に約20%でピークとなり、
そこから下げ続け、11時台には、約8%に落ちている。
北京パパはすでに午後5時台に10%、
6時台にはなんと30%近くに上がり、
以後7時台の20%、8時台から10%を割り、
11時台はほとんどいない。
陰山氏は、どうやら「父親の帰宅時間が遅い」イコール
「父親が遅くまで働いている」と結論づけられたようだ。
しかし、労働状況や通勤状況が違う国や都市を
父親の帰宅時間だけで、「遅くまで働いた」かどうかを
決めてしまうのは、あまりに短絡すぎる。
私は、父親の帰宅を遅くする要因をシンプルに考えてみた。
国によって、生活様式、家庭のマネジメントに違いがあり、
簡単な話が、北京だと、夫は家事に協力的だから、
早く帰宅しなければならない。
例えば、日本では、午後5時定刻に仕事が終っても、
帰りがけに「ちょっと一杯やる」ケースがある。
通勤時間が長いという事情も無視できないし、
アフター5は、キャリアアップのため専門学校通い、
体力づくりのジム、フットネスクラブへ・・・。
こんなにいろいろある。
ちなみに、ベネッセがリリースしたアジア五都市の調査結果は右写真。
日経の図で削除されていた午前零時~11時台に、
東京やソウルに9.0%と16.5%の山があったのは興味深い。
複雑な社会だから、調査からこぼれているものも多いはず。
陰山氏は、父親の帰宅が遅いので、
日本の常識は世界の非常識。
日本人は親子のだんらんを、
何歳になったら十分楽しむことができるのだろう。
この国は、生まれがいのある国か。
という嘆きの記述でコラムを締めくくっていた。
簡単なデータを持ってきて、
非常識だ、だの
日本はパパたちを異常に遅くまで働かせている国だ、だの
親子のだんらんは破壊されている、だのという結論はひどすぎると思う。
「生まれがいのある国か」どうかの判断を下すのは、
だんらんがあるかないかではないだろう。
「生まれがいのある国」は、ちょっと言い過ぎ。
どうやら中国は「生まれがいのある国」だと言いたいらしい。
「百ます計算」的シンプルさでは、
到底、複雑な日本の現代社会を把握するのは無理だと思う。
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May 10, 2008 07:52 PM
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コメント
同感ですね。
陰山氏は、前からワタクシも思っていたのですが、「まず結論ありき」で根拠の薄いところから強引に結論を導き出すことが往々にしてあると思います。
結論もキチンとデータを取ったわけではなく、印象でモノを言っているというのを強く感じる。
こういう物言いがいかに日本の言論をダメダメにしているのか少しは考えたごとがあるのだろうか?
この「日本の父親は残業ばかりさせられていて、日本の家庭は精神的にはマジな話、貧しい悲しいツラい」というのもどう考えても始めに結論ありきだし、東京だけで何てアンダ日本のずべで分かるだぎゃよ?日本コリア中国だげで世界一ってむちゃあくちゃあぁだぎゃっすよ?って言われたらこの大学教授のセンセイはこれからどうリアクションしていくというのだろうか?
いろんな意味で?
陰山氏の誠意ある回答を望みます。
・・・・・・・
ベビーコメ
ご愛読ありがとうございます。
>東京だけで何てアンダ日本のずべで分かるだぎゃよ?
これは、どの地方の方言なんですか?
2008-5-11 14:30
投稿者 夫名無しですが : 2008年05月11日 01:21
一言で言えば稚拙・・・・・
あまりにも稚拙な内容でどこから正したらよいのかわかりません。
文章読解能力が異常に低いのか、それとも敢えてそうしているの・・・・
小学生の教育に一生を捧げ、今なお努力を続けている人に対して無礼極まりない。はっきりいって不快です。
このようなブログを日刊スポーツが何の管理もせずに発表を許していることに対して憤りを感じます。
効果があるかはわかりませんが、直接意見を投稿しておきます。
自身の発言の責任を取るようのぞみます。
・・・・・・・
ベビーコメ
ご愛読ありがとうございます。
>小学生の教育に一生を捧げ、今なお努力を続けている人に対して無礼極まりない。はっきりいって不快です。
「百ます計算」は故岸本裕史氏の創意・発案。
岸本氏の研究会で一会員だった陰山氏は、
「百ます計算」を実践後、大手出版社でドリルを発行、連発そしてブレイク。
挙句他社でも、ほとんど名前だけ貸して、ベストセラーに。
印税は足し算で独占。
尾道での教育に一生をささげるかと思いきや、流行を逃さず
お受験校・立命館小学校の副校長に。
尾道で志を一つにした人たちから、尾道を捨てた、と厳しく非難された。
彼は「学商」の一人でしょう。
>一言で言えば稚拙・・・・・
>あまりにも稚拙な内容でどこから正したらよいのかわかりません。
>文章読解能力が異常に低いのか、それとも敢えてそうしているの・・・・
もちろん、これは私ではなく、「百ます」陰山氏の
「あのカコミ記事」についてのご意見ですよね。
2009-5-11 14:30
投稿者 朝一親父 : 2008年05月11日 05:57
多岐にわたる分野での記事、いつもに閲覧を楽しませていただいておりますが、初めてコメントさせていただきます。帰宅時間だけを取り上げた調査というのも、明らかな片手落ちと思われます。仕事柄各国に赴くことが多いのですが、仕事の開始時間は様々でしょう。米国では開始時間は朝6時台~7時台と、日本人の感覚から見ると極めて早いことが多く、それで仕事を5時まで行えば、勤務時間は日本人の言う9時~19時に相当します。日本人の帰りが遅いのはその勤務開始時間帯が遅いと言うのも一因になるでしょう。また、職種によっても退社時間は大きく異なります。社主様の言うとおり、この調査が本当に帰宅時間だけを取り上げたものだとしたら、恐ろしく片手落ちの調査から結論に導いておりますが、あまりに明らかなので、本当は綿密な調査と分析をしているのでは、とも想像しております。
投稿者 EWR : 2008年05月11日 07:45
データ自体の信憑性に疑問がありますね。まともな都市社会において、午前中に帰宅するような特殊な職業に就いている人口が0.1%、0.0%というのは不自然極まりないですから。
お父さんが11時に帰ってきて、だんらんがすごく重要なんだったら、子供は午前1時までは寝ないようにすればいいし、早寝早起の方が重要なんだったら、お父さんが9時に帰ってくる場合でもその前に寝てしまえばいいと思います。
あ、上海はすごく生まれがいがあるところだと思いますよ。両親は一人っ子だからってすごくかわいがってくれるみたいだし、大人になったらマンションを買ってくれて、結婚相手の面倒まで見てくれるみたいですからね。
投稿者 じゃっく : 2008年05月11日 13:09
百マス計算についてはあまり知りませんが
こういうまず著者の結論ありきの雑な統計は
ときどき見かけますね。
そのような統計、結論を鵜呑みにしないよう注意したいものです。
ところで、先日東京に行ったのですが
帰宅ラッシュの時間と重なったためか
電車の混みように驚きました。
通勤帰りのお父さんがたは
毎日、このような通勤、帰宅ラッシュを体験しながら
家に帰っても家族サービス(この言い方はあまり好きではないですが)を求められるのだなと思って
同情してしまいました。
投稿者 ロー人生 : 2008年05月11日 14:55
ろくにウラもとらないで、自国を貶めるようなことばかり印象で言って、エライ大学のセンセイのようですが、恥という言葉は知らないみたいですね。
岸本裕史氏の発明で大もうけ、故郷のために尽くすと言っていたのはどこへやら、お上品なお受験校のセンセイにおさまっていらっしゃいます。
陰山よ、まず恥を知れ、そして故・岸本裕史氏に心から詫びなさい。
そしていやしくも学者なら何かモノを言うにはきちんと調べること。
以上です
投稿者 むさし : 2008年05月11日 16:02
日本のパパ達の帰りが遅い理由は様々。
子供と親のかかわり方も様々。
団欒時間の量より質がたいせつだと思う。
子供とのかかわり方は、パパの心の持ち方ひとつ。
パパの子供に向かう気持ちがきちんとあれば、
毎日、早く帰って団欒しなくても大丈夫。
団欒も仕事も自分の時間も全部切り離すものじゃなくて、
つながってるもので、全部が大切な時間。
今、やるべきこと。今じゃなきゃ出来ないこと。
優先順位をまちがえないようにすることを、いつも気をつけている。全ての時間が自分の人生の生きがいでもあるから・・・。
投稿者 14番目の月 : 2008年05月11日 18:46
あまりに稚拙な統計ですね。
こんな文言に騙されないようにしたいものです。
きっと陰山先生はお金儲けの方が忙しくてきちんとした統計をもとにしている暇がないのでしょう。
子供たちの素晴らしい目の輝きも、陰山先生には、お金にしか見えないのかもしれません。がっかりしました。
投稿者 三浦 : 2008年05月11日 20:00
>ろくにウラもとらないで、自国を貶めるようなことばかり
まず働こうねw
つーか、働いてない人のコメントが多すぎてワロタwwwww
地方は比較的帰りが早いが、収入も低く、仕事自体がなくて人口流出が続いている。
労働者の1/3は非正規で低賃金かつ不安定雇用。人生設計自体立てられない。
派遣法ひとつとっても日本の派遣法は欧米とは比べ物にならないザル法。
正規雇用の労働環境も劣悪なところが多く、サービス残業の常態化が酷い。
日本の経営者はみなし管理職もバンバン生み出している。
サービス残業は違法なんだぜ。
むしろ、詳しい調査をされたら、もっと悪い状況が明らかになるだけだろ。
投稿者 ワロタ : 2008年05月12日 16:00
マスコミ界の常識=世の非常識
ですね。
マスコミ界では「発掘あるある~」でわかるとおり、
結論ありきで取材します。取材で意図する裏が取れなければ
強引に編集し決められた結論へ結びつける。
筆者が感じたように「マスコミ(この例では日経紙)の
強引さ・軽薄さ」を読み手がいかに理解(読み解く)できるか、
が、マスコミから情報を取得するわれわれには求められる
と思います。
投稿者 kpapa : 2008年05月12日 16:48
ワロタ様へ
サービス残業の件、労働条件の件、同意です!
トラックの運転手とかもう本当に信じられないくらい悪い、長距離が特にヒドい。
S]急便とか運送業ももちろん酷いです。労働条件の酷さから起こっている交通事故も年間相当あると思います(あっ具体的なデータはないですよ)。
Mックは従業員から告訴されていますが、ここも世界的な企業なのに見なし管理職の裏ワザでかなりキツいことやらせています。
これほどキツいことをやらせているのになぜ法律とかで止めさせられないのか不思議!
あっあとこの記事の投稿があった5月11日は日曜日ね、夜勤のある仕事も沢山あるから一概に無職って決めつけはイカンぜよ、でも投稿の後半は賛成、企業の利益の為なら労働者の生活が犠牲になって構わん、そういう劣悪な仕事に就いている時点で負け組で学生の時怠けてたかアタマが悪いんだから仕方ない、そんなヒドい考えが蔓延しつつあると思います!
投稿者 夫名無しですが : 2008年05月12日 21:40
ふーん、陰山英男さんてそんなに酷い人物だったんですか?
「政商」ならぬ「学商」呼ばわりされてしまう程に。
『百ます計算』の発明者ではなくとも、
それを普及させ、一定の教育効果を上げた功績は評価してあげられないの?
陰山さんの結論が短絡すぎるとの社主のご指摘は、
本文を読む限りには共感を感じる部分は大いにある。
ただその後のコメント欄に対するレスを見て、
「果たしてそこまで酷く言われてしまう人なの?」との疑問が浮かぶ。
陰山さんを良く知らない私にははっきり言って理解不能。
尾道を離れ立命館に移ったことはそんなに恥ずべき行為なのでしょうか?
社主の一刀両断の下でそこまで言われるからには、
何かしら理由があるのでしょう。
ただそこまで悪し様に言うからには、
理由をもう少し明らかにして頂きたいと思いますが、如何?
・・・・・・・
ベビーコメ
ご愛読ありがとうございます。
>ただそこまで悪し様に言うからには、
理由をもう少し明らかにして頂きたいと思いますが、如何?
「悪し様」には記事を書いていないですし、佐高信さんに、
比べたらおとなしいでしょう。
>理由
他にいろいろ持っていますが、今のところコラムの批判としてはあれでいいと思います。
2008-5-13 22:00
投稿者 : 2008年05月12日 22:23
権利関係のはっきりしないアイデアを利用して、金儲けをするなんてよくあることで、そんなに悪くいわれることでもないような気がします。
教育者=聖職? まさかね。
投稿者 山奥 : 2008年05月12日 23:39
確かに。陰山氏が100マス計算をテレビで言う前からあれはありましたよね。私が小学生のころもやりましたし。
あの先生は確かに納得いかないことをおっしゃる時がありますよね。
投稿者 super : 2008年05月13日 00:18
まず最初に調べるのは終業時間と就労時間ですかね。あのデータをもって、理由は様々でも家にいる時間はこれだけ少ないと説明するなら、もう少し好意的に受け入れますが。あの結論を説明するには不十分すぎるデータです。理系の教育からは手を引いて欲しいです。
それにしても、家庭で過ごす時間を犠牲にしてまで働いているという結果は出てよいものかどうか。日本が世界の中で成長株なら良いですけど、そうでないなら恥ずかしい統計結果ですね。
関連記事について。世界的に最も使われる言語は英語です。英語が必要になったから勉強する、というよりも、英語ができるからこれをやりたい、という風に未来を選びたいし、自分が必要と思えば、どこにでも必要とすることはできます。まぎれもなく、世界の中の日本なのですから。お役所や他の人を頼るよりも早い。海外を知っている人ほど、日本を含めた世界に目を向けた方が良いと思っている人が多いでしょう。最初から能力として持っていれば、英語を必要とするところへ能動的に入っていけます。可能性の扉を最初から開けておくためにも、英語は小さいときに正しく習得しておくべきです。必要ないと思ったところで捨てれば良いし、捨てる方が簡単。必要かどうかが分かるときには既に年をかなり重ねてしまうことが多いでしょうし、日本人の酷い発音は本当に通じなかったりします。子供の吸収力は無限です。懐の深い教育をして欲しいですね。
投稿者 ぷん : 2008年05月13日 04:29
話がずれてしまって申し訳ないのですが、この記事に触発されてお願いがひとつ。
それは、『サマータイム』ないしは、Day light saving changeと呼ばれるものについてです。
米国や、小生が暮らすメキシコでは、毎年実施されていて、現在はその期間中。
約半年間、時計の針を1時間進めます。
開始日と終了日は、土日の変わり目に設定され、日曜日一日体を慣らしてから月曜朝に臨む仕組みです。
ところで、これがなぜ本記事に関係あるかというと、小生の狭い交際範囲での話ではありますが、それは、『なぜ日本ではサマータイムが実施されないのか?』という素朴な疑問があるからです。
複数の日本人駐在員の意見によれば、それは『もし日本で実施しても、単に残業が増えるだけで、早目の帰宅や日のある時間帯に仕事以外の活動を行うことにならないのは目に見えているから、やらないほうがよい』。
もともとの趣旨は、電力の効率的節約ということかと理解していますが、この意見はなかなか含蓄があり、とても面白く感じています。
地球温暖化防止の観点から見ても、火力発電所に余裕ができるこの仕組みは有効ではないかと思いますが、日本ではなぜ議論にもならない(?)のでしょう。
戦後の一時期導入が図られたもののすぐやめてしまったようですが、あれはやはり残業が増えて不評だったからですかね。
社主殿、機会があったら一度追求していただけませんか?
投稿者 閑人 : 2008年05月13日 05:04
すみません。5月12日22:23の投稿で、
そこまで「悪し様」にと社主の論調を批判したのは私tkbankerです。
酔っ払っており、名前を入れ忘れてました。
投稿者 tkbanker : 2008年05月13日 22:50
陰山(笑)
この一言でいいんじゃないだろうか。
恥を知れ、とか、そんなん憤るこっちゃないでしょ。
投稿者 まさ : 2008年05月13日 23:15
日本でサマータイムが導入されないのは、電力会社など、それによって減収を余儀なくされる会社からの反対を国会が押し切れないからだと思っていますが。これに限らず、日本にはこういう呪縛が多いのでは?
私もサマータイムはぜひ導入した方がよいと思っていますし、今回の記事に大いに関係があると思っています。
投稿者 ぷん : 2008年05月14日 20:22
