2008年04月29日
「耳」は捨てられた!
先日打ち合わせがお昼時だったので、カフェで珈琲と野菜サンドを頼んだ。
相手のY君はハムとタマゴとツナのミックスサンドを頼んだ。
テーブルに届いたサンドイッチは、
柔らかい白いパンで、きれいに耳を切り落とされていた。
どうして日本はこの「耳」を捨てるのか、
いつも「もったいない」と思う。
サンドイッチの国では、白い食パンもブラウンブレッドもあるけど、
当たり前に耳はついている。
パン自体も、日本のふわふわパンではなく、
歯ごたえがあって、ちょっとごわごわ状態。
日本のサンドイッチは、お子様向けかオヤツ風感覚で、
ちょっとつまむ程度の虫押さえにしかならない。
カツサンドに限っては、まあ、男性でもなんとか腹持ちがする。
サンドイッチの国なら、ちゃんとした一食にすべく、
耳がつき、パンの内側両面にはべったりとバターが塗られている。
ちなみに、スーパーで売られていた「コロッケ&サラダ」
サンドイッチのカロリーを見ると(右写真)、
380kcalで、まさに軽食。
欧米なら800や900kcalのサンドがざらにある。
内容物がベーコン、ハム、チーズ、マヨネーズなど
高脂肪の材料を使っているからだ。
だから西洋人の大きな体にも、サンドは立派な食事と言える。
ところで、日本のサンドイッチはなぜ耳が捨てられるのか。
その理由を調べてみたがわからなかった。
食べる側はこの耳なしをどう見ているのだろうか。
Y君 軟食好みの時代と関係あるのかな?
ふわふわパンを求めるだけじゃなくて、
均一な噛み心地を追求する余り、
舌触りがごわごわする耳の部分を避けたがる傾向にあるのではないか。
私 「軟食の時代」と言っても、この「耳なし」はかなり前からだろ?
柔らかな舌触りとしっかり噛まないといけない部分があるというのは、
なんとなく、口の中でバランスが悪いので、
避けられるかも知れないね。
でも、それは理由じゃないと思う。
Y君 そうかなあ・・・。
私 ほら、今の見た目意識と同じで、
白いパンの「白」を好む日本人の美意識からして、
あの額縁の茶色い耳は要らないのではないか。
現に最初から「耳」がない「サンドイッチ用」が売られているじゃないか。
Y君 ボクなんか、小さい時からずっと、
耳無しのサンドイッチを食べていたから、
耳つきの食パンを食べることなど考えられないなあ。
私 サンドイッチの食パンは耳がついていないもの、
トーストの食パンは耳がついているもの、という風に、
長い習慣から思い込んでいるだけだよ。
もちろん、耳つき派の人たちも大勢いるけど。
Y君 習慣という意味で、ボクは保守的かも。
食の習慣や好みって、なかなか自分で変えられないからね。
ところで、調理する側から見てどうだろう?
私 耳を落とすとね、サンドイッチの中身が識別しやすい。
ハムとかツナが断面っていう風に見えるよ。
また、パックしやすくしたいんじゃないの?
耳なしなら、ちゃんと長方体を形づくれるけど、
もし耳をつけるとなると、どうも見た目に幾何学的に見えず、
しっくりこないのじゃないかな。
Y君 耳はコンパクトにパックする際にジャマになるわけか・・・。
英国は三角サンドの容器が主流だよね。
私 サンドには普通耳ついているし、耳つきはいいよ。
あの部分はおいしく、耳がついていると、
持つ時その耳がしっかりしているので
中身がこぼれないという利便性はあるかも。
それに、日本では、業者がサンドイッチを作る時、
落とした耳を後で別の材料として使えるという利点もある。
Y君 スープのクルトンってやつですね。
でも、よくパン屋に「耳」だけって袋が
50円とか100円で売っているのはみかけますよ。
私 他にも理由はあるだろう?
耳なしサンドイッチの方が上品に見える、というのはどうか。
大皿にいくつかのクラスターに分けて、
サンドイッチを盛りつける立食パーティなんかを想像してみてよ。
ピクルス、ラディッシュ、パセリでオシャレに彩りして、
ピックで止めてあるよ。
耳をつけたままの食パンを使うと、美的ではなくなる。
二人は、耳なし美的サンドイッチを頬ばりながら、そんな風に会話を続けた。
・・・・・・・
一昨年昨日の記事「3億円ドアが開いた理由」
一昨年今日の記事「清原選手の筏(いかだ)」
一昨年明日の記事「転職したいなあ」
April 29, 2008 08:31 PM
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コメント
バンの耳を油で上げて砂糖をまぶして食べるのも美味しいですよ。
投稿者 Wサンドイッチ : 2008年04月29日 22:01
林望さんのイギリスに関するエッセイが興味深かったです。
(1)ヨーロッパに日本の主食のような概念は無い
(2)じゃあパンって彼らにとって何かというと「食べ物を載せる為の台みたいなもの」とのこと
(3)こういうパンに対する考え方の違いから、イギリスのトーストは三角形で薄く切られているのだろうし、日本の食パンはふっくらしたご飯のような食感をウリにしているのが多いのだろうとのこと。(以上は林望さんの意見なので私に「イギリスにもふっくらしたパンはありますよ」とか「それを言う根拠って何ですか400字以内で」とかお問い合わせの無いようお願いします汗)
サンドイッチの話ですか、イギリス人がトマトとかチーズとかをサンドイッチにしてかじるさまはなかなかいいですよね。
僕の大学のイギリス人の先生で割と親しくさせていただいた方いるのですが、その先生と私の友人だった韓国人の留学生に
「自国の食べ物で一番miss(懐かしく思う、なくて寂しいと思う)する食べ物は何?」
と聞くと、韓国人の留学生は「キムチ!日本にもあるけどレス・スパイシー」
と答え、イギリス人の先生(女性の方)は
「ソーセージ!バラエティーが日本とは違うのよ!」
とのことで、キムチという韓国人の答えはあまり意外ではなかったのですが、イギリス人のソーセージという答えは少々意外でした。
自分なら何かなあ…日本化した洋食とか中華かなあ…日本のカレーライスとか日本のコロッケとか日本のラーメンとか…こちらも外国人を困惑させそうです。
投稿者 夫名無しですが : 2008年04月30日 01:01
およそ半世紀近くさかのぼった頃、我が家ではサンドイッチを作ってもらったあと、切り落とした耳を、油で揚げて、砂糖をふりかけておやつにしてもらっていました。
パン屋さんに行くと、サンドイッチを作って余った耳を、袋につめて安く売っていました。それを買って、母がおやつをつくってくれたこともありました。揚げる前に、おなかが空いて、耳をそのまま食べると、やわらかくて美味しかった。卵サンドのマヨネーズと黄身のまじったのが端っこについていたりして・・・。
個人的には、軽くトーストして具をはさんだサンドイッチが好きです。もちろん、耳はそのまま。
ドイツに住んでいたときは、日本で言うサンドイッチになるようなパンは売っていませんでした。50KMくらい離れたオランダに行くと、英国風のパンがありました。わざわざ車を飛ばして、買いに行って、サンドイッチを作り、味わったものです。
一方、その後居住したオランダでは、英国風のサンドイッチはほとんど見ませんでした。スライスした耳の付いたパンを皿に2枚のせて、上にポテトサラダ、目玉焼き、にんじんの生の千切りなどを載せて、ナイフとフォークで食べる、オープンサンド(?)が一般的でした。
ロンドンにたまに遊びに行って、街のスタンドで馴染んだサンドイッチに遭遇して、そのときはかぶりついた時の、やわらかい食感に感激の涙を流しました。耳はしっかり付いていました。
耳を落とす風習は、つまみのカナッペみたいな盛り付けのための特別な料理方法が、いつのまにか正しいサンドイッチは「そうあるべき」みたいになっちゃったのでしょうか。
投稿者 エディ(EJ改名) : 2008年04月30日 22:27
サンドイッチの発祥の地?英国でも、耳の嫌いな人(特に子供)は多いようで、最近大手メーカーから耳なし食パンが発売されました。後から切り落とすのではなく、耳ができない焼き方を開発したのだそうです。
投稿者 みみずき : 2008年04月30日 23:16
ぴしっと右習い!
何でも綺麗に揃っているのが大好きな日本人らしい好みだと思います
我が家でも耳があると綺麗に並ばないので見た目を良くする為にカットしてしまいます(運動会や行楽)
あと中身にもよるんですがハムとか卵とかチーズとか柔らかいものが多いものをはさむ事が多いのでどうしても食感を近づけたいからカットする事が多いです
しかし捨てるなんてもったいないので マーガリンでさっと焼いてシナモンと砂糖をかけたり 粉のガーリックなどでおやつ風にしています
ついつい手が伸びる一品ですよん
時間が無い時は耳とは言えとりあえず冷凍しておくと便利。
最近は歯ごたえのある木の実の入っているパンでサンドしていますがこっちの方が美味しいように思えています
当然耳付きです
投稿者 みくりん : 2008年04月30日 23:33
ドイツに住んで長くなります。
こちらの人でも、パンを日常食べているにもかかわらず(あるいはそれだからこそ)、外側の硬いところの好きな人や内側のやわらかいところが好きな人はいます。硬いところが好きな人はやわらかいところを取り去ったり、やわらかいところが好きな人は中身?だけをほじくって食べたりしてるわけです。もちろんほとんどの人はそんなことはしませんが。
イタリアのサンドイッチもパンの耳を取っているものが多いですね。
個人的な見方ですが、パンの耳を切り取っているものはあくまでもスナック、耳のついているものは少なくとも食事に準ずるものとしてあるような気がします。耳がついていたほうが、それがサンドイッチしかなくても、見た目もゴージャスですし。
投稿者 ビスマルク : 2008年05月01日 02:32
うまうま
・・・・・・・
ベビーコメ
ご愛読ありがとうございます。
もぐもぐ
2008-5-1 21:00
投稿者 しかしか : 2008年05月01日 04:48
アメリカに出張でいった折、同行した現地スタッフとピザハットで食事したが、かれは硬い周辺部を残し、内側のみを食べていた。
日本では周囲の硬い部分も食べていたので、文化の違いかなと思った。
ピザのボリュームは、数倍の違いがあるのですがね。
投稿者 h : 2008年05月01日 06:41
わが家ではイギリスパン(山型パン)でサンドイッチを作る事がほとんどなので、パンの耳はそのままです。具沢山が好きなので、耳があるパンのほうが、持ちやすくて食べやすいし、具の水分も気にならないですね。
柔らかいパンのサンドイッチもおいしいですが、どちらかといえばフランスパンやライ麦パンの様な固いパンに挟むほうが好みです。
サンドイッチ用の耳無しパンで作っていたのは、子供が小さい頃までだったかも・・・。
トーストもパンの耳を残す人が結構いるみたいです。カリカリでそこがいちばんおいしいのにって思ってしまいます。
ふわふわ系やしっとり系の食べ物が好まれる時代なのでしょうか。
投稿者 14番目の月 : 2008年05月01日 16:31
戦後アメリカで余っている小麦粉を日本に売るために小学校、中学校の給食にパンを出させ日本人をパン好きにさせられました。
恐るべしアメリカ。
パンの耳は犬のエサやスズメにあげる人もいるみたいですよ。
投稿者 ごはん党 : 2008年05月01日 22:02
>日本のサンドイッチはなぜ耳が捨てられるのか
多分、イギリス人のやるアフタヌーン・ティーで出すキューカンバー・サンドウィッチの真似でしょう。紅茶のディッシュを片手に、もう一方の手で軽く摘みながら、それも無意味にその小指を立てて戴くサンドウィッチとしては、パンの耳の切り取りを文化的重大事と決めておく方が、喫茶の affectation を満喫するためにも有効だったものでしょう。どうもアメリカ人のようですが、次のリンク先でイギリス人のキューカンバー・サンドウィッチに対する拘りをおちょくっています:
http://www.youtube.com/watch?v=aNMF2LyQBtg
サンドウィッチを輸入した日本人には、このアメリカ人に見られるおちょくりの精神が欠けていたのではないかと想います。まあ、その時代よりもずっと下って、東京育ちの皮肉屋の三島由紀夫氏でさえ、ロンドンかどこかで喫茶した際、茶碗に注ぐべきはミルクと茶のどちらが先か給仕がいちいち訊く事に、何か英国人の文化的な拘りを発見して感心していたくらいですから、維新前後にロンドンを訪れた薩長等の田舎者が帰国して、芸者上がりの奥方なんかに、サンドウィッチを作る時には必ずパンの耳を切れと言い付けたであろう事は想像に難くありません。
ところで、キューカンバー・サンドウィッチは一見人畜無害のようで、その実(好みにも依りますが)危険も潜んでいます:
http://www.youtube.com/watch?v=JRWjxdvArPE&feature=related
このクリップに対するコメントの一つに、男色家の友達のバーベキューに招かれた際には、ホットドッグには手を出すなと老婆心豊かに類推する人も在ります。
投稿者 綾木誠之進 : 2008年05月02日 03:33
そもそも食文化の違う海外と比較する程の事でしょうか?
耳の部分ってまぁパンの種類とか人にもよって差はあるのでしょうが、ゴワゴワしてて「これは旨い!」と思う部分じゃないじゃん。それだけでは?
・・・・・・
ベビーコメ
ご愛読ありがとうございます。
>それだけでは?
こういう言い方で済ませたら、大抵のことは流行廃れの「そんだけ~」で終わってしまう。
そうじゃなくて、普段あまり気に留めないけどちょっと考えたら面白いかな、
今度サンドイッチを食べる機会があればゆっくり「耳」を見て、と言うことです。
まあ、連休ですからゆっくりサンドイッチでも作ったり、
外出する時に持って行くのも楽しいじゃないですか。
>そもそも食文化が違う
上に述べたことが狙いですから、わざわざ解りきったことを持ち出す必要はないでは?
2008-5-2 23:00
投稿者 : 2008年05月02日 10:56
前に登校した分では呼び捨てにしてしまいました。
すみません。改めて投稿します。
綾木誠之進さんがふられたキュウリネタ、動画を何度も
見直してやっと理解できました。帰ってきた奥さんが
使っていたんですね。
投稿者 AA : 2008年05月04日 10:36
AAさん、改めて投稿なさるとは、エラくご丁寧ですが、仮に僕の事なら呼び捨てで一向に構いませんよ。大体、不埒な動画へのリンクを貼付けておいて、密かに嬉しがっているような男に敬称なんて要らないでしょう。
キュウリを使っているのは、あの動画の若い方の女だけとは限りません。両親の父の方はさも旨そうにキュウリ・サンドウィッチを食べているのに、母は食べていないでしょう。それは、母がキュウリの用途にも色々有る事を知っているからでしょう。そして、父が母の事をキュウリに対して "partial" だと言った時、母がそれに応えて浮かべる不自然な笑顔には、母自身もキュウリを使っている事が暗示されています。
更に言えば、キュウリはイギリスに限らず日本にも在ります。キュウリや大根の漬け物を「ええ具合に漬かっちょるのぉ」とか感心しながら、威張って飯を食らう男をよく見かけますが、あの動画のお父さんと同じ滑稽に陥っている可能性が有るという事です。
投稿者 綾木誠之進 : 2008年05月05日 15:31
