2008年02月27日
だって好きなんだもん!:
一年ほど前に、エントリー「その時、嫁は見た!」で、
お嫁さんから姑さんについて微笑ましいエピソードを聞いた。
姑さんは晩年、近所の医者の往診を受けていた。
先生がいらっしゃる日、姑さんがお嫁さんにお願いすることがあった。
まず、自室にオーデコロンを撒いてほしい。
寝たきりで、毎日風呂に入っていないためだ。
次に、薄化粧をして、きちんと身なりをさせてほしい。
その姿を鏡で確認させてほしい。
口紅を引いて、少なくなった髪にも櫛を当ててほしい。
「どんな時にでも、お義母さんは、
女性としての身だしなみを忘れない人でした。
もう寝たきりですから、パジャマぐらいしか贅沢ができなかったので、
下着とともに、オシャレをしていましたね」
とおっしゃって、姑さんを偲んでおられたことを思い出す。
最近老人ホームの入居者が、互いに恋愛感情をもち、
カップルになるケースが珍しくなくなってきている。
配偶者と死別ののち、入居すると、
ホームで長く淋しい生活を送らねばならない。
結婚して子供を一人前にし、仕事を終えた後の人生を
どんな風に退屈せず過ごすか、が大切な問題。
つまりどう余生の時間を過ごすか、趣味に生きるのか、
ブログのトリコになるのか・・・やはり、
人間の基本的欲、寝る・食う・SEXにもどるのか・・・。
ロマンスの炎を燃やさないと、
残る人生がもったいない、と老人たちが考えてもまったく不思議はない。
もちろんカップルが生まれると言っても、
正式な結婚の形、つまり入籍するというケースではない。
遺産相続がからむ話になってくると、
それぞれの家族が反対するのも当然だ。
しかし、一応は施設側が認め、他の入居者に祝福されているという形にしておかないと、
そのカップルの行動が施設内で波紋を生じさせることになってまずい。
男女とも70歳以降も性的行為が可能な人たちは大勢いる。
バイアグラの助けもある。
ただ彼らにとって性的行為とは、必ずしもハードコアを意味せず、
手を握り合う
添い寝をする
こうしたソフトタッチも含めることができる。
目を海外に向けると、
アメリカの老人ホームでも、老人たちのロマンスが盛んで、
積極的な老人は、入居後に期待して、狭いベッドを大きなベッドに
換えてくれるように要求するという。
性的体験だと、さすがデンマークでは、R指定の映画を見ることができたり、
宅配売春婦さえ呼んでくれるというから驚く。
カップルが生まれる施設だと、看護師や職員も心得たもので、
部屋に入る時は、ドアのノックも忘れないし、
INGに出くわしても、さりげない対応ができる。
一昔前なら、それこそ、大変な騒ぎになったものだ。
老人ホームでロマンスが生まれたり、
カップルができるのは、まあ言ってみれば、
その老人たちが魅力であったといえるだろう。
では、どんな老人に恋が芽生えるのか。
施設の人の話によると、必ずしもイケメン老人ではない。
一番嫌われるのは、過去の自分の肩書きとかを引きずって自慢する人。
人気の基本は、やはり身体が丈夫であること。
女性の場合は年より若く見えることで、しゃきっとした身体の人が人気がある。
男性の場合は、
(男性入居者は、絶対数が女性よりかなり少ないので、買い手市場状態だ)。
髪が豊かに残っていること
入れ歯でなく、歯が揃っていること
背が高いこと
こんな風に施設での人気基準を見ると、
なんだか、高校生同士の基準に似てなくはない。
ただ老人たちの施設内での性体験を
微笑ましいだけで見るわけにはいかない現状が
アメリカあたりでは、すでに問題化している。
認知症とのからみで、認知症にかかった女性が
男性入居者に性的暴行をされるという事件が起きている。
実際、女性の家族から訴訟を提起されているケースもあり、
施設側は、目を光らせている。
将来的には団塊の世代の大量入居が予想され、
2030年には、現在の入居者数の2~3倍に達するという数字が出ている。
数字だけでなく、この世代の一部は、ロックと自由を愛した奔放な人たちだから、
問題を起こしはしないかと、施設側は戦々恐々かも知れない。
まさか、不満が起きた時、
施設の中でトップをつるし上げたり、
「全共闘」を組織するとは思えないけど・・・。
February 27, 2008 10:22 PM | コメント (6) | トラックバック (0)
2008年02月26日
置いてきぼりにされた鯨肉:
鯨肉が日本の食卓の文化と言われているのなら、
実際に鯨肉を試してみなければいけない。
先日赤身をソテーにして食べてみた。
商業捕鯨が禁止され、調査捕鯨が始まった20年前には、
1100トンほどだった供給量は、近年は4~5倍も増えている。
供給量が増えるものの、どうも人気がいまひとつと聞く。
卸値を下げると確かに販売量は増えるのだけど、
他の肉に比べて、購買力が弱い。
人気にもっとも影響を与えている理由が、
肉から鯨肉独特の「ドリップ」と呼ばれる血が混じった体液が出てくることで、
この扱いが非常に難しいらしい。
そりゃ仕入れた鯨肉から血が出てきたら、
まったく誰だって興ざめしてしまうし、
料理人は頭を抱えてしまうに違いない。
なので、この血が出ないようにいろいろ工夫されている。
しかし、私の脳裏には、いつかドキュメント映画で観た、
どうもにも捕鯨の際にモリを打ち込まれた鯨の無残な姿と
あふれ出る血で真っ赤に染まった海面の光景が甦る。
(写真:私が気に入っている捕鯨絵図柄のシャツ)
こうした食欲へと結びつかない可哀想な鯨への思いは別にして、
鯨肉文化を味わおうとソテーにしたものの、
珍しい味、という程度の印象だった。
さらに、少し肉がぱさぱさしており、まあこんなものか。
もう一度、と聞かれたら、遠慮したい。
リアルな味覚で消費がアップしない理由が理解できる。
値段の高い鯨料理店だと、もっと美味しく味わえるのだろうか。
関西では、「コロ」と呼ばれる脂身の部分と
シャキっとした水菜の炊き合わせに「はりはり鍋」というのがある。
昔、祖母の「おばんざい」のレパートリーで、美味しかった記憶がある。
でも、食文化の違いからか、
なぜか関東では「コロ」を手に入れるのが難しいし、
手に入れたとしても、破格の値段だ。
ところで、ヤフーの意識調査で、
「あなたは商業捕鯨に賛成? 反対?」という質問があった。
21,221票のうち、
賛成 90% 19,001票
反対 11% 2,220票
賛成するのはいいとしても、
もし商業捕鯨が解禁になって、どんどん供給量が増えても、
消費量がまったく伴わなければ、どうするのだろうか。
「鯨肉の需要は全く存在しない」という反捕鯨のグリンピースの主張は、
極端だとしても、鯨を食べることを文化と認める日本人が、
鯨肉の人気が低迷し、食するに及び腰では、
商業捕鯨解禁の意味はないと言えないか。
実際日本と同じ捕鯨国のアイスランドでは、
あまりの鯨肉の需要のなさに、在庫をかかえ、
鯨をむやみに殺すことをやめようとしているそうだ。
子供たちが喜ぶ鯨のウオッチングの方が
国として収益があがるし、欧州で非難されることもないというのも
捕鯨をやめようという大きな理由に結びついている。
食文化は、自分が率先して食べてこその文化だと思う。
日本文化である伝統的な食生活がすでに絶滅に瀕しているものが多い今の時代に、
それでもなぜ鯨にこだわりたいのか、正直よくわからない。
February 26, 2008 11:07 PM | コメント (75) | トラックバック (0)
2008年02月24日
あるレストラン物語:
今朝の日経新聞が「障害者人材募集広告特集」をしていた。
このタイトルには「障害者」がついているけど、
募集する側の企業の広告では、
「障害者」は「障がい者」という表現を使っている。
通常の神経をしていたら、「人を表現するのに『害』はないだろう」
と思うはずだから、私もこれからは「障がい者」という表現を使ってみたい。
「健常者になんか負けてません!」のエントリーで、
知的障がい者の仕事のチャンスが次第に広がっている話をしてみた。
彼らの中には、限られた領域の能力でも、
健常者をはるかにしのぐ天賦の才能をもつ人たちがいて、
たとえば速算やデータ入力の仕事で高く評価されている。
またサービス業でも、看護や飲食で今までマイナスに働いていた
動作の緩慢さなどの価値が、一転、高い評価と期待が寄せられている。
イギリスの南東部にある古い小さな町に、
いつだったか滞在した時のことを話してみたい。
その日の昼下がり、どこかで少し休みたいと思い、
レストランかカフェを探しながら、小さな町を歩いていた。
あるレストランの前に来た。
優に200年以上は経っていると思われるどっしりとした木造建築で、
通りに面した小窓には、生成りのアンティーク・レースのカーテンがかかっていた。
中は、窺い知れない。
妻はこのレースに魅せられて「ここにする」ともう決めてかかっていた。
私も、悪くなさそうだと思い、黒くて重いドアを押した。
先に進んだ私は、不意に足を止めてしまった。
「どうしたの、混んでるの?」という後ろの妻の声に、
「いいや」と否定しつつ、妻に中を見るように手招きした。
レストランの中を見た妻が、
「何か、問題あるの? 皆、食べてるじゃないの」
と、当たり前のように言った。
確かに言われてみれば、普通に何人かの客が食事をしたり、
お茶を楽しんでいるのだから、普通にしていればいい話であり、
特別と考える私が間違っているのだ、とためらいはすぐ消えた。
ただ、日本のカフェやレストランでは見ることができない光景に、
ちょっと驚いただけ。
視野に入ったレストランのスタッフは10名はいた。
全員、ダウン症の男女だった。
その中の女性が私たちに近づいてきて、
「どの席がよろしいでしょうか」
と、聞いてきて、テーブルに案内してくれた。
次に別の女性がメニューを持ってきて、注文を取った。
メモに私たちが頼んだ品物を書いているが、
しっかりと英語の「マル文字」だ。
それぞれが仕事を分担していることがわかる。
奥の厨房で調理している男の子もお友達である。
メニューの品数も食べ物も貧弱ではなく、イギリスによくある品揃え。
私は本日のスープにハムサンドイッチ、
妻はバターなしの卵サンドイッチにホットミルク。
二人とも、パンはブラウン・ブレッドにしてもらった。
レストランの片隅のガラスケースには、
ホームメイドのケーキやクッキーが美味しそうに並んでいる。
ケースの上のバスケットには、リンゴ、バナナ、オレンジが、
一個いくらで売られている。
しばらく経って、また別の人が注文どおりの品をテーブルに置いてくれた。
妻は、卵サンドのパンを少し裏返して、
注文どおりバターが塗られていないのを確認した。
そして、昼食を始めている時、
健常者のイギリス人マダムがテーブルにやって来て、
こんにちは。
ようこそ我々のレストランへいらっしゃいました。
私責任者のエマです。
この子達の仕事で、何か問題はありませんでしたか。
ご注文どおり揃っていますか。
と、問いかけてきた。
私 ありがとう。
何も問題はありませんよ。
スープが美味しいですね。
サンドイッチも上手に作られていて、満足ですよ。
エマ 全部、あの子達が分担して仕事をしています。
ここで働いてお客さんに喜んでいただけるのが、
あの子達の誇りです。
私 あのケーキも彼らが作ったのでしょう?
エマ ええ、もちろんです。
あの子たちは教えれば興味をもち、
ゆっくりでも、できるようになります。
つまりこのレストランでは、この女主人と客以外は、
ダウンの子達で運営されているわけだ。
女主人は、一つ一つのテーブルを回って
客に確認することを怠らない。
こうしたサポートがあれば、十分に
レストランの営業を成り立たせることができるということ。
しかしこの町の魅力は、このレストランだけではなかった。
まず車がクラクションを鳴らすことをしない。
人が歩いてると、その後から車が付いてくる。
夜明けに、ビンがかすかにぶつかり合う音で目が覚め、
ホテルの窓を開けてみると、
電気自動車を動かしながら、
牛乳配達人が各戸の玄関先に牛乳ビンを配っている。
電気自動車だからもうほとんど音をたてずに走っていて、
回収した空瓶の音だけが聞こえてくるわけだ。
人が障がい者にやさしくなるためには、
町もやさしくならないといけないことがわかってくる、
そんな町だった。
February 24, 2008 07:28 PM | コメント (22) | トラックバック (0)
2008年02月23日
愛子さまの「蛇口愛」:
皇太子殿下が、ご自身のお誕生日(48歳)に先駆けて、
東宮御所檜の間で記者会見をされた。
皇太子殿下ご一家がお変わりなく
過ごされている様子が伝わってくる。
そして一問一答のインタビューの中で、
皇太子殿下は、愛子さまのご成長について聞かれ、
次のようなエピソードを紹介された。
愛子と一緒に手を洗っているときに、
私が手に石鹸を付けている間に、
水を出しっぱなしにしてしまい、
愛子に水を止めるように注意されたことがあります。

このお言葉に接して、私は、皇太子殿下のお母様である
美智子皇后が、水の大切さをお教えにならなかったのかな~、
まさかそんなことはないだろう、
子供時代に戦争を経験、疎開もなさっていたはず、
と大変いぶかしく感じ、もしかして、お母様にしつけされなかったことを
暗にほのめかしているのでは、と受け取られかねない。
(写真:蛇口への愛)
そうだったら、皇后様がお気の毒に思えた。
だけど、一般庶民の家と違って、
皇太子ご一家の東宮御所には、自動センサーの装置がついていないのだな、
と余計なことを考えてしまった。
このエピソードは、今回のインタビューの第一問の中で
皇太子殿下が国連「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁就任後、
最初の活動として「第1回アジア・太平洋水サミット」に出席されたことを
おっしゃっておられたが、
なるほど、その流れから愛子さまに水の大切さを日頃からお話になり、
ご教育されて、この「蛇口愛」に繋がったものと推測できる。
愛子さまには、お父さまへの「蛇口愛」だけでなく、
祖父母さまに当たるの天皇皇后両陛下に対して、
ぜひ「二重橋愛」をはぐくんでいただきたい。
・・・・・・・
皇室関連記事
「気苦労耐えぬ母の手」
「世界一有名なベビー親王」
「『雅子妃』訳本は駄本か?」
February 23, 2008 05:45 PM | コメント (17) | トラックバック (0)
2008年02月21日
「演歌歌手輸入時代」に突入?:
氷川きよしに強力ライバル現れる。
五木ひろしは負けそう。
森進一は蚊帳(カヤ)の外。
・・・これって、言い過ぎか。
そう言えば、
マツケンサンバでノリノリしたのも、
遠い思い出。
さらにヨン様は完全に沈黙。
容赦ないのが、この世界。
平成20年の春―番に乗るかのように、
ジェロ君が現れた。
いままで多くのカラオケコンテストで、
入賞5年を経て、
ついに、昨日2月20日デビュー。
ただ今、取材殺到、
57社が彼を待っている。
デビュー曲「海雪」の先行配信も、38000のダウンロードを記録だとか。
このままでいくと間違いなく、
今年の音楽大賞総なめか。
そして・・・
紅白まちがいなし。
もう大晦日のスケジュールは空けてあるはずだ。
(写真:ジェロ君デビューを報じる日刊スポーツ紙)
昨年大晦日、紅白ハラスメントに遭ったリア・ディゾンの仇を討ってほしい。
ジェロ君なら、できる。
出場者に、
「ヒップ・ホップ系ダンスでいこう」
とかましてもらいたい。
北島先生にもお願いしますね。
きよしさま、ヨンさま、ジェロさま、
日韓米へとおばさまたちはやっぱり浮気症です。
ジェロさまの歌声を始めて聞いて確信、
説明なしでわかるのは、
ヒットする要素は全部入っているってこと。
石川さゆり、都はるみ、八代亜紀と女性演歌歌手の曲を
シャッフルしたみたい感は否めないけど、
ヒットメーカー宇崎竜童さんの曲からは、
「菩薩の百恵」が垣間見えもする。
ジェロ君がプレイバックしているわけだ。
―見、いい子に見えない。
なんだか、アブな目だけど、
じつはピッツバーグ大学卒のコンピュータ・エンジニア。
でも彼は26歳には見えない。
大人びて見えるはずなのに、
やっぱり日本人の血が入っているからか。
おばさまたちのソワソワ虫が、冬眠から覚めた。
アメリカ。
カラード。
ヒップホップ系ファッション。
ジェロ君登場で、すっかり態度豹変するのがおばさんたち。
今まであのずりさげファッションを毛嫌いしていたのに、
「やっぱりクオーターだから似合うのよねと」
と囲いこんでしまう。
これなら娘とも話しが合うからね。
そういえば、知人の父親の法事に出かけたことがあった。
知人が施主で、その息子の大学3年生。
何と黒のスーツのパンツをズリサゲファッションにして、
真っ赤なフェラーリでお寺に乗り付け、
出席者の顰蹙(ひんしゅく)をかっていた。
でも、ずりさげるにも、インテリ力はいる、わかる?
ジェロ君で、美空ひばりの「真っ赤な太陽」をリメイクしたら、
大ヒットってこともあるんじゃない?
February 21, 2008 11:30 PM | コメント (13) | トラックバック (0)
2008年02月20日
健常者になんか負けてません!:
今夜放送されたNHK総合「クローズアップ現代」。
「秘められた能力を引き出せ~広がる知的障害者の雇用~」
という番組に注目してみた。
番組冒頭に、豊川さんという知的障害者が登場。
彼が持つ「天性」の才能を彼の両親が見つけ、
彼自身の努力によって実を結び、
国際アビリンピックで金メダルを獲得するまでになった。
豊川さんの仕事は、コンピュータへ「データ入力」。
驚くべき正確さと速度で仕事をするため、
健常者と同レベルの給与を受け取っている。
他の知的障害者もその抜群の「能力」で、
一般企業に雇用されて、たとえば、
アビリンピックで銀メダルを取った橋本さんは、
「名刺作成」については追随を許さぬレベルで活躍している。
知的障害者の特性は、サービス会社、例えば老人介護の世界でも
非常に優秀な技能者と認められつつある。
動作は機敏さに欠けはしても、そのゆっくりとした動作が逆に
老人たちに喜ばれるという。
仕事が遅いということが逆に、ゆっくりモードの老人たちに喜ばれて、
「ありがとう」と言葉を掛けられ、
それが知的障害者の働く意欲と喜びに結びつくという。
「クローズアップ現代」では名称を省いていたが、
最初に紹介された豊川さんのような天才的な能力を持つ人を、
サヴァン症候群の人たち
と呼ぶ。
サヴァン症候群は、極めてまれな症状で、
知的な発達障害や重い精神病をもった人が、
その障害とは対照的に、驚異的な能力や才能を見せる場合をいう。
才能の「孤島」と呼んでもいい。
発生率は、知的障害者の2000人に1人といわれる。
また男性6に対して女性1と、発生の違いがある。
サヴァンの能力は驚異的だけど、人間が備わった能力としては、
かなり限定されていて、
カレンダー計算、ピアノ演奏、速算、美術絵画(山下清画伯など)、
正確な機械的作業、並外れた記憶力などだ。
こうしたさまざまな特技の中で、共通するのは、記憶力の抜群さ。
おおむね「直観像の記憶」によるもので、
これは物を見た後、目を閉じてもその像をありありと思い出せる能力だ。
知的障害かどうかに関係なく、人は個々に驚くべき才能を備えているはずだ。
それを活かし切れば、少子化、高齢化が原因で衰退が予想される日本でも、
底力を見せ付けることは可能になるに違いない。
NHKといえば、あの巨大ビルの中に、計算、入力作業が一杯ある。
こんなすばらしい特集を提供したのだから、
ぜひ率先して知的障害者の力を借りてみたらどうだろう。
まず「クローズアップ現代」から実行してほしい。
(次号つづく)
February 20, 2008 09:55 PM | コメント (10) | トラックバック (0)
2008年02月19日
頼みのAO入試がポシャッた:
およそ10年の命だった。
始める時からこの日が来るのは、見当がついていた。
大学入試に、AO入試というのがある。
英語のAdmission Office(アドミッション・オフィス)の頭文字をとったもので、
ペーパーテストだけの通常の入試とは異なる、
書類選考や面接などによる人物重視の入試形態のことだ。
2000年にこのAO入試を始めた大学に九州大3学部があって、
そのうち法学部が、2010年春から廃止するという。
廃止の最大の理由は、AO入試で入学した学生の成績は、
通常の前期、後期試験で入学してきた学生よりもかなり低い傾向にあるからだ。
もともと入学を希望する生徒の人物を重視した選考だから、
かならずしも受験勉強を優先したのとは違い、
別の魅力なり能力を評価しての合格のはず。
たとえば、出願時に提出する、書類では、
成績だけでなく、「志望理由書」やクラブ活動記録、
ボランティア活動履歴、あるいは個人的な活動が報告される。
この書類選考を経て、小論文、面接などを受ける。
しかし、合格に至る経緯を細かく見ると、
まず「志望理由書」の作成だけで、1ヶ月もかかる高校生がいて、
この書面は自分で書くことになっているのに、
いろいろな人の手が加わり、
実際に出願者自身が書いているかどうか疑わしい場合もある。
だから出願者の文章力や思考力を判断できるとは言いがたい。
九州大の場合、論文試験は現代文と英文を読んで答えさせるもので、
英文のレベルは通常の前期・後期試験に比べると低い。
これは「論文」を書く方に重きを置いているからだろう。
しかし、小論文は、他の大学の過去問をして、
特殊な訓練をすれば、水準以上の技を身につけることは可能だ。
しかし、付け焼刃の技を身につけても、入学後どうかなという心配が生じる。
面接は集団面接形式だそうで、1時間半の長丁場でも、
高校生の活動の領域を考えると、聞かれる項目は
あらかじめ予想が可能な範囲にあり、
積極的な姿勢をもつ受験生にはさほど難しくはないだろう。
こんな風に見てくると、AO入試で入学した学生と、
通常入試を勝ち抜いてきた学生では、
大学に入ってからの専門を伸ばすための基礎知識の厚みに
俄然差が出るから、後者が有利であることは明らかだったはず。
学業成績はちょっと下でも、
面接で、意欲や元気さが溢れる姿を見せる学生に出会ったら、
たいていの面接官は合格させてやりたいなあ、
と大学側の期待がこめられてしまう。
不足の学力は入学後の補習で補うことが可能でも、
やはり受験勉強に近い努力がついて来ないのでは、
通常の入試の学生よりずっと低い成績しか獲得できない結果になる。
これでは、何のためのAO入試かなと疑問を感じてしまう。
AO入試は欧米などでは当たり前のシステム。
しかし、日本とは大事な点が異なっている。
それは、まず在校中の学業成績が厳しく査定されることだ。
一定の学力成績を残していないものは、容赦なく選考に落ちてしまう。
つまり、成績がよいことにプラス人物評価がなされるのだ。
February 19, 2008 10:15 PM | コメント (12) | トラックバック (0)
2008年02月18日
大阪府庁に仕掛け花火:
「バラエティはドタキャンなし」から続く。
橋下知事は、さきごろ読売新聞紙上で、平松大阪市長と対談した。
その中で、平松市長は橋下知事の政治手法について、
こんな風に述べていた。
知事はまず、ドーンと打って出て、
相手の反応をしっかり見る方法。
私はこれをパーフォーマンス好きの弁護士がしばしば使う手だと見ている。
まずマスコミを集めて記者会見し、
相手方への非難をドーンと「花火」のようにぶち上げる。
芸能人がらみの事件などで弁護士がよくやる方法だ。
そして提訴。

訴額でいきなり相手が驚くような金額を請求する。
相手方は、この「ドーン!」にインパクトを受けてしまい、
冷静でいられなくなる。
裁判で和解ができるし、裁判外の水面下でも和解を画策する。
そして和解書面をつきつけて、はい決着。
しかし、このやり方だと、相手方に極めて強い感情的しこりが残る。
和解文書上は解決したように見えても、「火種」は残る。
(写真:打ち上げられた花火)
振り子を大きく振って、やがて、真ん中に止まる時、
妥協が成立するという考え方を府政にも使いたいようだ。
私が、橋下知事に「振り子」キャラがあるというゆえんだ。
しかし、うまく行くのだろうか。
橋下知事のこれからの難事は、人件費の削減。
「儲かりまっか」が挨拶のナニワの庁舎では、
なんぼ減らせまっか
削減なんかでけまへんで~
要るもんは要るねん
こんな会話が代わりに交わされることだろう。
橋下知事は府の事業では、最低限必要な事業しか
盛り込まない、という強い方針を立て、
実際暫定予算では、市町村への補助・交付をともなう56の事業経費を
計上しないこととなった。
さらに、太田房江前知事から引き受けた事業を存続か中止かを決めていくという。
これでは、市町村から相当の反発が予想される。
大阪府は暫定予算でいいけど、市町村はすでに予算編成を終えているから、
「ああ、そうでっか」と納得できるものではないだろう。
橋下知事は、振り子戦術で、思いっきりマイナスの振り子を
市町村の首長に振って見せた。
そして、妥協点をはかろうと考えているのだろう。
しかし、私は、この手法は止めた方がよいと思う。
言うまでも無く、反発が起きる上に、
表面上は受け入れたように見えても、
後々まで感情的なしこりを残すからで、
そのしこりが今後どのように姿を変えて、
橋下知事に向けられるか、予測ができないからだ。
府職員や府民から、倍にして返されることを防ぎたいなら、
ドーンと打ち上げ花火式ではなく、
スジの通った道理という、説得力をもつ賢い基準で
渡り合っていくことを勧める。
February 18, 2008 10:13 PM | コメント (16) | トラックバック (0)
2008年02月17日
バラエティはドタキャンなし:
2万%の「撤回」の前歴があった。
何のかんのと騒がれても、しっかり知事のイスに座ってしまった。
しかし、今、無知が露呈してしまっている。
選挙後の公約が次々と「撤回」され、信用が落ちた。
大阪府の橋下徹新知事(38)のことだ。
「世界一小さい新聞」は、
彼が当選した理由は「橋下フェロモン」だった、
と、ちょっとからかってみた。
橋下さんを期待だけで選んでしまったために、
予想通した通り、彼を当選させた府民は、失望と憤懣の声をあげている。
橋下さんに、一杯食らわされたなあ・・・
橋下知事は、当選直後に、「府債発行」を原則ゼロにするという方針を掲げた。
しかし、これを二日後に撤回。
その理由は、府幹部から「地方交付税で補填される府債である」と説明されて、
その説明であっけなく納得してしまったからだ。
借金をしなくては、府政にどうしても動かない部分があり、
その動かない部分を別口が補填(ほてん)することで
いかにも負担がかからないようにできるという、システムになっているようだ。
でも、広い意味で借金経営のやり方であることは変わらないのであって、
理由はどうであれ、橋下知事の作戦の失敗、不退転の勢いは一気に萎えたように見える。
「朝令暮改」という揶揄は正当な批判だし、
彼自身が「選挙民の判断にまかせる」と、
事実上「朝令暮改」を認める発言をしている。
就任後連休も休まず、東奔西走する姿は精力的で
38歳の若さを最大限に行動力に結び付けているけど、
それはいまだ、テレビ番組にレギュラーを持っていた頃の
「タレント橋下徹」の能力の域を超えていない。
そんなん、見慣れた姿やん
タレントの技能だけで推し進めると、
いったん160億円の起債を府幹部に丸め込まれた以上、
8月以後の本予算では、説得されっぱなしで、
敗北し続ける橋下知事の惨めな姿が予想される。
彼の最大のまずさは、勉強不足の上に、机上プランを言いすぎたようだ。
知事に就任する前と後で、ぶち上げた公約は、
実体を知らないでぶち上げたものばかりで、
そのようなものは現実にぶつかれば、ことごとく修正・撤回しなければならない。
現実は、その状態そのものが力をもって説得してくるのだ。
私は、修正・撤回自体を悪いこととは思わないのだけど、
勉強不足を基礎にして立ち上げた政策案が現実に敗れていくのを見るとき、
失望する人が府職員の中にかなりの人数がいることに、
橋下知事は注意を払わねばならないだろう。
ここ10年の大阪府職員を年齢構成で見ると、
20半ばから30ぐらいと50代とが突出して多くなっている。
私は、かなりの若い層が橋下知事を支持して、
今、知事がどのように、上の世代の職員と「戦う」かを
じっと観察している最中だと思っている。
その若い世代は、いわば、古い体質をもつ府庁内勢力を
面白く思っていない、改革派なわけだし、
その人たちを失望させでもしたら、
おそらくもう二度と大阪の改革は実現しないだろう。
それは、大阪府の財政破たんを意味する。
橋下知事は、まだまだタレントとしての天性を応用する形で、
宮崎県の東国原知事を見習って、新聞やテレビへの露出度を増すだろう。
さらに橋下知事は、写真映りを痛々しいほど気にする。
たえば、髪を金髪に染めた生徒があふれる公立高校訪問。
石原知事との会談。
宮崎県の東国原知事との面談。
休日、府庁駅伝に参加(写真:日刊スポーツ紙面より)。
しかし、さほど写真にならない、生真面目ニュース、
たとえば、私学助成を求める保護者の大会などには、
ドタキャンをしてしまう。
政治的な戦略だけではなかったろう。
この嗅覚は、年収3億円とも言われるタレント稼業で培われたものだ。
だから、今まだ民放テレビのバラエティにも
小遣い稼ぎなのか出演を続ける一方で、
大阪府の実態を自分の目で調査するという大事な仕事は後回しである。
今なおテレビで稼いでいる姿を見せて、いくら
ボーナスを半分にカットすると言っても、
府職員の人件費削減のために、彼らの給与を大幅カットすると
知事が主張しても、さほど説得力があるものではない。
さらに、彼の行動を見ていると、もう一つ、
知事になるまでにもっていた「弁護士として」のキャラが発揮されている。
私はそれを「振り子キャラ」と呼んでいる。
(次号へ続く)
February 17, 2008 10:53 PM | コメント (12) | トラックバック (0)
2008年02月14日
チョコなんかいらねーよ!:
もし上司が糖尿病だったら、
と義理チョコを手渡す前に考えたことがあるだろうか。
実際に、糖尿病の上司はどう対応しているのだろうか。
ただ黙って有難くいただいて、家に持ち帰るのか、
「私は、チョコがダメなんだけど・・・」と断るのか。
英国中部に住んでいた時、休みになると、
バスに乗って近くの小さな村や町に出かけることが多かった。
その一つ、Bという小さな牧畜の町に。
風格のあるヒゲの太っちょおじさんが経営している
小さなチョコレートの店があった。
西洋は高タンパク、高脂質、とにかくカロリーの高い食品が多くて、
できるだけカロリーの低い食事をしないと、
日本へ帰る頃にはとんでもない身体と化すのを恐れていて、
好きなチョコレートも控え気味にしていた。
おじさんの店を訪れたのは、そんな時だった。
店の棚の一つを指差して、おじさんは、
それは、糖尿病をもった人のチョコだよ。
と、普通のチョコよりやや色合いが薄い感じのチョコを指差した。
それまで糖尿病患者のためのチョコなんて知らなかったし、
当然食べたことがなかったので、早速買ってみた。
(写真:チョコを求めるOLたち(上)、ゴディバのチョコレート(下))
なるほど甘みも控えめで、アッサリ、サッパリ。
きっと砂糖やカカオの含有量が少ないのだろう。
美味しいチョコ特有のちょっと苦い深い味には欠けている。
どちらかというと本格チョコの代用品と言えそうだったけど、
とにかく「糖尿の人もOKなんですよ」という触れ込みだったから、
それを常用し始めた。
ところが、昨日、ちょっと調べてみたら、
英国糖尿病協会が警告している。
彼らは、糖尿病にかかった人向けのチョコやビスケットなどは、
危険だと言っていた。
その理由はこうだ。
そうした糖尿の人たち向けのチョコなどは、
砂糖が控えられているから、
それを必要とする人たちは、「糖尿病患者にピッタリ」と
ラベルに書いてあることで安心してしまい、
「たくさん食べてもだいじょうぶだ」と判断してしまう。
これが、逆に危険だというのだ。
実際に調べてみると、糖尿の人のためのチョコレートなどは、
高脂質商品で、糖尿の人だろうと、そうでない人だろうと、
取り過ぎは、やはり危険だという。
また通常の砂糖と同様に血糖値を急激に上げる甘味料が含有されているし、
栄養的にもよいところはあまりないそうだ。
だから英国糖尿病協会のすすめもあって、
生協の棚にこうした商品を置かなくなって来ている。
糖尿病患者は、食べる量や摂取カロリーに気をつけていれば、
糖尿でない人と同じ種類の食品を摂ることができるそうだ。
となれば、少しだけ味わうつもりなら、糖尿の上司にも
とりあえずのチョコはOKだろう。
February 14, 2008 10:48 PM | コメント (19) | トラックバック (0)
2008年02月13日
イジメは「熱いっす!」:
中学校でのイジメ防止対策のために、京都府舞鶴市の白糸中学では、
バッジをつける
面白い取り組みを始めた。
同校の狙いによると、イジメ被害を受けている生徒は、
なかなか口頭で友達や先生らに言いづらい。
そこで、自分がイジメにあったり、イジメ行為を見かけた時、
通常は胸につけている「イジメ防止」のバッジを外し、
それをSOSの緊急シグナルとして示すというものだ。
私はこのやり方を聞いて、なんだか回りくどくて、
イジメをコミュニケーション技術の習得で解決する方がいいと思いつつ、
日本ならそういう気遣い法もアリかなと思った。
ところで、京都新聞の記事を読んでいて、
とりわけ注目したのが問題のバッジだ。
このオリジナルのバッジは同校の美術の先生が作った。
円形の金属製で、直径2.5センチ。
表面のデザインは、生徒が考案したハートマークを両手で囲んでいるもの。
どこかで見たのに似ているなあ、と思ったが、
淡い緑と黄色で色づけされており、
HotHeartShiraito
と、英語でロゴが入っている。
うーんと考え込んでしまうこの英語は・・・。
このオリジナルバッジの主旨は、イジメ防止だ。
同校では、イジメ関連の事件が相次ぎ、
学校側はイジメをしないように対策をいろいろ講じてきた。
バッジもその一つと言える。
生徒はこのバッジをつけるとき、
先生たちの前で、「みんな仲良くします」「誰とでも笑顔で接します」
と誓ったというが・・・。
学校側が、英語のロゴで訴えたいのは「温かい心白糸中」という意味。
しかし、それなら、HotHeartShiraitoという英語はおかしいのではないか。
これだと「熱き心」「ぞくぞくする心」「燃える心」になってしまう。
WarmHeartShiraito
中学生ならこれで主旨が伝わると思うけど・・・。
英語の先生も、英語圏から来た補助教員もいるだろうに、
なぜ肝腎のロゴの英語をチェックしてもらわなかったのだろうか。
私は、こういうところがすごく嫌だと思う。
確か、NHKドラマでこんなシーンがあったことを思い出した。
英語の授業で、女性教師が、「道を教えてください」と尋ねる場合、
tellを使うべきなのにteachを使った。
つまり間違いである。
そこで英語圏からの帰国子女の生徒が、そのあやまりを指摘したところ、
その女性教師は、
ここの教室では、teachが正しいのよ!
と、切り返した。
美術の先生がドラマに出てきた教師と同じメンタリティとは
思わないにしても、母国語が英語ではないと認識する謙虚さが欲しいところ。
ちょっとやっかいな国民気質だ。
ある企業家が どうしても、英語圏の商談で相手に、
「一つ、よろしく」と英語で言いたかった。
(参照:エントリー「W杯ってバラエティだっけ?」)
彼はこんな風に英語で表現した。
One please.
February 13, 2008 10:58 PM | コメント (33) | トラックバック (0)
2008年02月12日
マネージャーの品格:
第一話「客、激怒「店長呼べよ~!」」、
第二話「申し訳ございません店長」から続く。
去年の夏、滞在していたプラハで。
古いホテルは、魅力的でも、
インターネットのアクセスがうまくいかないことが多いため、
最新設備のハイテクホテルを利用した、
夜9時頃、お風呂に入ろうかと思って、
湯の蛇口をひねるとなんだかぬるい。
客が集中してたくさんの湯を一度に使ってしまい、
ボイラーが追いつかなかったのか、
と、アナログ的に考えながら、他のことをしていた。
1時間後。
再び湯の蛇口をひねって、熱いお湯がでるかな、と期待してみたら、
やはりぬるいままだった。
ホテルのフロント係に解決してくれるように、電話を入れてみた。
係は、女性だった。
私 浴室についての苦情が客から来ていますか。
係 誰からも来ていません。どんな苦情でしょうか。
私 熱湯が出ません。とてもぬるい湯というか、ほぼ水です。
ちょっと確認してみてください、とてもお風呂は使えないけど。
ホテルとしては、どう対応されますか。
係 すぐにエンジニアに連絡しますが、私には、原因がわかりません。
私 朝まで待て、ということですか。
妻はお風呂を使いたい、と言ってるのですが・・・。
係 申し訳ありません。早速状況を確認して、
折り返し、お電話を致します。
ボイラーか何かの故障で、全館温水供給が不調であったら、
部屋を代えてもらっても意味がない。
ハイテクホテルが今更、貯め湯方式を使っているとはとても思えない。
5分後、フロント係から返事が来た。
係 階下で確認しましたが、他の部屋もぬるい湯でした。
エンジニアに連絡して、早急に原因究明と問題の解決をします。
私 今夜は、無理ですか。
係 この時間ですと、まず無理です
明日の朝出来るだけ早く直したいと考えています。
翌朝、6時に目が覚め、蛇口を開くと、
昨夜のことが嘘のように正常な状態に戻っていた。
たぶん夜明けと共にエンジニアが来たのだろう。
朝食の準備に支障をきたすこともなく、
全てが通常どうり動いていた。
私が驚いたのは、ハイテクホテルでもこのような事故は起こり得る
ということだけではなく、
この事態になっても、泊り客の誰からも、
電話がかからないというこの現実だった。
今回のケースで、もし私がフロントに電話をかけず、
誰かがするだろうと放っておけば、ホテルがこの事態に気づくのが遅れる。
エンジニアの手配も遅れ、直るのも遅れるから、
何ーつよいことはない。
欧米の人たちは、夏の夜、あの時間帯ではまだ外で飲んだり、
食べていたりしていることが多く、
夜よりむしろ朝に風呂を使いがち。
夜に苦情を言わずとも翌朝に電話が殺到したはずだ。
もしあのままだったら、この問題でどの程度ホテルの評判を落としたかは
仮の話になってしまい、想像の範囲を超えないけど、
私が、億劫がらず、きちんとフロントへ事態を報告することで、
手遅れにならず、問題解決に導いたと自負している。
夕方、外出から部屋にもどって来ると、
テーブルの上にはオシャレなガラス皿に、
美味しそうななドライフルーツ盛り合わせと
マネジャーからのカードが添えられてあった
あなたの1本の電話が私たちのホテルの信用を下げずにすみました。
どうぞワインをおたのしみください。ありがとうございました。
確かに冷蔵庫にワインが程よく冷えていた。
有能なマネジャーやスタッフは、
てきぱきと上手に問題解決をし、ピリオドを打った。
こうして客は、リピート客になって行くのかも知れない。
February 12, 2008 10:23 PM | コメント (20) | トラックバック (0)
2008年02月11日
申し訳ございません店長:
エントリー「客、激怒「店長呼べよ~!」」からつづく。
前回の終わりに言ったように、
おじさんの怒りはそんなありきたりの言葉で治まるわけがなく、
謝って済むという問題ではなかった。
ラチが明かなくなって、おじさんはついに、
「買い物しているみなさん、
この店は広告しておいてこんな100円ごまかすようなことして
サギみたいな商売します! 気を付けてくださいよ!」
と、店内でアジ演説した。
あ~あ、言っちゃったのね、おじさん。
これじゃ、折角のいい苦情も最悪の結果となってしまった。
店の単なる「ミス」を「サギみたいな商売」と表現してしまったのは、
おじさんにとって、致命的にまずかった。
この表現さえなければ、私は、おじさんが話す流れを聞いて、
彼の指摘は、道理にかなっていたと思う。
(写真:本文とは無関係です)
スーパー側が、開店前に本日の広告セール品の在庫、値段、
陳列場所を確認しておけば、何も問題は起きなかった。
おじさんも、100円安く買い物をして、気分よく帰ったはずだ。
実にシンプルな話であり、
これをうるさい客だとか、100円ぐらいでとやかく言うクレーマー呼ばわりするのは、
根本的に間違っていると、思う
店長さんは、やはり立場上、反論は許されないと意識しているのか、
ひたすら頭を下げ続けていた。
思うに、おじさんは
「私はこうして気がついて、100円返してもらったけど、
気がつかずに、100円を損したままの100円損失者に
対しては、どーするのか」
と、言ってるわけだ。
つまり客の代弁者の役割を担った形。
おじさんは、もうすでに100円を返してもらって、
実質的な損害はなくなっているからだ。
ただおじさんも、スーパーの態度にムカついていて、
上手く説明できていない点はある。
店長さんも、
「他の100円損失者様には、このような対応を考えています」
と、誠意を尽くす代替安を示さないものだから、
話は、平行線のままで、店長さんをはじめ主任さんもパートさんも
頭を下げたままで内心、
「おじさん言うだけ言ったら、気が済んで帰るだろう」
と、少し楽観的に考えていたのかも知れない。
店内でおじさんが店を非難する声には、
さすがに今まで騒ぎの声だけは聞いていても、
特別見たり近づいたりしないで、
無関心を装っていた買い物客もおじさんの方を見た。
おじさんとしては、とりあえず買い物客に対して、
自衛を忠告することが自分の精一杯できることだと判断したのだろう。
私が店長なら、どうしただろう?
まずあやまっている間にも、客は次から次へ買い物をする訳だから
レジに向かい、訂正チェックをするように指示を出して、
「大丈夫か、確認してよ」
と、おじさんの苦情によって、
事態が改善の方向へ進行したことをアッピールするだろう。
以下からいくつかを事態改善提案として、おじさんに話してみるのはどうか。
1 謝罪
「申し訳ございません、今すぐ店頭入り口に張り紙をだします。
○○をお買い上げ頂いたお客様、当店のミスで100円余分にいただいております。
お心当たりのお客様はレシートか、商品空き袋、
あるいはポイントカードでお買い物の履歴を確認させていただいて、
ご返金させていただきます」云々
2 ポイントカードでお客様にご連絡してご返金します。
3 社員に、朝から今現在、何個売れたかを確認させて、
すぐに作業にかかる。
4 おじさんには、よく気がついて頂いたと感謝のお礼を言う。
「申し訳ない」という表現よりずっとおじさんは気分がよいはず。
5 最初、おかしな流れになったところで、別部屋に来てもらう。
そうすることで、少なくとも「店頭演説」は避けることができた。
6 お礼にポイントのサービスを提供すれば、
おじさんの気持ちも、少しは和らいだのではないか。
結論的に言えることだけど、
この店長は、何ーつ提案が出来ず、ただ頭を下げるだけだった。
おじさんだけに100円返し、ひたすら謝罪するのでは、
根本的な問題が解決されず、「解決された」ことがおじさんに認識されないまま、
強い不満が残ってしまった、と思う。
価格に割引を組み入れなかったミスはよくあることだから、
マニュアル化できるはず。
でもコストを考えれば、謝罪一辺倒の放置式が一般的か。
そのせいでどんな風に悪影響が生じるのかわからない。
ケースは違うけど、以前、チェコ・プラハのホテル滞在中に起きた
ボイラー故障事件について話してみよう。
(次回海外篇で完結)
February 11, 2008 10:05 PM | コメント (22) | トラックバック (0)
2008年02月10日
客、激怒「店長呼べよ~!」:
小雪が舞う寒い土曜日の午後3時半過ぎ、
私は、駅前のスーパー店内で、おじさん客が、
店の若い男性レジ係に対して、
一つの苦情を話しているシーンを目の当たりにした。
おじさんの言うことは正しいと思うけど、
店側はどんな対応を見せるのか。
「世界一小さい新聞」はこういうタイミングは外さない。
食品棚の脇から中継してみたい。
おじさんとパートおばさんやりとり:
おじさん 何だよ、その態度は、聞いてるのか!
だから先から何回も言ってるだろう。何、聞いてるんだよ。
パートさん 申し訳ございません。
おじさん 申し訳ございませんじゃ、しょうがないだろう。
パートさん ですから、お詫びを申しあげております。
本当に申し訳ございませんとしか・・・。
(トラブルの内容を簡単に説明しておこう。
客のおじさんは、60過ぎ、一人で買い物をし、
レジを終えると、もらったレシートで自分が買い物した商品と値段を
チェックした。
その中の一つが、本来なら広告セール値段であるにもかかわらず、
レジのポスシステムでは、通常の値段のままインプットされていたため、
その差額100円を買い物客に損をさせていると、おじさんは気づいた。
そこでレジの若い男性に「これ、間違いだろう」とクレームを言うと、
若い男性は「申し訳ございませんが、あちらのサービスカウンターで
ご返金させて戴きますので」と向こうを指した。
おじさんはサービスカウンターにいたパートおばさんに
同じことを再度説明した。
それに対してパートおばさんは「申し訳ございません」と言いながら、
「それでは差額100円ご返金させていただきます」と
通常の流れで、レシートと100円硬貨を差し出した。
おじさんは「100円返せばいいってもんじゃないだろう」と少しムッとし、
パートおばさんは「申し訳ございません」と言って、
自分の仕事を進め始めたのだった。
何か伝票を繰りながらの「ながら謝罪」におじさんは、
怒りをエスカレートさせた。
ここからが冒頭の会話になる)
すでにけっこうな「苦情サウンド」は店内に流れている。
それに驚いて、主任の男社員が現れた。
主任さん お客様、申し訳ございません。
私、主任の○○でございます。
私が、お承りいたしますので・・・。
(写真:本文に関係ありません)
おじさん あのね、私はね、いつもこのスーパー利用してるのよ。
駅前にあって、便利だからと思ってさ。
でもね、こういう詐欺みたいな商売はよくないだろう?
私が言ったら100円返すって、
言わなきゃ、100円そのまま損してんだよ。
そうだろ?
主任さん (うなずく)
おじさん 何も私は、100円で、言ってんじゃないよ。
(ふと自分の腕時計を見る)
今、もう午後3時半を過ぎているんだ。
今朝の開店からいったい何十人のお客さんが、
この商品を100円損して買ってるんだ。ということは、
「セール」って言っておきながら、なんだよ、これ。
詐欺のマネみたいなことするなよ、
あんたじゃ話にならないから、店長呼べよ。
主任さん ・・・
パートさん ・・・
おじさん 呼べと言ってるだろう。聞いてるのか!
呼んでこいよ。いるんだろう、さっさと呼べよ。
主任さん はい、ただいま。
(主任さんが、小走りに奥へ消える。
折り返し、店長を連れて主任さんが姿を現す。
おじさんの位置へ来るまでに、主任さんが小声で、
状況説明をしている)
店長さん ああー、それで100円はお返ししたのね。
主任さん はい。でも、お怒りがおさまりませんで。
店長さん よし、わかった。
(ここで店長さんが、大きく深呼吸するのが見えた)
店長さん お客様、毎度ご利用有難うございます。
私、店長の△△でございます。
このたびは、大変ご迷惑をおかけいたしまして、
申し訳ございませんでした。
今後このようなことのないようにいたしますので・・・。
と、深々と頭を下げた。
おじさんの怒りはそんなありきたりの言葉で治まるわけがなかった。
謝って済むという問題ではなかったからだ。
(次回、続く)
February 10, 2008 10:57 PM | コメント (8) | トラックバック (0)
2008年02月09日
霞ヶ関のムチ男:
● 今、株式市場では、日本株が売られている。外国投資家も日本の投資家も売っている。米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題をきっかけに、米景気が減速。それが一層明らかになり、勢いがあった中国株やインド株もおかしくなってきた。
● 昨日総理府から発表になった「景気ウオッチャー」調査、つまり景気に敏感なタクシー運転手や飲食店主らに聞く「街角景況感」は1月は前月より4.8ポイント落ちて、31.8ポイントとなった。これで10ヶ月連続下落で、水準から言えば、小泉内閣で不発した構造改革で国民が呻いていた02年暮のレベルだ。
● この「景況感」調査は1月末だったため、中国製冷凍ギョーザ中毒事件はまだ織り込まず、家計関連の飲食落ち込みはさらに拍車をかけるだろう。
● 今日、スーパーの冷凍食品売り場を見たが、全商品50%オフなのに、まさに閑古鳥が鳴いている状態。誰も冷凍食品を手に取らない。ついこの間までだったら、土曜日の50%オフなら、客は喜んで買ったものだ。たぶん、「街角景況感」は1月末の数字を割っているだろう。
● 不況だった02年から去年の夏まで、うなぎ上りに株価は押し上げられてきた。これにはネット証券で売買する個人投資家の力が大きく貢献していた。なぜ個人投資家がネット証券を利用するかというと、断然、売買手数料が安いからだ。今や約定代金の0.1%など当たり前になっている。
● 個人投資家もいろいろあり、中には、デイトレーダーと呼ばれる、一日で売買を終了させる日計り派や一週間ほどの短期での売買を狙う、ウイークトレーダーがいる。こうした短期派は、株の配当よりも値幅を稼ぐことを売買の目的にしている。この個人投資家のトレーダーを罵倒したのが、経済産業省の北畑隆生事務次官だ。
● 今年1月15日のことだ。経済産業省の外郭団体の「経済産業調査会」が主宰した講演会で、テーマ「会社は株主だけのものか? 企業外周防衛策・外為法制度改正・ガバナンス」の下、北畑さんが講演をし、次のような発言を残した。
「本当は競輪場や競馬場に行っていた人が、
パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主」
● 北畑さんは、この発言で、デイトレーダーの罵倒をするのつもりだった。さらに、米投資ファンドのスティール・パートナーを引き合いに出して、
「馬鹿で浮気で無責任なので、議決権を与える必要はない」
「経営者を脅す悪い株主だ」
と、批判した。
● 北畑さんは、会員向けセミナーなので、こういう講演内容は、外部に出るとは思っていなかった、と弁明をした上に、2時間以上もしゃべり続けたので、退屈する聴衆への配慮でリップサービスのつもりだったという。古い体質が露骨に残る官僚の一人であることは、このタンカ売的なバイアスのかかった発言でわかるが、エコノミストらは、
要するに、この人、経済オンチ、
金融オンチなだけじゃないですか。
と、まだこんな亡霊が霞ヶ関を徘徊しているかと、呆れている様子だが、実際、事務次官レベルがこの程度の考えをもって行政していると思うと、戸外で雪が降り続く今夜ではないが、寒気がしてくる思いだ。
● まず競輪欄や競馬欄が掲載されるスポーツ新聞のファンから言えば、ギャンブルを楽しむ人への無知と偏見が露骨な人だと思う。
● 仮に証券市場にすぐ来て、株で簡単に儲かるわけではない。市場でそれなりに戦えるまで、一応の知識を身に付け、トレーニングしなければならないし、また、資金を減らすことで、大変な浮沈の目に会っているはず。
● たぶん北畑さんが言う「堕落した株主」は、たとえば、デイトレーダーは一日以内に売買を繰り返し、本来的な株主と比較して、会社に貢献していない、値ざやのかすりとりばかりしているというイメージがあったのか。しかし、それはデイトレーダーの外ヅラばかりにこだわる意見であり、彼らの一日ごとに精算するトレードスタイルは、まず証券会社、とりわけネット証券に多大な手数料ビジネスの経済的効果をもたらす。証券会社はこれを大きな収益として、さまざまな経済活動を行える。
● またデイトレーダーは、株価が急落時に株価の値頃感で買いを入れてくれ、そのまま一気に暴落するような乱高下を防ぐ働きをする。乱高下するところに、デイトレーダーが集まるわけだ。つまり、短期派には、株価を安定させる機能がある。これを忘れてはいけない。
● 1987年のブラックマンデー当時はまだ今日のように、ネット証券を通して個人投資家は売買していなかったが、当時、日本発であの大暴落を食い止めたのは、暴落の翌日に果敢に買い向かった日本の個人投資家であったことをどうやら北畑事務官は知らなかったようだ。
● 一昨年1月にホリエモンらが逮捕されたライブドア事件で株式市場は水を差されたが、あの月には株の売買額の41%が個人投資家が占めていたほどだ。こうした株上昇に貢献してきた個人投資家に対して「最も堕落した株主」と激しく非難するのは、的外れもいいところだ。
● さらに北畑さんは、よほどスティール・パートナーの存在が気に食わないらしく、07年2月には、「グリーンメーラー」呼ばわりした。「グリーンメーラー」とは株式を買い集めて高値で会社に買い取らせることをするグループのことだけど、どうせなら、昔産業省お友達の村上ファンド・村上世彰さんを罵倒してはどうか(記事「村上不安度」参照)。
● 北畑さんは、今年6月に退官予定で、その後は「スペインで余生を送りたい」そうだ。
外国暮らしで日本への経済効果をほとんどもたらさない彼よりも、ギャンブルから来たと彼が非難するデイトレーダーたちの方が、証券会社に日々手数料を支払い、余程経済効果を生んでいるではないか。
・・・・・・・
(コメンテーターの「蒼」さんへ)
あなたには十分過ぎる対応をしてきました。これ以上は他の多くの読者の皆様に対して不均衡を生じさせますので、お答えする気持ちはありません。
February 9, 2008 11:34 PM | コメント (11) | トラックバック (0)
2008年02月07日
餃子迷惑だっつーの!:
■ 最初は「農薬入り中国製冷凍ギョーザ」事件ではなかったか。それがいつしか、「農薬入り」「中国製」「冷凍」「ギョーザ」の四つに分解されて、それぞれが迫力ある爆弾テーマとなって、どんどん社会に波紋を広げてしまった。終いには、毒入りギョーザ、殺人ギョーザ、テロギョーザなどと見出しが躍り、何だか部数低迷の週刊誌に売上お助けの役目を果たすギョーザのようだ。
■ 第一の「農薬入り」は、誰がいつ、どこで、どんな風に農薬を冷凍食品に入れたのか、が問題だった。関連企業による調査と日中捜査当局の捜査に関するニュースが連日報道されている。中国の不満分子の仕業、中国メーカーを妬んだ者の仕業、反日中国人の陰謀説など無責任に語られている。

■ JTも同一日製造の製品27,060袋を回収しているが、2月6日現在わずか162袋、回収率0.6%となっている。残りのギョーザはどこへ行ったのか。消費者のホームフィリージングか。そのうち「あの中国製冷凍ギョーザ、激レアもの」としてヤフーオークションに出品してくるのだろうか。それだけは絶対に止めてもらいたい(写真:迷惑しているギョーザ)
■ 第二の「中国製」は「中国である」ということだけで、波紋を広げている。たとえば、「北京五輪の旅行客」が減るのではないか、という懸念がすでに旅行業界に出始めた。まだ日本人の記憶から消えていない段ボール肉まん事件や、アメリカなどから届く中国製ペットフードの安全性問題、さらに中国都市部のひどい環境汚染・破壊の実態を伝えるニュースが、中国への旅行を控えさせているのに、さらに今回の毒入り事件が重なって、ダブルパンチだ。問題のある国へ行くのは、誰しも消極的になるものだ。
■ 週刊誌やテレビは、中国がいかに衛生観念に欠如しているかを取材して、日本人の中国製食品への不安を煽っている。だから「中国製」の冷凍食品は、目に見えて売上が落ちた。都市部のスーパーでは中国製冷凍食品だけでなく、「冷凍」された別食品そのものの売上がここのところ、30~40%落ち込んでいるスーパーもある。もはや「冷凍ハラスメント」(冷ハラ)されているとしか言いようがない状態だ。
■ いったんイメージが悪くなると、もう顔も見たくないほど嫌うのは、一種の「集団ヒステリー」と言えるだろう。1996年夏に起きた「カイワレ」事件を思い出したい。大阪府堺市で学校給食でO-157汚染による食中毒が起き、野菜のカイワレダイコンが感染源とされた途端、風評がひろがり関係業者が壊滅的な打撃を受けて、倒産・破産、さらにカイワレ農家から自殺者まで出るほど、日本中にカイワレ恐怖症が広がってしまった。今回の事件は国際問題に発展しつつあるから、それ以上の事件であり、まだ解決の方向が見えていない。
■ 冷凍食品の買い控えは、メーカーの業績を直撃し、主要な関連銘柄は軒並み株価を下落させた。さらに、ジェイティフーズの親会社JTの株が、今回の事件がニュースで取り上げられる直前に、大きな商いをともなって大きく下落したものだから、インサイダー取引があったかどうかを疑われ、調査が入ってしまった。
■ 第四の「ギョーザ」は、関連企業にとっては悲惨だ。「品格あるギョーザ」も「下流ギョーザ」もミソクソ一緒、スーパーでは、売り残りが続出、30%の値引きぐらいでは、客は手も触れない状態だ。その代わりに、「ギョーザは家庭で作ろう!」になり、ギョーザ手作り器が飛ぶように売れているそうだ。ギョーザの材料も国産でないと、消費者に受け入れてもらえないようで、他の食材の分野でも、国産食材への回帰が起こっているそうだ。ギョーザをホームメイドにする――これで、今の日本家庭にはびこる「ミーイズム」を解消できるだろうか。
■ 農薬入りですっかりイメージが落ちた「ギョーザ」で困り果てているのは、栃木県宇都宮市だ。ここは、「ギョーザの都」と自他ともに認めるだけあって、町はギョーザ店で溢れている。今回の事件をきっかけに、「宇都宮餃子会」が加盟79店舗に中国産の食材や加工品を使用しているかどうかについて緊急アンケートをとったが、その使用は認められていない、とホームページで報告していた。よくスーパーで試食販売をしていたあのギョーザおじさん、最近見かけないけど、やはり売り控えだろうか。
■ ところで、意外なところでの影響が心配される。お父さん御用達の「ギョーザ靴」の売れ行きはどうなん? 誰か教えてよ。
February 7, 2008 10:26 PM | コメント (24) | トラックバック (0)
2008年02月06日
一枚の写真から「お一人様」の老後:
「「お一人様」には訳がある」から続く。
――どんな風に聞かれたのですか。
三恵さん 「叔父さんが心配してくれて、会いたいと言ってるけど、
予定聞かせてね」と言うと、
彼は「もう少し時間くれないか」と返事をしました。
私は「ああー、仕事が忙しいのに自分のことばかり考えてごめんなさい。
結婚なんて、女の方から催促がましく言うものじゃないわ」
と、反省してしまいました。
私はそれでも良かったけど、
やっぱり叔父さんは、私が考える以上に大人でした
私に、内緒で彼のことを調べていたのです。
――彼のことを叔父さんは内緒で調べておられたんですか。
三恵さん はい。ある日、叔父は「これを見なさい」って、
封筒に入った報告書や写真を私に見せてくれました。
「三恵を悲しませるためにしたのではない。
幸せになって欲しいからだ。もちろん叔父としての責任もある。
何も知らずに、結婚させるわけにはゆかないだろう」と。
――そうおっしゃった?
三恵さん 「よくこの時点で食い止められたよ、
こんな話、誰にも言うな、とにかく忘れなさい」と。
叔父は怒り心頭でした。
――どんな写真だったか、聞いていいですか。
三恵さん 信じるも信じないも、写真は怖いですね。
ごまかせないんですよ。
彼と未亡人が腕をくんで歩いている写真でした。
――えっ!?
三恵さん 5枚ほどいろいろな角度から撮ってありました。
もう私、錯乱しそうでしたね。
叔父さんに、一杯気持ちをぶつけて、
「どうして余計なことしたのよ」
「彼のこと、何か気に入らなかったの?」
「私、何も知らずに、それでも幸せだったのよ」
そんな風にも言いました。
――それにしても、叔父さん、ピンと来たのでしょうか。
三恵さん 叔父は会いたいというのに、
彼が「もう少し時間を」と答えたことが、
何かひっかかったようです。
――三恵さんご自身は「知らないことが幸せ」だと思われたんですか。
三恵さん 落ち着いて良く考えると、彼が悪いのであって、
叔父は何も悪くない・・・当たり前のことですよね。
ただ彼の恥がまるで私自身の恥のような気がしていましたから。
――叔父さんにしてみれば、自分の兄の子を心配する気持ちがあったでしょうね。
で、彼に会われたんですか。
三恵さん ええ、会いました。
だって、やはり否定して欲しい気持ちがありましたから。
私は、出来るだけ平静さを失わず、彼に話して、
説明を聞きたかったのですが、
そんなことはまったく無理なことでした。
「あなたには私以外に好きな人っていうか、
恋人なんかいないわよね、いないわよね」と言って、
黙っている彼に、あの写真を突きつけました。
彼は窓のカーテンを開け、遠くを見たまま、
「恋人じゃないよ、もちろん結婚なんてありえない、
まあ、強いて言うなら、アルバイトだな。
ここの家賃タダにしてくれているから」と、
とんでもない答えが返ってきました。
大家さんとはいつもご挨拶していたのに・・・。
――つまり、彼は・・・。
三恵さん 「僕は君と結婚するのに、お金を貯めたかったし、
楽しいデートもしたい。指輪も欲しいだろう、だからアルバイト」
それだけのことだった、と言うのです。
「結婚したら、ここから出て行くし、
君が知らなければ何も問題はなかったけど、
今はもう知ってしまった」
これを裏切りといってよいのか、私のために、
二人の結婚のためとその言葉が本当なのか、
そんなことがぐるぐる頭の中で回りはじめて、
とても胸が苦しくなりました。
でも、彼は私を引き止めようとはしませんでした。
――引き止めてくれていたら?
三恵さん そしたら、もっとつらいことが待っていたかもわからないし、
何もかも忘れてすんなりと結婚はできなかったと思いますね。
まだ浮気とか、その人を好きになったとか言ってくれた方が
踏ん切りがついたのに、
二人の結婚のためだなんて、どうにも逃げられない理由を
持ち出されたことが耐えられない、許せなかったんです。
――それ以来ですか。
三恵さん ええ、それ以来、私、「お一人様」でずっとなんですけど、
60歳をとうに越えてしまいました。
あ、ちょっと、山の写真見てくださいますか。
――はい、喜んで。
三恵さん きれいでしょう? 当時の写真ですけど・・・。
私にとって、これが宝物で、寂しくなるといつも眺めています。
あの頃とは、随分景色も変わったのでしょうね。
当時は今とは時代がちがい、当然生き方も結婚観もちがう。
世の中のカップルの意識にもちがいがあって、
結婚相手の不誠実な行為にショックを受けて、
そのまま「お一人様」を生きるのでは淋しすぎるという意見も当然あるだろう。
彼女の心の傷がどれだけ深いのか、新しい結婚相手へ向かわせないほどに
どんな風に、傷ついているのかは到底測り知れないけど、
彼の責任、淋しい人生を送らせた責任はとても重いと思う。
February 6, 2008 11:21 PM | コメント (11) | トラックバック (0)
2008年02月05日
パウエルの3ヶ月ホリデー:
問題が起きた時、何を基準に解決すべきか。
これは非常に大事なポイントだ。
出される結論に大きく影響を及ぼすから。
今回のパウエルの「二重契約問題」について、
私はパリーグ連盟がどんな基準で臨んでくるか、
とても興味があったし、期待もしていた。
昨夕、パ連盟の小池会長が発表したのは、
・ソフトバンクの契約を優先
・パウエル投手には3ヶ月の出場停止
小池会長は、会見で次のように語った。
「みんながいい答えはない。三方一両損というかね。
苦渋の見解を示した。ある意味では政治的解決」
(日刊スポーツより)
パ連盟の判断には、強制力がなく、最終決着でもないが、
実際、オリックス側もソフトバンク側も不満を感じたままだ。
パ連盟が判断した主な根拠は、
・パウエルのソフトバンクへ行きたい意思を尊重
・混乱したことへのペナルティとして
パウエル投手に3ヶ月の出場停止
の二つであった。
ところで、今回の問題の根本は何だったのか。
報じられるように、これはパウエル側の「二重契約」だ。
だから、法律的にパウエルが二重契約をしたかどうか、を検討するのが最初の仕事だ。
「みんながいい答え」は何の関係もない。
パウエルが不法なことをしたかどうか、を判断すればいいのに、
問題を起こした、それゆえに混乱させたペナルティを課された
パウエル自身の意思を今更ながら確認するのは、まったく的外れで、おかしい。
いったん契約書で意思表示したら、れっきとした当事者の意思ではないか。
もしそれを解除して、新たな契約書に意思表示した場合、
先の契約相手と解除を合意して、いくらかの違約金などを支払うべきだ。
問題が生じない、きれいな元の形にしてから、
パウエルは次の契約に臨むべきだった。
「二重契約」でありながら、契約がともに有効というのも、
聞いたことがないぐらい、それ自体、おかしなことだ。
それでも百歩譲って、ともに有効にしたいのならば、
最初の契約が優先されるべきではないか。
こうした「二重契約」についてパ連盟は言及せず、
小池会長がいう「政治的解決」をしようと考えるのは、
大きな間違いだと、私は思う。
野球はルールで動くスポーツだ。
ファウルかヒットかを判断する時に、
政治的判断で決める審判はいないだろう。
「二重契約」をルールで判断してもらいたいと考えるのが当たり前だ。
契約を優先すると言われたソフトバンクさえも、
パ連盟の判断に異議を持っている。
二重契約ではないというお墨付きをもらいたかったのだ。
しかし、私は、パウエル投手がオリックスと契約していないかどうかを
ソフトバンクがパウエル投手やその代理人に確認するより、
まずオリックスに確認すべきであったと思う。
ソフトバンクのケータイ電話で連絡すれば済んだのに、
それを怠ったことが非常に残念だ。
もう一つ、パ連盟がパウエルに課した3ヶ月出場停止は、
アメリカ人には、小池会長らが考えているようなペナルティになっていない。
そんなことで殊勝なポーズをとるのは日本人ぐらいのもので、
3ヶ月ホリデー気分でいるに違いない。
「二重契約」だってヘッチャラな人だもの、会長の気持ちなど知る由もない。
パウエル投手に期待し過ぎだろう。
パウエルなどノシをつけてソフトバンクにくれてやれ。
この問題が起きた最初から、私は一貫してこの主張をし続けている。
なお、小池会長の「三方一両損というかね」という言葉は正確ではない。
次のように言うべきだった。
「三方一両損代理人の一人勝ち」というかね。
・・・・・・・
☆「武藤博臣くんの快復を祈る」(07年11月26日付)の武藤くんが、
元気な姿を日刊スポーツオート3賞の表彰式会場で見せてくれました。
February 5, 2008 09:28 PM | コメント (41) | トラックバック (0)
2008年02月04日
「お一人様」には訳がある:
三恵さんという女性にお会いした。
細かいことを書いてしまうと、特定されるので、控えるけど、
ここ数年よく耳にするようになった「お一人様」のひとり。
小さな商社で長く務め、現在は年金暮らしである。
――「お一人様」って言葉、なんだかなーって感じませんか。
三恵さん 私も最初「何のことかしら」全然意味がわからなくて・・・。
でも、お友達に聞くと、ああーあれはね「あなたのことよ」って教えられて、
なるほど上手いネーミングだと思いました。
で、堂々と言えそうな気もするけど、
でもやっぱり寂しさは軽くなりませんよね。
――ボクはちょっとその感覚わからないけど。
三恵さん だって、私、主義主張があったり、
特別な仕事を持つわけでもなくて。
本当なら今頃、「お一人様」にならなくて、
「お三人様」とかよばれていたのなかなーって考えてます。
――「一人」の生き方を決めた時期というのがあるのですか。
三恵さん うーん、そりゃ結局、自分で決めたのですが、
こう決めるしかなかったみたいなー、
おわかり頂けないですよね、こんなややこしい説明じゃ・・・。
――なんとなくわかりますけど。
三恵さん あの頃、私、毎日毎日本当に楽しく、幸せに生きていました。
恋人がいて、もちろん、良い人でしたのよ。
うーん、がっちりしたスポーツマンタイプ、銀行にお勤めで、
ご家族も仲良く・・・。
――なるほど、いい相手ですね。
三恵さん ええ。私なんか、ちょっと背伸びした気持ちがいつもあったので、
一生懸命に努力しなくちゃいけないなあと、思っていました。
――ご両親は?
三恵さん 私は父親が早くに病死していましたので、
叔父が・・・父の弟ですけど、何かと心配したり、
気を遣って相談にものってくれて、
三恵の名前は、三回幸せに恵まれるようにって、
亡父が考えてくれたそうです。
――三回って・・・。
三恵さん 生まれた時、結婚する時、そして、人生を静かに終える時です。
・・・叔母も、私をとても可愛がってくれて、
よく従姉妹たちと映画を見に出かけたり買い物に行ったりしました。
もちろん、彼のことも紹介して、自慢して、
ステキな人が親戚になるのね、そのうち時期がくれば結婚すると、
誰しも喜んでくれていました。
――デートはどんなとこへ?
三恵さん 当時は山登りがトレンドみたいな時代で、
そもそも私たちが知り合ったのも山でした。

――山では、その方はどんな風でしたか。
三恵さん 彼はとてもたくましくみえました。
重いリュックを担いで黙々とー歩ずつ頂上めざして、
登るんですけど、時々振り返り、「大丈夫か」と聞いてくれるの。
登山靴がきつくて、痛かった時は、私のリュックも持ってくれました。
私には未知の景色がまっている、
きっと彼が私に見せてくれるのは素晴らし
