2007年09月15日
福田氏、日本男子柔道になるのか
毎日読者の皆様から寄せられるコメントを読むのは楽しい時間。
それぞれのコメントは私を刺激してくれている上に、
書くぞ~という気持ちを支えてくれるからだ。
今朝、次のような投稿をいただいた。
日本のお家芸の柔道での結果、大相撲の現状、
安倍総理の無責任辞任はすべて関係あると見るが如何。
投稿者 空手バカ: 2007年09月15日 09:17
リオデジャネイロで開かれている柔道の世界選手権の前半を終え、
男子はメダルゼロで無残な状態のままだ。
大相撲は、朝青龍事件に振り回されているだけでなく、
日本人力士は外国人力士に劣勢となって惨め。
安倍さんの無責任な辞任もまた無残な形を見せた。
空手バカさんが書いておられるように、
もし「関係ある」としたら、
一体、どんな共通項が考えられるのだろうか。
今日のトピックにつなげてみた。
私は、去年の10月に次の3本の記事を書いた。
(1)「封印された安倍さんの史観」
(2)「女子レスは武道勝ち」
(3)「日本柔道凋落の原因は」
(1)の記事では、
(安倍さんの)二日間の答弁に接する限り、
・・・救命ブイが投げられる日も近いかも知れない・・・
と悲観的にならざるを得ないなあ。
と、ネガティブな感想で記事を終えた。
実際、その予想通り、安倍内閣は挫折した。
(2)の記事では、最強のなでしこレスリングを取り上げ、
その強さのヒケツを「武道」から考えてみた。
使ったテキストは、武道家南郷継正氏の「武道の理論」だった。
(3)の記事では、日本柔道をメダルから遠ざけた
指導者の最大の欠点を、
「技を創る」ことをあまりにも安易に考えすぎていること
を上げた。
南郷氏は、QPX理論、つまり、
Q=技を憶える段階
P=憶えた技を使用に耐えうるように仕上げる段階
X=使用に耐えうる技を使う段階
上記の三つの段階を正しく経ることによって、
技を使える主体が完成すると主張されていた。
今回の世界選手権の男子柔道の無残さは、
南郷氏の理論の正しさをまた証明してしまったと思う。
平たく言えば、
技を身につけていることと、その技を使うことが同一だ、
と思っていること自体が、間違っているのだ。
せっかちさが、ものごとの完成を妨げる。
基礎もなく行う乱取りが多すぎて、姿勢や素質がつぶれる。
そんな風に武道の達人は言う。
相撲はどうか。
QPX理論を使って考えてみると、はっきりする。
この理論の真髄は、私が換言してみると、
体(脳みそも含め)をQPXの過程で、
超人的にしていくこと
だと思う。人間技では限界を超えられない。
技は人間的なレベルで備わったのではなく、
人間が「進化の歴史」の中で、作り上げてきたもの。
典型は、戦前の双葉山だろう。
柔道、剣道、相撲道も、技を身につけて「超人」になるということだから、
やたら体を大きくして相手に対抗しようとする愚が
わかろうと言うものだ。
小兵(こひょう)の力士が自分の倍を超える体重の怪物力士を
投げ飛ばすことも、それゆえに可能になる。
かつて豪勇・徳三宝七段が、三船久蔵十段に
なんと三千数百回、稽古をつけてもらったが、
ただの一度も小兵三船久蔵を畳に投げることもできなかった。
これは徳三宝自身の稽古帳に記載されていると言う。
世界選手権では「人間」から「超人」になって技を使う者が
頂点に立てると言ってよいのだろう。
谷が連勝している間は彼女は「超人」であったはずだ。
相撲でもかつて無敵を誇った力士は皆、「超人」であった。
技を身に着ける過程で、超人になったものだけが、
最高峰に立つことが約束されているとも言える。
首相として安倍氏が必要とされた能力を「技」だとみなしてみれば、
この「技」を身につける過程で、おそらく
彼には失敗があったことは明らかだろう。
昨日、今日の新聞報道を見ていると、
福田首相の線が色濃くなってきているようなので、
明日のトピックでは、
福田康夫氏(71)が安倍前首相から代わって、国民から見て頼りがいがあるのか、
首相力(しゅしょうりき)
はどうなのかを考えてみたい。
(写真:日刊スポーツ紙面)
September 15, 2007 10:10 PM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/12493
コメント
かつての日本スキージャンプ陣は超人ぞろいでしたね。
そのせいで本場である欧州の選手がまったく勝てないので
ルール改正という日本人に不利になる措置で対抗しました
結果日本人はほとんど勝てなくなっていたりします。
F1のMシューマッハが皇帝として君臨していたころ、どんどんシューマッハを
勝たせないためにルール改正していきました。
ところがフェラーリなどのトップチームはルール改正して勝てなくなるはずのところを
お金を無尽蔵につぎ込んで技術開発することで勝ち続けたりしましたね。
今回の日本の柔道ですが、最近の欧州ルール(掛け逃げや死に体での技の有効性)
を取り入れられたことでそれについていけていない日本選手というのも
全てとは言いませんが影響があると思います
日本人選手は技の綺麗さなや一本を取る技術は世界一だが、それが
ストレートに勝つということに繫がる指導や訓練の仕方がフランスなどと違うようにも思います
いろいろなスポーツでのルール改正で日本選手は対応が遅れることが多々あるのも
協会などの組織がしっかり機能していないということもあるきがします
・・・・・・・
ベビー日刊のコメント
御愛読ありがとうございます。
>ルール改正
日本のプレゼンスを高くして、ルール改正の時に意見を主張しきれず、
結局ルールに問題があるといういつもの「弱音パターン」だと思います。。
国連でも金は出すけど、プレゼンスが低いのと同じでしょう。
2007-9-16 11:00
投稿者 humu : 2007年09月15日 22:40
古森さんのブログに山下氏が理事選挙で落選した背景が説明されています。興味深いのでお暇なときにお読みください。
柔道の山下泰裕氏が国際柔道連盟理事落選の背景を説明したーー山下氏の書簡から
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/300617/
投稿者 弥生の舞 : 2007年09月16日 01:28
いやいや、舛添さんも社主さまのおっしゃる通り、安倍さんの誘いに乗って泥舟に乗ってしまった、、、
こりゃあ社主さまが福田さんダメと言ったらポシャるしうまく行くと言ったら日本は安泰!
このブログ目が離せませんね!
投稿者 夫名無しですが : 2007年09月16日 01:41
朝青龍は多分あと2、3年はやめないだろう、日本で稼ぐお金はモンゴルの10倍価値がある。総理大臣は小泉、安倍、福田全て生まれつきの金持ち違うのは小泉は賢い参謀と子分がいた、安倍はいなかった、福田はどうか参謀はいそうだが貧乏な子分ばかりだと安倍の二の舞しかし悪代官まるだしの麻生よりは国民受けする。小沢よりは国民受けする。自民党の選択は今のところ間違ってない。
・・・・・・・
ベビー日刊のコメント
ご愛読ありがとうございます。
>悪代官まるだしの麻生
そうかな~?
ー見善代官に見えそうだけど、
実は悪代官がいるのでは(笑)。
2007-9-16 11:00
投稿者 kobe : 2007年09月16日 10:47
今世界で行われているのは「JUDO」であり「柔道」ではない。
これだけ世界に普及しグローバル化が進めば、日本の「柔道は武道だ」の概念は世界には通用しない。
これがわからない頭の固い日本柔道界上層部が指導しているのだから、今回の世界選手権惨敗は当然の結果である。
投稿者 やっちゃん : 2007年09月16日 11:01
柔道は武道ですよ。別に世界に習う必要はありませんよ。
世界における対外試合はそのルールに則ってこなせば良いだけで、本来の武道のありかたまで変える必要はありません。
JUDOはJUDOで一人歩きさせれば良いじゃないですか。
JUDOで勝てなくても柔道が成立していれば問題ないわけで、本質を変化させることには賛同しかねます。
それは、武道の本質は日本人の情操における教育のベースになっている価値観だからです。
武道がすべてではありませんが、武道は多くの日本的価値観のベースのひとつになっています。
自国の価値観のベースになる事象を世界がこうだからと言って変える必要はありません。
武道はただの競技ではありません。文武両方あわさった精神性こそ価値があるのです。
投稿者 ちょっとだけ2ちゃねらー : 2007年09月16日 13:29
「一体、どんな共通項が考えられるのだろうか。」
少なくとも共通の原因ははっきりしています。
これは戦後(特にこの30年間の)日本の基本教育の失敗です。
投稿者 空手バカ : 2007年09月16日 14:01
空手バカ さま
その基本教育の失敗を何とか立て直そうとしていたのが、安倍首相だったのですが・・・残念でなりません。
社主は過去記事「封印された安倍さんの史観」では、
>その人の史観というのは、その人のIDだと思っている
と書いておられる。
まったくその通りだと思う。
そして安倍さんの総理就任前からの言動や行動に共感を覚え、私は一貫して支持してきた。
若さや誠実なイメージで支持された部分もあっただろうが、
私と同様、その史観に共鳴し支持してきた方もかなり居たはず。
たとえ、靖国参拝が叶わずとも、河野談話を継承すると言わされても、
彼は「臥薪嘗胆」の思いで堪えているのだと・・・
兎にも角にも、安倍さんは辞めてしまった。
何があったのかはまだ分からない。
ただ安倍さんの史観は大手マスコミの史観に沿うものではないことだけは明らか。
売売新聞のナベツナさん辺りの喜んでいる顔が目に浮かぶ。
大手マスコミは総理に求める条件として、ノンポリであることを課しているように思えてならない。
小泉さんしかり、森さんしかり・・・今度の福田さんだってそうだ。
社主の次回記事、福田さんの首相力を楽しみにしている。
投稿者 tkbanker : 2007年09月16日 16:57
ちょっと金メダルが取れないと、練習方法が悪いだの戦後教育が悪いだの、いろいろと皆さん理由を考えるのに忙しいようですね。
ですが、2004年のアテネオリンピックでは男女で過去最高の8階級の金メダルと2階級の銀メダルを取っています。さかのぼること1988年のソウルオリンピックで金メダルはは最終日の斉藤選手の1個だけでした。それでも、戦後教育に問題があると思いますか?ソウル、アテネ、今回の世界柔道で練習法が大きく変わった?
まさゆきさんは、女子レスリングの強さを武道の理論とかで解説していましたが、早晩その優位性も崩れるでしょう。それは、武道理論が実践されなくなるからではなく、オリンピックに採用されるようになって競技人口および各国の取り組みに変化が出るからです。現在、女子レスリングで活躍している選手はほとんどが元日本代表クラスの両親を持った人たちで、姉妹で日本代表というのも珍しくありません(もちろん、本人たちに責任はありません)。これは、競技人口が非常に少ないことに起因しています。一般に競技人口が増えると、2世の活躍が難しくなります。もちろん、遺伝的な要因で2世選手がある程度活躍することもありますが、非常にまれです。野球やサッカーを見てみると分かるでしょう。どの程度2世が活躍しているかで、その分野の人口、オープン度がある程度はかれます。ですから明らかに適性がない人でも総理大臣になれるわけです。政治の世界では。
柔道に関しては、競技人口ではフランスが日本の1.5倍程度で欧州各国ではかなり盛んなようなので、その中で日本はがんばっているのではないでしょうか?確かに、国際試合の審判の技量には私も疑問を持ちますが。
投稿者 フー : 2007年09月16日 18:26
> 少なくとも共通の原因ははっきりしています。
> これは戦後(特にこの30年間の)日本の基本教育の失敗です。
何かを主張したいなら、ちゃんとその理由を説明しないと...
投稿者 酉 : 2007年09月16日 20:14
自民党の中では安部総理とおそらく対極に位置するだろう福田を自民党議員のほぼ全員が推す。この節度のなさというか、見識のなさはどうでしょう。
安部総理実現で浮かれていたのはたった1年前です。勝ち馬に乗りたい一心がこう見え見えになると、自民党は一度下野する必要があると痛切に感じます。イエ、民主党が良いとは口が裂けてもいえません。小沢のこれまでの変節もすごいですから。総理になったら、地が出て、安部より右に変心するかもしれません。
投稿者 こまった : 2007年09月16日 21:26
首相は大統領ではありませんから、政治屋さん達を束ねるのが第一の仕事です。
今度の内閣は基本的に次の選挙までの暫定内閣ですから、特にそうなりますよね。
悪代官顔と言えば民主党代表でしょう。
選挙中は理由をつけて入院でもしてもらうのが、民主党にとっては最善です。
投稿者 山奥 : 2007年09月17日 00:01
1から10まで言ってもらわないと分からない人がいるようだから小生の意見を開陳する。
明治時代には新渡戸 稲造が書いたように武士道がまだあった。
また儒教の五常(仁、義、礼、智、信)という徳性を拡充し、五倫(父子、君臣、夫婦、長幼、朋友)関係を維持することが教えられていた。
この時代には日本人としての品格や誇りというものを持っていたと思う。
しかし戦後は教育勅語を進駐軍に廃止させられ教育の中心軸を失くした。また宗教の代わりであった天皇も「人間天皇」となり国民の中心も抜けてしまった。その上正しい歴史観が教えられていないことは我々戦後教育を受けた者は経験している。
この30年間自己責任を問わない自由という個人主義がはびこってきている。それはアメリカからもらった自衛権を否定した現憲法を真剣に見直そうともしない事実を見てもわかる。
また拝金主義はよいものだと若者だけでなく一般市民からも受け止められているように見える。これも自分だけがよければ他者はどうなっても好いという基本的な考え方を多数の国民が共有しているからだろう。
この考え方や生活態度が柔道や大相撲で武道的な振る舞いを失くし、苦しい基本稽古を疎かにする原因ではないか。
政治世界でもアメリカの属国まがいの態度や発言をしても国民は怒らない。それでは原爆を容認し自分の政治生命や懐だけを心配する政治家がはびこるのは「しようがない」だろう。
これは国家の品格を失くし、アメリカの属国であることに満足している日本国の教育の賜物でなければどのように説明できるのか。
投稿者 空手バカ : 2007年09月17日 06:09
100+級で優勝した仏のリネール君、18才だそうですが、僕は好感を持ちました。人間性と知性も兼ね備えている若者のようです。講道館でも日本政府でも何でもいいが、是非、リネール君を日本に招待して、彼に日本が誇れる伝統を体得して貰いたいと思います。下のリンクはリネール君:
http://www.youtube.com/watch?v=wCDuW4unnUY
次のは、アントン・ヘーシンク氏、有名な場面は、3:21に在ります:
http://www.youtube.com/watch?v=BtyWMKs7dp0
空手バカ師範、
大事な問題提起をなさいましたので、僕は愚見を書いてみようと思いますが、余りに突拍子もない事を言うのも拙いので、熟考してから、また後で開陳致します。
投稿者 綾木誠之進 : 2007年09月17日 11:58
もう一本、ヘーシンク氏登場のクリップが在りました。オランダの銀行のコマーシャルの様ですが、道場風景が出て来て、ヘーシンク氏が子供達と稽古しています。コマーシャルとは言え、子供達の眼差し、特に、ヘーシンク氏と礼を交わして組み合う少年の両眼には、武士道の理想が現れていると思います:
http://www.youtube.com/watch?v=dahyKyEnL6o&mode=related&search=
投稿者 綾木誠之進 : 2007年09月17日 12:46
>1から10まで言ってもらわないと分からない人がいるようだから小生の意見を開陳する。
言ってもらわないと分からない人間なので感謝します。
自分の認識では、天下統一の後、太平の世の中で侍達の牙を抜くために、
徳川幕府が押し付けた方便が”儒教”だと思っていました。(下克上なんかされたら困るからね)
不勉強で申し訳ありませんが、”儒教”を信奉していた戦国大名っていましたっけ?
投稿者 : 2007年09月17日 19:50
フーさん、
今回も冷静に、統計的な事情も考慮されながら、分別を以てコメントされている点については、僕も尤もだと考えます。しかし、今回のテーマは、どうしても精神論的なものに引っ掛かってきます。何故なら、国家や武道の話は、理念抜きでは語れないからです。確かに、精神論に拘泥した挙句、戦に敗れ国民を不幸に陥れた失敗を忘れてはなりませんが、何らかの精神は、国の存亡に不可欠と言っていいでしょう。例えば、1940年5月のウィンストン・チャーチル。あの時、イギリスのエスタブリッシュメントはヒットラーとの妥協をもはや時間の問題と見ていたそうです。統計的分析力に長けたホワイトホールの官僚や英軍上層部、更には、その分別有る識見で首相就任を期待されていたハリファックスまでもが、既にその結論を出していたそうです。ロンドンに、パリのヴィシー政権の如きものが出来る寸前だったそうです。しかし、ウィンストン・チャーチルは違いました。なるほど、チャーチルはハリファックスの様な分別有る人物とは目されていませんでしたが、彼には勇気が有った、それに加えて、何かロマンティックで傍目には滑稽にさえ映る、英国の在るべき姿を抱いていた。チャーチルにとって、イギリス国家がヒットラーに屈して妥協するなど、絶対に許されない事だった。国家存亡の危機が、今後日本に無いとは言えない。それに備えて、精神論を顧慮しておくのは価値あることでしょう。チャーチルの勇気と彼が抱いていた英国家の理念だって、精神論の領域に在るものと言えるでしょう。
柔道は、維新後、武士が刀を棄てる時代になって、灘の町家に生まれた嘉納治五郎が創ったものです。勿論、護身と言うテクニカルな目的も有ったでしょうが、護身ならば他にもっと効率的な手段が幾つも有りますから、嘉納治五郎にとって、これは目的としては二の次程度の事だったでしょう。多分、嘉納治五郎は、近代化する日本に在っても、日本男児の気概を養い、又それを善導する必要を視ていたのでしょう。この気概とは、プラトンが”国家”で云うところの "thymos" です。”国家”においては、"thymos" は国を守るガーディアンを特徴付ける性質です。
ところで、国家なんて言う概念自体、今のグローバル化の時代には不要の遺物と言う人が在るかもしれない。しかし、少なくとも、東アジアにおいては、欧州の EU の如き、 AU なんてものは当分有り得ない。大体、アジアと言う言葉自体、ギリシャ人から借りて来て、地理的に延長しただけの空疎なものです。
他に、例えばアップルやグーグル等で、ユダヤ系とアラブ系社員が仲良く働いているのを見て、国家やナショナリズムが希薄になっている事を考察する人も在るかもしれない。しかし、ここで忘れてならないのは、この種の企業の多くが、一つは米に本社を持つ事、そして、畢竟、米国家の理念と政治軍事力の傘下に在る事です。
投稿者 綾木誠之進 : 2007年09月21日 13:06
空手バカ師範殿、
>これは戦後(特にこの30年間の)日本の基本教育の失敗です。
ここで師範がおっしゃっている”基本教育”とは、勿論、台形の面積の計算方法を教えるか否か等の、単にテクニカルな事ではなく、例えば気概や倫理のような、もっと精神的な事を意味されているものと思います。とすれば、これはレジームの問題です。教育の前提として、レジームは避けて通れません。レジームとは、米のネオコンの云う”レジーム・チェンジ”、そして安倍氏の云う”戦後レジーム脱却”のレジームです。"レジーム”は仏語だそうですが、ラテン語経由でギリシャ語の”ポリテイア”に遡りる事ができます。”ポリテイア”とは、国制とも邦訳できるそうですが、ここで何よりも重要な事は、この”ポリテイア”の語は、プラトンの著作のタイトルでもある点です。一般に、”国家”と呼ばれる対話編が、このプラトンの著作”ポリテイア”の邦訳です。日本武道の話なのに、プラトンなんか引っ張って来て、何かハッタリだろうと思われるかもしれませんが、今回はそうではありません。一つには、南郷継正氏というヘーゲル主義者に対抗するためには、プラトンに依るのが有効だからです。もう一つ、これはもっと直接的な理由ですが、ネオコンの一部にとって、プラトンの”国家”は教科書みたいな本だからです。
教育を根本的に変えるには、先ずはレジームを変えるのが先決かもしれません。プラトンの著作”国家”では、”レジーム”は二重の意味を持ちます。”国制”と”魂”です。”国制”とは、民主制や専制などのことです。則ち、ブッシュ政権が、イラク戦争において言った”レジーム・チェンジ”は、フセイン政権を倒し、イラクを民主制をするという名分でした。同時に、ストラウス系のネオコンの場合、”レジーム”のもう一側面である”魂”を意味して、即ち、中東人の魂を変える事を”レジーム・チェンジ”の言葉で意味したのだろうと、僕はナイーヴに考えていました。魂を変えるとは、例えば、かつて欧州で宗教的権威に対しヒューマニズムの視点をもたらした Enlightenment の類です。最近、グリーンスパン氏が本を書いて、イラク戦争は石油のために行われたとか言っているそうですが、これも間違いでしょう。石油は、わざわざ多大な人命と国富を犠牲にして得るより、マーケットで買う方がはるかに安く済みます。グリーンスパン氏は、金利については天才的なのかもしれませんが、政治については、なにしろ大人に成って猶 Ayn Rand に私淑みたいな事をしていたような人ですから、お里が知れるというものです。イラク戦争の理由として、他に、ウォルトとミアシャイマーの“ザ・イスラエル・ロビー”説があります: http://www.lrb.co.uk/v28/n06/mear01_.html
これには、かなり信憑性が有ると思いますが、しかし、この説を認めると、民間のビル・クリストル氏等のみならず、ペンタゴンにいたウルフォウィッツ氏や、更には副大統領のチェイニー氏までもが、イスラエルの”エージェント”の如きになってします点、無理が有ります。
そこで、結局、いつものように突拍子も無い事を言う事になってしまいましたが、ネオコンの言う”レジーム・チェンジ”とは、アメリカ人の魂について言っているのではないかと言うのが、僕の仮説です:
冷戦が意外に早く、それもあっけなく終わってしまい、米人のタガが緩んでしまった。現に、徴兵を避けたような人物が二人続いて、大統領に選ばれるような世相となってしまった。彼等が選ばれたのには、ベトナム戦争時、彼等と同様、戦争を避けて大学に学び、今はメディア等、社会の中心を担うようになった米人が、自分達の過去を正当化するような、何か精神的な compensation も有ったのではないか。ソ連との経済イデオロギー戦争においては極めて有効であったミルトン・フリードマン的なリベタリアニズムのレトッリクには、米国家を考える時、米の建国が如何に”コマーシャル・リパブリック”としてであったとは言え、米が republic である以上、行き過ぎも有った。一方、グローバル化が予想以上に進展している。グローバル化を推進するのは、経済である。則ち、republicanism は急速に衰えてゆく。では、如何にしてリパブリカニズムを刷新するか? 即ち、米人の魂を刷新するには、如何にすべきか? 戦争に如く事は無し。そして遣るからには、臨時に徴兵を復活させるくらいの覚悟でやるないと、米人の”レジーム・チェンジ”、則ち、リパブリカニズムを刷新するような効果は産まれない。
僕が何故このような突拍子も無い事を言うかと申せば、ブッシュ政権を見ていると、イランに戦争を拡げる覚悟に見えるからです。開戦の名分は何であれ、イランの場合、占領するとなれば、イラク以上に兵が要るでしょうから、徴兵の必要(つまり名分)が出来ます。また、時期大統領選で、共和党の候補、特にジョン・マッケイン氏に勝たせるためには、戦争を拡げて、軍経験の無いオバマ氏やクリントン氏では到底務まらないと米国民が考えるような状況を作ることでしょう。そして、もし、米で徴兵を臨時にでも復活させる事が可能であるならば、それを為すに、ベトナム戦争において英雄的な履歴を持つマッケイン氏に優る人物はいないでしょう。
もしも、僕の寝言が現実化したならば、それは、日本の”レジーム・チェンジ”も意味します。則ち、日本の教育を根本的に革める千載一遇の機会です。前に "the axes of evil" として、仮にも米大統領が挙げたのには、イラクとイランの他に、北朝鮮が含まれていたでしょう。
ところで、余りに突拍子もない狂言を書いてしまいましたから、僕としては、自分の sanity を疑われるのは嫌ですので、一つ、僕の sanity を示す事を書いておきます。イラン自体については、僕は放っておくのが最も賢明と考えます。イランの核武装についても、イスラエルが核武装している事もありますし、また米大統領の "the axes of evil" に名指しで挙げられた事からも、イランにとっては合理的な選択肢の一つでしょう。また米にとっても、かつて核武装したソ連と共存していた事を想えば、核武装したイランとも付き合えるでしょう。イランの内政について言えば、あそこの若者には茶目っ気が有るようですから、いずれ、内部的に、神聖国家の老害の行き過ぎを改めてゆくでしょう。ちなみに、日本ハムのダルビッシュ君がメジャーに行って活躍すれば、イラン内部の改革意識を高める事に貢献するでしょうし、一部の米人が未だに抱くイラン人に対する理不尽なわだかまりを解消させる助けにもなるでしょう。更には、日本とイランの友好にもより貢献するでしょう。
投稿者 綾木誠之進 : 2007年09月21日 16:14
空手バカ師範殿、
>これは戦後(特にこの30年間の)日本の基本教育の失敗です。
それなら、戦前の教育勅語を使った天皇崇拝軍国主義教育の方がいいと言うのか?
そんなに戦争したいのか?
投稿者 ガッチャマン : 2007年09月22日 11:16
ガッチャマンさん?
空手バカ師範殿、>これは戦後(特にこの30年間の)日本の基本教育の失敗です。
それなら、戦前の教育勅語を使った天皇崇拝軍国主義教育の方がいいと言うのか?
そんなに戦争したいのか?
教育勅語=軍国主義というのは意味がわかりませんが?
投稿者 sesekys : 2008年05月05日 00:08
教育勅語と軍人勅諭で洗脳されたからこその
皇国史観教育と軍国主義でしょう。
そういう歴史もわからないほど無知なのですか?
投稿者 ぽんぽこ : 2008年05月06日 18:12
教育勅語{口語訳}
私の思い起こすことには、我が皇室の祖先たちが国を御始めになったのは遙か遠き昔のことで、そこに御築きになった徳は深く厚きものでした。我が臣民は忠と孝の道をもって万民が心を一つにし、世々にわたってその美をなしていきましたが、これこそ我が国体の誉れであり、教育の根本もまたその中にあります。
あなた方臣民よ、父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は調和よく協力しあい、友人は互いに信じ合い、慎み深く行動し、皆に博愛の手を広げ、学問を学び手に職を付け、知能を啓発し徳と才能を磨き上げ、世のため人のため進んで尽くし、いつも憲法を重んじ法律に従い、もし非常事態となったなら、公のため勇敢に仕え、このようにして天下に比類なき皇国の繁栄に尽くしていくべきです。これらは、ただあなた方が我が忠実で良き臣民であるというだけのことではなく、あなた方の祖先の遺(のこ)した良き伝統を反映していくものでもあります。
このような道は実に、我が皇室の祖先の御遺(のこ)しになった教訓であり、子孫臣民の共に守らねばならないもので、昔も今も変わらず、国内だけでなく外国においても間違いなき道です。私はあなた方臣民と共にこれらを心に銘記し守っていきますし、皆一致してその徳の道を歩んでいくことを希(こいねが)っています。
明治二十三年十月三十日
この内容が帝国史観教育とは思えないが。
投稿者 空手バカ : 2008年05月09日 11:54
