2006年12月30日
知ってほしい、競馬に負けぬ競艇の魅力:山本善憲
先日の中山競馬場で行われた有馬記念は、ディープインパクトが圧勝のVでラストランを終えた。競馬ファンのみならず、すべての人を巻き込んだ“ディープ・ブーム”は、一種の社会現象になった。売り上げ、入場人員こそ前年に大きく及ばなかったが、1レースで440億円もの大金が投じられたのは、ただただ「すごい」の一語。競馬と競艇は何が違うのか? 競艇記者をしながら常々思ってきた。動物と人という根本的な相違はともかく、あそこまで競馬人口を増やした要因は何なのか。それは競馬が若年層のファン獲得に成功したことに尽きる。
16年ほど前にオグリキャップが活躍した時、当時高校生だった自分の周りにも競馬に興味を持つ友人は少なからずいた。ただ、それは誰もが持つ「大人へのあこがれ」みたいなもので、本質的なことを理解し競馬を見ているわけではいなかった。それでも、競馬はオグリキャップの引退後もファンを増やし続けた。新聞、テレビ等のメディアで大きく扱われることが増えたこともあるが、前述のように若いファンを逃がさなかったのが大きい。
ちょうどそのころ、競馬を題材にした某ゲームが発売され爆発的にヒットした。自分で馬に名前を付け、調教を行いレースに参加させる。生産、繁殖という競馬にとって最も本質的なプロセスを疑似体験させることにより、競馬という競技が持つ奥の深さが人々に浸透した。それが競馬のブレークにつながったと思う。
競艇では数年前に「モンキーターン」というマンガが描かれ、アニメ化もされた。深夜の放送枠がもう少し早い時間だったらと残念な思いもあるが、若いファンを確実に増やした。実際、このマンガを見て選手を志したという新人も多い。競艇も競馬に負けない魅力を持っているはずだ。
競艇には女子選手もたくさんいる。エンジン、ボートはレースごとに抽選で決められるので、強い選手が勝つとは限らない。選手はボートに正座をするようにして乗っている…等々。これらのことを果たして、どれくらいの人が知っているのか。競艇に限らず公営競技は専門用語など、初心者には敷居の高い印象があるが、水上を滑走するボートは想像以上の迫力だ。無理に舟券を買う必要はない。だまされたと思って、1度競艇場で生のレースを見てほしい。
December 30, 2006 03:31 PM 投稿者:山本善憲
2006年12月17日
名古屋去る「秋さん」、イズム継承願う:八反誠
J1名古屋のDF秋田豊(36)が来季戦力構想から外れた。仲間から「秋さん」と呼ばれ、慕われ続けた豊富な経験を持つ屈強なDFは、名古屋に3年間在籍。Jリーグ創設の93年から第一線で活躍を続ける「闘将」の存在は、名古屋の大きな武器だった。
2年間をともに過ごし、11月にアジア杯予選最終戦のサウジアラビア戦(札幌ドーム)で初めてフル代表に招集されたMF本田は「人生を少しでも変えてくれた、そう言ってもおかしくないほど、影響を受けた」と言い切る。
秋田は、本田が日本代表に「飛び級」で初選出され時に「このままなら、すぐに落ちるよ」と厳しい言葉を送っている。「サッカーへの取り組みは最高。将来は間違いなく日本代表に定着して主力としてやる選手だけど、まだまだ」。本田の力を認めた上で、2度のW杯など代表通算45試合の経験をもとに技術、戦術面の厳しい指摘をした。
一方で暖かい言葉で、若手に自信を植え付けたこともあった。11月23日のアウエーC大阪戦(長居2)。前半28分にMF渡辺が2度目の警告を受け退場。すぐに「もっと落ち着いてプレーすればいい」とアドバイス。この一言で肩の力が抜けた渡辺は9日の天皇杯鹿島戦(カシマ)で攻守に渡りキレのあるプレーを披露。「秋さんの言葉で余裕を持ってプレーできるようになった」と感謝した。
練習でも試合前のアップでもいつも最後まで居残って練習を続ける真摯(しんし)な取り組みと、経験に裏打ちされた精神的主柱としての存在感。同世代のMF藤田は秋田と同じ役回りを振られると「1人では難しい」と、その穴の大きさを口にした。
もちろん、クラブとしても苦渋の決断だった。地元出身の功労者として来季去就については本人と何度も話し合いを重ねた。最後は秋田の希望を尊重し、他の契約満了選手より5日早く、情報を開示するなど配慮した。
現在、複数クラブから移籍の打診があるという。日本サッカー、Jの歴史をつくってきた秋田自身が新天地で輝くこと、そして「秋田イズム」を名古屋の選手が継承していって欲しいと、強く願う。
December 17, 2006 02:15 PM 投稿者:八反誠
2006年12月11日
舛名大を生んだ異色イベント:桝井聡
名大在学中の舛名大が現役国公立大として初の角界入りを果たして久しい。大学に入るまでは相撲と無関係の生活を送っていた舛名大が、相撲を始めたきっかけは何だったのか。本人に聞いてみると「相撲部のイベント」という答えが返ってきた。
名大相撲部はこれまで数々の相撲イベントを開催してきたという。今年7月には名古屋城を借り切って『どすこい名古屋城 RAVE』を開催。名古屋城の敷地内に即席の土俵をつくり、相撲部員がけいこを披露した。DJブースも持ち込んで、名古屋城をライトアップ。クラブと相撲の融合を成功させた。このイベントは1日で2000人を集めるほど好評だった。こんな催しが、入学間もない舛名大の心をとらえた。
本業の相撲と違うこのようなイベントに当初、部員から反対の声が相次いだ。「狂言や能といった日本的なものといっしょにやるならやむなし」という声もあったという。だが、舛名大は言う。「もちろん相撲が本業です。ただ相撲人口の底辺拡大をしなければいけない。相撲に対するネガティブなイメージを払拭したい。そのためにはギャップが必要ですよ」。相撲部の細谷辰之部長(47)も「うちのような国公立大では相撲部は振り向いてもらえない」と事情を明かす。
学生相撲には強さに応じてA~Cクラスがあり、名大相撲部はB。国公立大のなかでは健闘しているが、Aクラスの日大や日体大などの強豪にはまだまだ及ばない。現部員すべてが入部時は未経験者。クラスを上げることが目標だが、前提となるのは部員集め。その「きっかけ」が欲しいということだ。
相撲部は来春、三重・鳥羽市答志島でジャズ、和太鼓、ボサノバと相撲を融合させたイベントを企画しているという。相撲部本来の姿ではないかもしれないが、イベント参加者の中から第2の舛名大が出てくるかもしれない。
December 11, 2006 01:13 PM 投稿者:桝井聡
