2006年06月23日

相乗効果狙う蒲郡競艇場の試み:川尻将志

 なんともミスマッチで面白い空間だ。今月6日、蒲郡競艇場内に「昭和アーケード」が誕生した。9月25日までの開催中の期間限定の試みだが、昭和30年代をイメージして作られた約50メートルの懐かしい街並みの中には、天むすの地雷也、家庭料理の昭和食堂、甘味屋の笑蒲、極太麺の焼きそばで有名な名駅柳橋鉄鐵堂など、飲食店がズラリと軒を連ねるほか、駄菓子屋や、今はやりのメイドカフェならぬ、メイドビアホールまである。

 日曜日には午後6時から「よしもと蒲郡ナイター劇場」でお笑いライブが定期的に実施される。土曜日には昭和フォークライブが行われるなど、イベントは盛りだくさん。入場料は蒲郡競艇場に入るための100円のみ。目と耳と舌で思う存分、昭和を楽しめる多彩なラインナップは、子ども連れからお年寄りまで、幅広い年齢層が楽しめる構成となっている。

 近年、公営ギャンブルの入場者数の減少に歯止めがかからない。蒲郡競艇場の試みがどこまで入場者数アップにつながるのか、関係者の注目度は高い。競艇の魅力そのものが薄れたとは決して思わないが、レジャー産業が多様化した現在においては、個人の選択肢も広がり、公営ギャンブルに対する関心度は低くならざるを得ない。それはプロ野球、Jリーグにも共通する悩みでもある。

 むしろ競艇単体だけで、今後の成長を期待する方が酷というものだろう。他ジャンルとのコラボレーションこそが、生き残る道ではないだろうか。競艇ファンが「昭和アーケード」で心を和ませ、それまで競艇を知らない人々が「昭和アーケード」でファンになる。そんな相乗効果が必要とされている。まだまだ規模は小さいが、蒲郡競艇場の試みは今後の公営ギャンブルが目指す1つのモデルケースとなりそうだ。

June 23, 2006 11:03 AM 投稿者:川尻将志

2006年06月17日

視聴率の世界にも「名古屋流」:上野竜一

 まさかの結末に記者の住むマンションでも、あちこちの部屋から悲鳴が聞こえてきた。猛烈な脱力感は翌日まで続いた。12日に行われたドイツW杯の日本対オーストラリア戦。試合はNHKで生中継され、名古屋地区では平均視聴率45・9%を記録した。午後10時キックオフということを考えれば、やはり注目度の高さを証明する数字だ。

 この視聴率、数字はもちろん、実はその内容も地区によってそれぞれ「色」があるのをご存知だろうか。地域ごとの生活や文化スタイルの違いが反映されているようなのだ。メ~テレ編成制作局編成部の竹内肇氏に、名古屋地区の特徴を聞くと、ざっと以下のような分析をしてくれた。

  1 通勤にかかる時間が関東よりも短いため、起床時間も遅い。そのため平日の午前5時、6時台の視聴率は関東に比べて低い。一方で「(繁華街の)名古屋の夜は早い」と言われるが、夜の在宅率は高いため午後11時台以降の視聴率は逆に高い。

  2  いわゆる「定番もの」が強い。時代劇だと「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」。ドラマだと「はぐれ刑事」シリーズ。バラエティーでは「新婚さんいらっしゃい」や「東京フレンドパーク」。そして年末の紅白歌合戦などだ。いい意味でのマンネリが評価される番組が、名古屋地区では特に高い支持を得ている。

  3 スポーツものは苦戦。例えば地元愛知出身のイチローや中日福留が活躍したWBCの決勝戦の平均視聴率は関東43・4%に比べ、名古屋地区では35・6%。この傾向は各競技、五輪などにも共通すると言う。

 そんな名古屋で今、他地区に比べて圧倒的な高視聴率を誇るのは細木数子関連番組なのだという。「ズバリ言うわよ」(CBC系)は毎回、25%近い視聴率を維持。「レギュラー、単発(番組)を問わず強い。名古屋人気質の中に、ズバッと言ってくれる人が好きというのがあるのかも。そういえばみのもんたさんの番組も強いし」と竹内氏。

 結婚式が派手。貯蓄好き。お値打ち物に目がないなどのイメージがあり、最近では「名古屋めし」「名古屋嬢」など独自の文化を育んでいる名古屋。視聴率の世界でもしっかり独自の「名古屋流」が存在しているようだ。(視聴率はビデオリサーチ社調べ)

June 17, 2006 10:19 AM 投稿者:上野竜一

2006年06月10日

競輪界のホープ吉田、募金活動への思い:村上正洋

 自分も一児の父として黙っていられなかった。愛知競輪界のホープ吉田敏洋(27)が訴える。「ボクもできることはしたいし、先輩たちに掛け合って選手会のみんなにも協力してもらいたい」。吉田が熱く話すのは、すでに各種メディアでも取り上げられている春日井市の山下努さん(41)の長女、みらいちゃんのことだ。

 みらいちゃんは今年3月6日に生まれ、生後2日目で排便ができないという異常が見つかった。全結腸で神経節細胞がない難病「全結腸型ヒルシュスプルング病」で、治療には全結腸の移植しかないという。日本では15歳未満の臓器移植は認められておらず、海外で手術するほかはない。米国フロリダ州マイアミ大ジャクソン病院での手術を予定しているが、渡航費用や手術費、現地滞在費などで1億2500万円の資金を要する。現在、集まった募金は4866万余円(8日現在)。「山下みらいちゃんをすくう会」事務局は「みらいちゃんの体力がある間に手術が必要です」と話す。

 吉田が立ち上がったのは「ボクを熱心に応援してくれている人が『すくう会』の活動もしていた」とファンに啓発されての行動だ。選手間でカンパを募るほか、25日には記念競輪(G3)の準決勝戦が行われる豊橋競輪場で一丸安貴(34)とともにファンへ募金を呼びかける。また、7月27日に一宮競輪場で実施されるファン感謝イベント「わんぱくカーニバル」の中でも競輪グッズのチャリティーオークションの売り上げを募金に充当する予定だ。

 吉田は「プロ野球、Jリーグに比べて競輪選手の認知度は高くない。ボクらの活動で競輪にも目が向けば」と善行がもたらす効果も期待する。レジャーの多様化もあって競輪を取り巻く環境は厳しい。しかし、こんな熱い思いを持つ選手がいることを知ってもらいたい。

 ◆山下みらいちゃんをすくう会問い合わせ先 電話0568・92・2266
 ◆公式ホームページ(http://homepage2.nifty.com/miraichan/)

June 10, 2006 10:56 AM 投稿者:村上正洋

2006年06月03日

ルーキー記者、中日育成枠・竹下に教わる:桝井聡

 5月に入社したばかりの私にとって、怒とうの1カ月が過ぎ去った。今はナゴヤドームで試合があるときは中日、それ以外は高校野球などを取材。そんな中で気になるのは、同世代の選手の頑張りだ。

 育成枠選手として中日でプレーを続ける竹下哲史内野手は、自分より1学年下の23歳。その竹下が、2日のウエスタン阪神戦で公式戦初安打を記録した。待ちに待った初安打だった。守備を買われて育成選手となった竹下だが、試合に出られず苦悩する時もあった。そんな時、格好の発奮材料となるニュースがあった。5月24日、ソフトバンクの育成枠選手の西山投手と小斉外野手が支配下選手に登録され、西山はその4日後、1軍のマウンドに上がった。

 「他人は他人です」という竹下だが、2人の支配下登録は大きな刺激になったようだ。試合後、私に「6月って30日までですかね」と聞いてきた。そう、今季支配下選手への登録はトレード可能期限の6月末までと決まっている。ぎりぎりのアピールを必死に続けているのだ。初安打を記録した試合後もドロドロになりながら最後まで残り守備練習を続けていた。竹下の奮闘を近くで見続けている風岡尚幸内野守備走塁コーチは「ステップアップするチャンスはある。課題を見つけながら頑張ってほしい」と期待を寄せている。

 初ヒットのボールを記念にもらわないのかと問い掛けると「プロになってからです」と一言。そんな竹下のモットーは「諦めなければ夢は実現する」だった。

 記者になって1カ月。私も早く1人前になれるよう竹下同様、泥臭く頑張りたい。

June 3, 2006 11:00 AM 投稿者:桝井聡