2007年07月04日
北信越BCリーグはマヨネーズリーグ?:村野森
米国のマイナーリーグは「ハンバーガーリーグ」と言われる。選手たちの収入は少なく、ナイターが終わるとレストランが閉まっていることも多いため、毎日ジャンクフードを食べざるを得ないというのが理由だ。長時間のバス移動を強いられるなど労働条件はけっしてよくないため、選手たちは文字通りハングリー精神をむき出しにして、日々のサバイバルに全力を注ぐ。現状を抜け出し、超VIP待遇のメジャーの世界に入ろうと、ひしめき合いながらしのぎを削る。
日本にも似たような? リーグがある。発足1年目の独立リーグ、北信越BCリーグだ。組織は小さいが年間72試合を戦い、試合のない日は朝から夕方まで練習するプロ集団。先に発足した四国アイランドリーグを手本に、4球団独立採算制を打ち出している。富山サンダーバーズの場合、選手の基本給は15万円。成績に応じボーナスが支給される。S評価なら5万円、Aは3万円。Bは2万円、Cは1万円、Dは0円。所得税やアパートの家賃を差し引くと手元に残るのはわずかだ。
富山・鈴木康友監督(47)は、NPBとの激しいギャップをむしろ楽しんでいるという。今春、宮崎県日向市でキャンプを行った。昼食は選手の「自腹」だ。希望者は500円を払い、球団が手配した弁当を受け取るシステム。ところが値段が高いといって注文せず、自分でにぎった巨大なおにぎりを持ってくるヤツがいた。具は何か。「マヨネーズです。うまいっすよ」。確かに安くて高カロリーだが、プロ野球選手の食事とはとても思えない。
オープン戦で罰金制度を採用した。誰かがミスすれば、連帯責任で全員が罰金を払い、後で有効利用するのだ。「結束を高める意味もある」と鈴木監督。額で悩んだ。プロのようにウン万円というわけにはいかない。ウン千円でも多いか。結局200円に決まった。ミスが6つ出た試合があった。罰金は1人1200円。ある選手が真顔で言った。「カントク、分割でいいですか?」。選手の金銭感覚は、一概には言えないがそんなものだという。
NPBで活躍する選手は出てくるのだろうか。いつか出てきて欲しい。現段階のレベルを考えるとそんなに甘くないのだろうが、夢のある話ではないか。そしてチームが独立して黒字運営され、かつ「NPBの下部組織」として機能するようになればリーグは潤うし、経営難のNPBにとっても望ましいはず。「ハンバーガーリーグ」ならぬ「マヨネーズリーグ」の今後に注目したい。
July 4, 2007 03:15 PM 投稿者:村野森
