2007年10月08日

「みる」と「やる」をつなぐパイプに:上野竜一

 フットサルが新時代に突入した。9月23日、初の全国リーグとなるFリーグが開幕した。東京・代々木第1体育館で行われた開幕戦には、約7000人のファンが詰めかけた。Fリーグの大仁邦彌最高執行責任者(COO)は「Fリーグへの期待のあらわれ。この期待を裏切らないようにしたい」と話した。

 現状、フットサルは圧倒的に「みる」よりも「やる」競技だ。1994年に「フットサル」と名称統一された後、Jリーグの盛り上がりや日本代表のW杯出場などによるサッカー人気の高まりに、性別や年齢を問わず少人数でやれる気軽さなどが重なり、競技人口が爆発的に増えた。愛好者は現在、約200万人いる。一方、「みる」競技としては、もともと競技としてのフットサルが盛んな関東で固定のファン層がわずかに存在する程度。やる競技として極めて高い人気を誇る反面、みる競技としての認知度はまだまだだ。

 「みる人とやる人をつなぐ。Fリーグのピッチは、これからそういう場にならないといけない」。リーグ関係者の1人は開幕戦を見つめながらこう話した。プレーしたことがある人、これからやってみたい人、やらないけど見るのが好きな人、そんな人たちの足を会場へ運ばせる。「みる」フットサルを一般に認知させ、「みる」と「やる」をつなぐ太いパイプとなることがFリーグ成功のカギとなる。

 実際に会場でみると、スピード感や迫力に目を奪われる。テンポの速いボール回し、テクニカルなプレーから次々とシュートが生まれる。接触プレーに制限が設けられている分、サッカーより速さと技術が際立ち、攻守がめまぐるしく変わるため、一瞬たりとも目が離せない。みる競技としても十分に可能性を秘めていると感じた。

 9月29日にパークアリーナ小牧で行われた名古屋オーシャンズのホーム開幕戦は雨模様の中、1603人の観衆を集めた。名古屋の桜井嘉人代表取締役GMは「これだけの人がきてくれた。じーんときました。ここからです」と子供たちの姿が目立つ観客席に目をやりながら話した。

 サッカー初の全国リーグであるJSL(日本サッカーリーグ)が誕生したのが1965年。地域への定着、観客動員やスポンサー、チーム経営の安定…。時間をかけて様々な問題をクリアし、Jリーグが誕生したのは93年のことだった。J同様に将来のプロ化を目指すFリーグ。ひとつひとつ課題を克服し、着実に根付いてほしい。

October 8, 2007 06:56 PM 投稿者:上野竜一