2006年11月04日

落合英が見せてくれたプロの生き方:桝井聡

 中日落合英二投手(37)が10月30日に会見し、今季限りでの現役引退を発表した。右肩痛の不安が消えなかったのが理由だった。

 黙々とナゴヤ球場を走り込む姿が忘れられない。入社1年目の記者は、毎朝のようにナゴヤ球場に通った。最初は選手の名前も顔もわからなかった。数少ない知っている選手の1人が、落合英だった。今季は故障で出遅れ、開幕は2軍スタート。6月27日に1軍登録されたが、5試合登板してだけで8月3日に抹消された。右肩痛が影響だったのだと思う。その後は再び2軍生活。若手に交じって汗を流す生活は、シーズンが終わった後も続いた。

 大ベテランなのに、偉ぶる様子がまったくなかった。深々とあいさつされ「記者はルーキーなのに」と恐縮したことは数知れず。トイレで居合わせたときも、グラウンドの端っこからも、記者があいさつする前に、いつも先にあいさつされた。記者が持っていく新聞に食い入るように見入り、野球の話だけでなく雑談にも乗ってくれた。練習が終わり「送っていこうか」と言ってくれたこともある。何をしていいかわからずおどおどする記者に、いつも「頑張って」と励ましてくれた。

 シーズン終了後、今年も中日からは3人の選手が引退を宣言した。そして、6人が来季の契約をしないことを通告されている(11月3日現在)。その中には記者と同じ世代の選手もいる。ダメなら切られるプロの世界で15年も生き抜いてきた落合英は、素直にスゴイと思う。

 引退後のことは明言していない。だが、落合英なら、どんな仕事に就いたとしても成功すると思う。1軍選手が帽子のツバに落合英の背番号「26」を書き込んでプレーするほど人望があり、右も左もわからない新米記者にまでプロの生き方を見せてくれた。記者も早く1人前になって、もう1度取材させてほしいと思う。

November 4, 2006 02:08 PM 投稿者:桝井聡