2006年08月07日

ママさんレーサー再出発、プロ魂は健在:津波謙次

 男女とも同じ舞台で戦う競艇だが、選手同士で結婚するのも少なくない。確かな数字は把握できないが、業界内で結ばれるケースは意外と多い。

 女性の競艇選手は結婚しても走るケースが多いが、妊娠、出産を経るとさすがに休養を取るため戦列から離れる。ブランクが長すぎると“職場復帰”が困難になりそうだが先月17日、津女子リーグで約2年ぶりに復活した井口真弓(23=三重、旧姓新田)は、レーサーに戻りたくて仕方なかった。「赤ちゃんを産んで、すぐにでも復帰したかったんです」。昨年4月に長男を出産し子育てする傍ら、夫で選手の井口佳典(28=三重)は妻の復帰に反対。時間をかけて説得してきたが、妻のプロ魂に根負け…。「周囲から色々言われたけど、私ってレーサーになってまともに走っていないから」(井口真弓)。

 プロとしての意地が垣間見えた。実は02年3月に選手登録をした井口真弓は、03年1月にデビューするまでブランクがあった。津での旋回練習中、他の選手と接触事故に遭い左大腿骨などを骨折する大けがを負った。すぐに入院したが、1カ月もの寝たきり生活を余儀なくされ、リハビリに時間がかかった。約10カ月ものブランクを経て、レーサーとして1年半ほど走ったが、産休のために再び約2年の休養。今回が第2のスタートとなったのだ。

 復帰戦は1節(6日間で)で2勝をマークしたが、本人はどう感じたのか。「昔はレース後に先輩からいろんな教えを言われて、すぐ実戦に生かすために全部しようとして失敗した。負けることがプレッシャーになって自分がダメになった。でも、今は負けたことを引きずらないようにしたんです」。ママさんレーサーになって、気持ちの面も変わったようだ。「子供が生まれて自分に落ち着きが出てきたんですかね。でも、レースで負けた時は悔しいんですよ(笑い)」。

 これからの目標を聞くと「私は目標を立てるとプレッシャーになるから、1つ1つのレースを一生懸命走りたい」と話した。地元のエースとして成長する井口佳典とともに、夫婦そろって活躍する日も近い。

August 7, 2006 03:48 PM 投稿者:津波謙次