2007年08月23日

鉄人?アニキ?MF藤田の愛称は?:八反誠

 サッカー界ならやはり「キング」こと横浜FCカズだろう。「王子」といえばハンカチかハニカミ、「アニキ」なら阪神金本か。スポーツ紙に愛称のたぐいは非常に多い。だが、担当する名古屋の顔でもあるMF藤田俊哉(35)には、なかなか当てはまる呼び名がない。

 プロ14年目の今季、リーグ前半戦で史上初のJ1最多400試合出場を果たした。J15年の歴史のほとんどを、第一線で活躍している。最多出場は「鉄人記録」の一つ。しかし藤田は174センチ、64キロとJでもひときわ小柄。ケガには強いが「鉄人」の呼び名はどうもピンと来ない。小学校3年生になる藤田のまな娘にぶつけても「鉄人? パパは違うよね」と言われてしまった。

 ピッチ外では「会長」の顔も持っている。今年からJリーグ選手協会会長に就任したからだ。ならば「会長」と呼んでみようか…。これもどこか違う。

 こうなれば、本人に聞くしかない。鉄人、会長、あるいは…。

 藤田 昔から「トシヤ」しか言われたことがないね。鉄人? 何も鉄人じゃないよ。高校、大学とすい炎、肝炎にもなったし、大学時代は、はしかと風しんにもかかったよ(笑い)。

 直撃は不発に終わったがある意味、真理に到達した気もした。ピッチ外での振る舞いが顕著だが、いつでもさりげなくサラリとやってのける。

 先日はサポーターへのサインと記念撮影を一通り終え、車に乗り込みサングラスをかけたところで、再び別のサポーターから「俊哉さ~ん」と、カメラのレンズを向けられた。すると、軽やかに車を降り、サングラスを外して笑顔で応じていた。ユニホームを脱いでも、プレー同様、どんなこともさりげなく流れるようにこなす。

 藤田 ニックネーム? 特別な何かがないのがオレでいいんじゃない。難しかったり、つらい状況でも飄々(ひょうひょう)とやるのが自分のイメージで、ポリシーだからね。

 自然体の藤田に、余分な呼び名はいらないようだ。いつどんな時でもシンプルで着飾ることのないその姿勢の積み重ねこそが、前人未到の400という数字の秘けつのような気がする。

August 23, 2007 05:33 PM 投稿者:八反誠