2006年05月09日
きっと必要になるベテラン落合の「力」:伊藤馨一
中日投手陣から、長年ブルペンのリーダーとして引っ張ってきたベテランの姿が消えた。98年からセットアッパーとしてフル回転してきた落合だ。開幕から1カ月。チーム防御率がリーグ5位と投手陣が低迷しているが、故障などもあり、かつての最優秀中継ぎ投手にはまだ1軍からの「お呼び」はかかっていない。実力の世界なのは分かっているが、何か「違和感」を感じながら試合を見ている。
「なかなかチャンスが巡ってこないですね。でも頑張らないといけない」。落合は日焼けした顔でこう言った。今季は2軍で2試合に登板して防御率0・00。調子が上向いていた中でわき腹を痛めた不運もあって、4月8日の登板を最後に実戦から遠ざかっている。そんな状況に陥っても、決してグチはこぼさない。2軍で連日のようにランニング中心のメニューで精力的に汗を流している。
今年37歳になるベテランにとって、背水の決意を胸に秘めたシーズンだ。昨年は先発としてスタートしたが、途中でリリーフに配置転換となった。だが、終盤には2軍落ち…。31試合に登板して2勝1敗、防御率は4・72。不本意な数字だけが残った。03年オフに結んだ3年契約の最終年ということはもちろんだが、それ以上に役割や1軍の確約がなかったことが落合の立場の厳しさを表している。
3年契約最終年の落合監督は、優勝が至上命題。今季は我慢のないさい配で首位巨人を追撃している。開幕から結果が出なかった岡本、高橋聡の2人も簡単に2軍に落とされた。そんな状況では、ベテランへの配慮は期待できないだろう。それでも、落合は「今、上(1軍)のピッチャーが苦しい状況にあることは分かっていますよ。まず呼ばれるように頑張って、何とか力になりたい」と話した。
落合監督の方針で今季、支配下選手69人のうち、半数以上の35人が投手が占める。1軍は12人。川上ら先発5人と平井、岩瀬は故障などがない限り、2軍落ちはないだろう。残り5枠。落合にとっては狭き門であることは間違いない。だが落合には他の投手にないものがある。ある投手は言った。「ブルペンに英二さん(落合)がいると落ち着きます」。苦境にも前向きなベテランの力が必要となる時は、きっとくる。
May 9, 2006 02:30 PM 投稿者:伊藤馨一
